ゾンビープレス・パンデミック
報道ゾンビ戦争は過激さを増す一方だ。
ゾンビ・アウトブレイクの終息から5年。ゾンビ治療策の確立と共に、合衆国はゾンビ化者救済法(ZR法)を設立。ゾンビ化中の罪は不問とし、ゾンビに人権を認めた。これがマズかった。
「人の着替え中に、何…「SCOOP…」」
「子供たちをつけ回す…「SCOOP…」」
「オイ、不法侵入だぞ…「SCOOP…」」
ゾンビは生前の本能に従って動く。ゾンビー・プレス社(ZP社)はそれを最大限に活用すべく、パパラッチをゾンビ化。本能による非合法スクープ写を合法的に撮らせたのだ。ZP社は大躍進を遂げた。
「これ以上は耐えられない。彼らを止めるんだ」
陳情を受け、立ち上がったのは若き代議士エドガン。彼は支持者と共に根回しを続け、ZR法廃止に向けて戦っていた。だが。
「無駄じゃよ」
白衣の老人が言った。エドガンは聞き返す。老人は諦観の目で答えた。
「皆スクープが見たい…そのやり方では、止まらんよ」
【続く】
それは誇りとなり、乾いた大地に穴を穿ち、泉に創作エネルギーとかが湧く……そんな言い伝えがあります。