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望月慎の財政論まとめ

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財政に関連する一連のnoteをまとめました。
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#経済学

なぜ日本は財政破綻しないのか?

「日本財政破綻論」は現代日本で極めて根強い風説です。 経済評論家の多くが、多少の違いはあれど日本財政破綻論を唱えています。 代表的な存在として浅井隆がいますが、彼は早くも1996年に「97年の逆襲 国家破産か、超食糧危機か」という著作を上梓しています。他にも、2000年に著した「2003年、日本国破産 警告編」、2005年に著した「小泉首相が死んでも本当の事を言わない理由」、2010年に著した「2014年日本国破産 警告編」などで繰り返し財政破綻論を喧伝しています。 他

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財政政策の指針 ―公共的側面と総需要的側面―

読者からの質問で、「では、望ましい財政政策とは一体何なのか」というものがありました。 そこで、「財政政策は、どのような観点、哲学で決定されていくべきなのか」ということについて、簡潔に述べていきたいと思います。 ①財政政策の公共的側面 ②財政政策の総需要的側面 ご関心のある方はぜひご購読願います。 ※※※このコラムは、望月夜の経済学・経済論 第一巻(11記事 ¥2800)、望月夜の財政論まとめ(7記事 ¥1600)にも収録されています。※※※

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「誰かの黒字は誰かの赤字の原則」→「財政"黒字"の危険性」

「もしAからBへ資産が移動すれば、Aの資産は減り(Aの赤字)、Bの資産は増える(Bの黒字)」ということは、容易に理解できることと思います。 これをさらに、「金融資産・負債の生成」という段階にまで掘り下げて適用して考察することで、金融システム全体の大まかな構造理解に至ることが出来ます。 また、タイトルの通り「財政"黒字"」(赤字ではなく)の経済上の危険性についても理解することが出来るのです。 以下の章立てで論じていきたいと思います。 ①「誰かの黒字は誰かの赤字」「誰かの

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経済学的財政破綻論の批判的検討 前編(マニアック)

一般向けの財政破綻論の検討は「なぜ日本は財政破綻しないのか?」にて検討した。上記記事に破綻論批判のエッセンスは十分含まれているが、当記事では、「経済学的財政破綻論」に批判の的を絞り、テクニカルタームを交えつつ"マニアック"に解説・批判していくことにする。 目次は以下の通り。 前編(当記事) 財政持続条件としての横断性条件とその"破れ" 後編(リンク) ハイパーインフレーションの理論と実際 関心のある方は、ご購読いただけると幸いである。

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経済学的財政破綻論の批判的検討 後編(マニアック)

一般向けの財政破綻論の検討は「なぜ日本は財政破綻しないのか?」にて検討した。上記記事に破綻論批判のエッセンスは十分含まれているが、当記事では、「経済学的財政破綻論」に批判の的を絞り、テクニカルタームを交えつつ"マニアック"に解説・批判していくことにする。 目次は以下の通り。 前編(リンク) 財政持続条件としての横断性条件とその"破れ" 後編(当記事) ハイパーインフレーションの理論と実際 関心のある方は、ご購読いただけると幸いである。

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ポリシーミックス、ヘリコプターマネー、政府紙幣発行論の違い

バブル崩壊以降の不況の中で、これまで数多くの財政政策論が提唱されてきました。 今回、それらの財政政策論のうち、三種類を分類&ピックアップして、その相違点を整理しながら解説したいと思います。 三つというのは、ポリシーミックス(金融政策+財政政策)、ヘリコプターマネー、政府紙幣発行論です。 これらの財政政策論は、財政拡張が前提であるものもあれば、必ずしも財政拡張が必要ではないものもあり、中央銀行の応分(同額)のマネタリーベースが行われるものもあれば、それが必要なわけではない

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政府債務は「将来世代の負担」なのか?

『政府債務(国債)は将来世代の負担、将来世代のツケだ』という表現、ないしアナロジーは、財政論議で散見されるものだ。(例:放置されたままの将来世代へのツケ回し 政府・日銀の一体化で失われた財政規律) こうした主張に関しては、アバ・ラーナーの機能的財政論を引用しつつ反論する論者や、世代重複モデルを用いて擁護する論者など、賛否両論あり、また論点が不明瞭ないし複雑になっている。 この議論に関して、上述した機能的財政論と世代重複モデルの双方を扱いつつ、議論の整理をはかり、複数世代を

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日本は本当に財政危機? ―世界各国の財政破綻例を見てみよう

以前、なぜ日本は財政破綻しないのか? というnoteで、大まかな(通俗的)財政破綻論の批判的検討と、実際の財政破綻パターンの確認を行いました。 今回は、より一層深く「財政破綻」の実像を知るために、世界各国のこれまでの財政破綻をピックアップして分析してみることにします。 目次は以下の通りです。 ①アルゼンチン、トルコ ②ロシア ③アジア通貨危機 ④そもそも何故、途上国・新興国は外貨建て債務を積み上げるのか? ⑤ギリシャ、アイルランド ⑥ジンバブエ、ベネズエラ ⑦自国通貨建

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