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#11 対称性の法則 - 伝統と格式は「対称性」に宿る

本日は単刀直入、結論から入ります。

そのジャンルを切り拓いたブランドは伝統と格式を示すために「ロゴの対称性」を追求しがちであり、一方でそんな既成概念にアンチテーゼを投げかけたいブランドは「ロゴの非対称性」を追求する傾向にある。

そんなことに気がついたのです。何を言ってるのかまったく伝わらないと思うので、実際のケースでご説明してみます。


ファストフード

対称 = マクドナルド
誰しもアルファベットを知るより前に
脳内に刷り込まれていたのでは?
非対称 = バーガーキング (1999-2021)
右肩上がりでワクワクするデザイン

完全に対称なゴールデンアーチに対して、
バーガーキングは遊び心満載な感じがしますね。

カフェ

対称 = スターバックス
一見、複雑に見えて実はシンメトリー
非対称 = ドトールコーヒー
飛び出し気味の黄色い「O」がアクセント

実はシンメトリーなスタバのロゴ。
それに対して、ドトールはよく見ると黄色いコーヒー豆が印象的です。

70年代のパーソナルコンピューター戦争

対称性高め = IBM (1972-現在)
やや冷たい印象ながら、白い罫線も相まって安定感抜群
非対称 = Apple (1977-1997)
IBMへの強い対抗意識がにじみ出ている

今見ると懐かしい感じのするアップルの6色グラデのロゴ。
明らかにIBMの安定感あるロゴを意識しているように感じます。
今もなおIBMはこのロゴを使っているのもさすが、です。

自動車

対称 = Mercedes-Benz
シンメトリーの権化のようなデザイン
対称 = TOYOTA
こちらもアルファベットの対称性を
そのまま活かしたエンブレム
非対称 = BMW
左右の色使いをあえて逆にして非対称に
非対称 = LEXUS
「L」の非対称性を活かしたデザイン

自動車はシンボリックなロゴがかなりありました。
安全性を問われるのでさすがに不安定なロゴは見当たりませんでしたが
その中でもメルセデスとトヨタのどっしり感は格別でした。

スポーツシューズ

対称 = adidas (1972-1995)
月桂樹の冠と三つ葉がモチーフ
非対称 = NIKE (1978-1994)
勝利の女神ニケの彫像の翼をモチーフとしたスウッシュマーク

フィル・ナイトの自著「SHOE DOG」を読むと、
いかにNIKEがPUMAやadidasを意識していたか?がわかります。
スウッシュはそんな背景を含めて生まれていますね。

これ、けっこう発見だと思いませんか?もちろんコカ・コーラのように、道を切り開いた先駆者のロゴが全くもって非対称なこともあるかもしれません。でもこの法則、探すとけっこう見つかるはずです。皆さんもぜひ、これぞ!というものを探してみてください。(そして教えてください!)

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