我が家のサンタさん!
イブの深夜。美味しい残り香が漂う、飾られたリビング。紅白の服に着替えた私に、夫が娘へのプレゼントを見せた。無論、下調べは完璧だ。
「さすがね」「君も。その服、似合ってるよ」「本職だったもの」
その時、暖炉からドサッという音。そこには見慣れた衣装を着た白ひげのおじいさんの姿。
「…本物?」
夫に言われ、バツが悪そうに笑うサンタ。私はその額に破魔札を叩きつけ、九字印を組む!
「破ァッ!」「ほァばッ!」
サンタは爆散した。本業の巫女、副業の退魔師。昔取った杵柄だ。
「…少し気の毒だね」
「ええ。孤独な子の願望が生んだ…!」
外からの気配! 家を飛び出した私に、夜空を埋め尽くすサンタの軍勢が一斉に敵意を向けた。
上等。あの子を笑顔にするのは、もう貴方じゃない。
「我が家のサンタは…私たちだッ!」
指に挟んだ破魔札を一斉に解き放つ! 夜空に咲く小爆発の華がサンタを過たず捉え、爆散させていく!
「やったか!?」
夫が叫ぶ! だが!
【続く】
それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。