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創作が行き詰まったときに聴く音楽7選

突然ですが、あなたの創作は順調ですか?

順調? ならこの記事はまだ読まず、あなたの作品を待つ読者たちの元へ帰りましょう(ブックマークしておくといいでしょう)。

順調でない? なら、まずこの記事を読んでみてください。


苦しみは定期的にやってくる

悲しいことですが、創作活動を続けているとそういう息苦しい時期はたびたび訪れます。たびたびです。秋が過ぎれば冬が来るように、なかば定期的ですらあります。では、そんな時期にあなたは何をするべきなのでしょう?

無理やりやる気を出して書くのも一つの選択肢ではあります。ですが、私はあまり勧めません。なぜなら無理をして捻り出せるやる気は有限だからです。ピンチのたびに預金を崩しているとそのうち残高が底を突くのと同じように、すぐに捻っても捻ってもやる気が出なくなってしまいます。無理は無理だから無理というのです。

それでも無理やりやる気を出していると、次第に心労は増していき………「スキが付いてるからやる気をださなきゃ失礼だ」とか「応援してくれた人に失礼だから早く書かないと」とかの外的要因で心を奮い立たせるようになり………しかし心の奥底から出てないので長続きはせず………執筆中の作品への自信が失われ………文章を読み返すたび憂鬱になっていき………不安から逃れようと推敲不足のまま発表するも当然評価されず………やがて何で創作をしているのかも分からなくなり………作品を読んですらいないクローリングbot脊髄反射ヘイター野郎に的外れな罵倒をされ………しかしそれが心の隙間にストンと入り込み………その罵倒こそが世界の真実だと思い込み………創作から離れ………幌馬車に乗り、旧友が待つ故郷へ帰っていく………挫折を知り、優しさという強さを手に入れて………そういう結末が待っているのです。

そう悪くない結末じゃないか。そう思われたかもしれません。ですがそれは今のあなたが望む選択でしょうか? 心を奮い立たせるためにこの長い前書きを読んでいるあなたが望む結末でしょうか? 違うはずです。あなたがこれからも創作を続け理想の結末へたどり着きたいのならば、目先のピンチに対し、もっと先を見た対抗策を取らねばなりません。

対抗策は無数にあります。ゆっくり休む、旅行に行く、恋愛をする、映画を見る、カラオケで歌う、偉人の言葉を借りる……食べ物の好みと同じように人の数だけ対抗策はあります。なので上記のどれかを試したけどダメだったという方でも、他のどれかが上手く行くことは当然ありえます。その中で今回わたしがオススメしたいのは、音楽を聴くという方法です。


音楽と創作の関係

なぜ音楽を聴くのか? その理由を説明しておきましょう。音楽は英語でMusicと書き、語源をさかのぼればギリシャ語のΜοῦσαにたどり着きます。ギリシャと言えばギリシャ神話……ゼウスとかハデスとかが超有名であり、様々な作品に名前が頻出する……つまり創作意欲を湧かせるのに音楽が効くという事実は歴史的に証明されているのです。

それに、音楽を作っているのはプロの創作者たちです。世間の荒波に揉まれながらも自らのアティチュードを貫き、作品を送り出す真の男たち……そこには当然、想像を絶する真のパワーが漲っています。その彼らが未来の創作者へエールを送る曲を書いたとあれば、そのパワーを受け取らない手はありません。

しかしこの世界に音楽は無数にあり、アーティストは星の数ほどいます。自分に合った曲を探せとか、好きなアーティストを見つけろとか突然言われてもピンと来ないでしょう。疲れている時ならなおさらです。なので、今回の記事ではわたしのオススメする楽曲を7曲、あなたに紹介したいと思います。YouTubeへのリンクも張っておくので、とりあえず聴いてみてね。


1.THE PINBALLS - tenbear

「劇場支配人のテーマ」でニンジャヘッズにおなじみの、THE PINBALLSの楽曲です。力強くストレートに「十匹の熊」への思いを叩きつける歌詞がとても良い。演奏もかっこよく、気持ちを昂ぶらせてくれるパワーに溢れた一曲です。


2.MIKA - We Are Golden

どう思われようと知ったことか! 成し遂げたいならやり遂げるんだ! 的なパワーにあふれた曲です。キラキラした曲調や歌声にも強さがあり、見ていると楽しくなってくるMVも良い。

なお、記事の趣旨からは外れますが、彼には「Stuck In The Middle」「Good Wife」など暗めのいい曲もあるので、この曲を気に入ったら聴いてみてね。


3.Thirty Seconds To Mars - Kings and Queens

暗い過去形が続く前半の歌詞と、終盤の現在形の歌詞が引き起こすカタルシスがすごく、圧倒されます。壮大な曲調と本格的なMVも合わさり、パワーが漲っています。再生時間は10分近くですが、曲本体は6分ほどなので気軽に聴いてほしいです。


4.Swing Out Sister - Breakout

とにかく明るい雰囲気と、聞いていて心地いい声が素敵な一曲です。強すぎず弱すぎず、しかし力強く心を励ましてくれるパワーのある歌詞も素晴らしい。絶妙なバランスの上に成り立っている曲だと思います。


5.Bowling For Soup - 1985

輝かしい過去に思いを馳せる女性を歌った曲です。人間とは不思議なもので、頑張りたい時に「頑張れよ!」とストレートに言われても「うるさい!」と返したくなる時がある生き物です。そういう時はいっそこういう曲を聴きながら、ゆっくり落ち込んでみるのもいいでしょう。

同バンドの「When We Die」もいい曲なので紹介したかったものの、公式の動画がなかったので断念。


6.Michael Jackson - Man In The Mirror

説明不要の超有名人、マイケル・ジャクソンの曲です。世界を良く変えたいのなら、まずは鏡の中の男から。美しいメロディーと明快なメッセージが勇気を与えてくれます。

彼は栄光を手に入れた人物でしたが、それゆえに悪意を向けられ続けた人物でもあります。しかし彼は黙って塞ぎ込まず、「2 Bad」「Tabloid Junkie」などの曲で逆に思い切り殴り返しました。ヘイターに直面した時、それらの曲からもパワーを貰ってみるといいでしょう。


7."Weird Al" Yankovic - Trapped In The Drive-Thru

この曲は10分55秒もあります。ではその歌詞にもそれだけの意味が込められているのでしょうか? いません。わたしは英語に関しては完全にあほなので、もしかすると高度な比喩とかレトリックが使われているのかもしれませんが、たぶん無いと思います。

創作に関して難しく考えすぎてはいませんか? 読む人を泣かせない作品に意味はないとか、心を動かさない作品は無価値だとか、作品を通して世界中の人間を洗脳してやるんだとか、そういう考えで頭がいっぱいになってはいませんか? それはたぶん考えすぎです。

ドライブスルーの罠とは? 大した罠ではありません。ですが、そういう壮大さは作品に必須とされるものではないですし、なければ無価値とかそういう極端二元論が世界の全てではありません。この曲を楽しんでいるうちに、そんな気楽な気持ちが戻ってくる……かもしれません。

英語がわからなくてもアニメ風のMVがだいたい事情を説明してくれるので、まずは楽しみましょう。


未来へ

以上、7曲を紹介しました。わたしの紹介した音楽はどうでしたか? あなたに合っていたのなら幸いです。合わなかったのなら……前述した通り、他の楽曲も試してみてください。友達や家族に聞いてみるのもいいでしょう。

なお、もしもあなたが「元気が出る曲を聴いたのに元気が出ない……俺はやっぱりダメなんだ……」とか思っているのであれば、それは間違っています。合わなかっただけです。それは「こしあんとつぶあんのどっちが好きなの?」という命題に人間の優劣を結びつけるようなものです。必要以上に心を病む必要など一切ありません。

他にも聴いてみて、それでも元気が出なかったら? 他の手段も試してみてください。それでも元気が出なかったら? 試す元気もなかったら? ゆっくり休みましょう。無理に元気を出す必要などありません。作りたくなったらまた作り始めればいいのです。あなたには始める自由があります。逆に言えば、やめる自由もまた保証されているのです。

「エッ休んだら作品を待っている人たちが!」そういう意見はもっともです。ですが無理なものは無理なのです。それならなおさら半端な作品を無理やり書き上げるのではなく、100%のコンディションで100%の作品を100%の力で読者に叩きつけるべきです。

創作とは過酷な道のりです。一つの作品を書き上げても、それはその作品の終わりでしかなく、また新たな作品への挑戦が待っています。定期的に訪れる虚無感やメキシコの熱風に曝され、心をすり減らしながら歩んでいく、果てしない挑戦の日々……。

ですが、すり減った心は癒すことができます。決して無理をしないでください。休息を取るべき時だと感じたら素直に休んでください。どんな勇者だろうと、ホイミもやくそうも使わずに旅をしていれば、いずれ王様か教会の元へ送り返される羽目になります。それと同じことです。復活には休息よりもさらに長い時間が必要になります。結果的に余計に待たせてしまうことになるのであれば、最初から休んでおくのが懸命です。

そして、過酷な道のりを乗り越えるための癒しを見つけられたのなら……帰ってきた後にそれ記事にしたため、公開してみるのも良いでしょう。きっとそれは道に迷う創作者たちを、同じように光で照らしてくれます。そして互いに助け合う心が広がり……皆が創作を楽しく続けられる未来へ……

【おしまい】

それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。