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【短編声劇台本】とある日のヒーロー戦隊(男3:女2)

登場人物(男:3、女:2)

・レッド(表記:赤)/男
熱血、ナルシスト、キザ。

・ブルー(表記:青)/男
クール、頭脳派、不憫、ツッコミ担当。

・イエロー(表記:黄)/女
ボーイッシュ、活発、ピンクに過保護。

・ピンク(表記:桃)/女
清純、可愛い系、イエローに懐いてる。

・博士/男
ヒーロー達を集めた初老の男。発明家で凄い人物だが、キャラの濃い面子を集めた事に最近気付いた。

【時間】約20分
【ジャンル】コメディ


【本編】

戦隊ヒーローのアジト

青「はぁ……」

ゲームしているイエローとピンク

黄「よし、撃破〜」

桃「あー、やばい。死ぬ死ぬ」

黄「回復あげる」

桃「ありがと、イーちゃん」

青「はぁ……」(大きめ)

黄「オッケー、ピーちゃんそっち回り込める?」

桃「いけるいける」

黄「おーし、いけるいける〜」

青「おい、イエローにピンク!こんなわざとらしくため息吐いてる仲間を放置してゲームするか!?」

桃「ブーちゃんうるさい」

黄「ちょっとブルー、唾飛んでる」

青「あ、ごめん…いや、そうじゃなくてさぁ!」

黄「はぁ〜もうブルーのせいで萎えたわ」

桃「必要アイテムゲット出来たからいっか〜」

黄「で、何?聞いて欲しかったんでしょ?あんた話長いから手短にして貰える?」

青「え、はい…。いや…前から考えてたんだけどさぁ…俺、このヒーロー戦隊やめたくて」

桃「へー」

黄「あっそう」

青「何か冷たくない?」

桃「別に興味ないし〜」

黄「ぶっちゃけどーでもいい〜」

青「本当に仲間か?お前ら…」

黄「つかそういう話レッドか博士に良いなよ。私達に言われてもねぇ?」

桃「ブーちゃんが辞めたいなら辞めればいいじゃん。新しい仲間を探さないといけないのは面倒だけど」

青「……辞めたい理由ってのがさ、」

黄「おっと聞いてないのに語り出した」

桃「聞いて欲しいのね」

青「俺、ヒーロー戦隊であまり目立ててない気がしてさ…」

黄「あー、まぁ人気はやっぱりリーダーであるレッドよね」

桃「強いし、ヒーロースーツ着る前はモデル並みにイケメンだもんねぇ」

青「そうなんだよ…それは分かってるんだよ…でもさぁあの性格がさ……」

バァンと扉が勢いよく開く

赤「待たせたね!美しく輝く希望の星、みんなのレッドだよ!」

三人絶句

赤「皆んな今日は早いね!集合時間より早めに行動するのは良い事だ!僕もみんなもパーフェクト!」

青「このキザナルシストぶりじゃん…」

黄「漫画とかでしか見ないレベルよね」

桃「顔は良いのよ…顔だけは…」

赤「やぁ、イエローにピンク…今日も2人は可憐だね♪2人がいるだけでここはまさに花園の様だ。そして僕という気高き薔薇の花…ここは真の花園だ!」

黄「あったま悪い言い回しだなぁ」

桃「本当顔だけね」

赤「そんな、顔が良いだなんて当然の事さ♪ありがとう、ベリーサンキュッ!」

青「何でありがとう言った後に英語でもう一回ありがとうって言ってんだよ」

赤「やぁブルー!君もいたのか、今日も君の冷たい瞳は僕の心を落ち着かせる…僕がいて君がいるのさ」

青「言ってる事の意味が一つもわからねぇし、合ってねぇよ!つか顎をクイってするな!お前のせいでレッドとブルーは出来てるって噂流されてんだぞ!」

黄「マジかよウケる!」

桃「そういや言われてるわね」

赤「僕は恋愛に性別なんて隔たりはないと思ってるよ?しかし、僕は皆んなのもので僕自身のものだ…君の物にはなれない…ごめんね」

青「ちげーよ!俺はお前とそういう仲だって勝手にあれこれ言われてるのが嫌なだけだ!完全否定だ!」

黄「まぁまぁ、人間って自分の考えを押し付ける事があるから、仕方ないわよ」

青「だけど…こいつの距離感がバグってるのも問題だろ…」

黄「否定はしないわ」

桃「…んー?…あれ、グリちゃんはまだ?」

青「あ、そういやまだ見てねぇな」

赤「グリーンなら、来る途中に荷物が重たくて困ってるおばあさんを助けようとして、駆け出した瞬間何も無いのに派手に転倒して足を挫いて今日はお休みだよ♪」

黄「ど、鈍臭い…けど、良いことをしようとしたのね…」

青「は?助けようとして駆け出したら転んだの?」

桃「…あの子って滅茶苦茶優しい子だけど、鈍臭い上に運も無いのどうにかならないのかなぁ?可哀想に思えるんだけど」

赤「そこがグリーンの良い所さ♪僕も負けてられない!」

黄「怪我したら元も子もないんだけどね…」

青「俺たちヒーロー戦隊だしな…」

赤「所で、君たち何か話し合いをしていたようだが…もしかして、この僕が来る前に今回の事を話していないよね?仲間外れはこの僕でも怒っちゃうぞ?」

桃「顔が良いからこういう台詞でも世の女性達は黄色い声を上げるんだろうなぁ…毎日の様に見てると何か…ちょっと腹立つ」

黄「後レッド、あんたウィンク出来てないわよ」

赤「えー?前よりは出来てるよ」

青「はぁ…もうやだ…辞めたい」

黄「気持ちは分かるけど、ブルーって結構必要なポジションじゃない。ほら、あんた頭良いしレッドと親友でさ」

青「だから嫌なんだよ!昔からこいつの絵に描いた様なキザでナルシストで変に熱血な所…腹一杯なんだよ!」

黄「あー…」

青「おまけに顔が良いから女からモテまくって、俺はいつも当て馬だ!バレンタインだって「これ、レッドに渡して〜」って抱え切れない位のチョコを渡されるし、好きな子に告白した時なんか「付き合うならブルーよりレッドがいいからごめん」って…こいつのせいで俺の青春は消えたんだぁ!!」

黄「え、泣いてる…?」

桃「慟哭じゃん」

赤「そうか…ブルー、君はそんな思いをしていたんだね?僕が完璧なばかりに…君も僕には劣るけど良い所はあるから元気だして!」

青「慰めんなぁ!!つか慰めになってねぇよ!さり気なくマウント取って来んなよ!もうやだこいつマジでぇ!!」

黄「これは可哀想だ」

桃「流石に同情する」

赤「でも僕は君たちがいないといけないんだ!誰一人欠けてはいけない。分かるだろう?」

青「そりゃ戦隊だからな」

桃「やっと五人揃ったのよ。いきなり欠員は駄目でしょ」

黄「五人になって1ヶ月半は経ったわね。そろそろ怪人たちも強くなる頃かしら」

赤「僕達は前任のヒーロー戦隊を超える存在にならないといけない…先輩たちの手によって一度怪人達は退いたが、また新たな力をつけて来た…先輩達は引退してしまったから次の戦隊に選ばれたのは僕達の使命だ!運命だ!!」

黄「でもメディア重視な所マジで嫌なんだけど」

桃「ねー、週に一回は密着取材。怪人が出ない間に撮影や公演会…子供は好きだけど、纏まった休みがないのがネックよね〜」

黄「ね〜、偶にはパーっと温泉とかさ…旅行したーい」

桃「いいなぁ、行きた〜い!イーちゃんと旅行〜」

青「お前らの距離感もおかしいからな」

黄「何よ〜、妬いてんの?」

桃「羨ましかったらレッドとイチャイチャしちゃえばー?」

赤「フフッ☆」

青「揶揄うんじゃねぇよ!お前もこのタイミングでキメ顔してんじゃねぇ!腹立つなぁ!!そもそもなぁ、ヒーロー戦隊って男4、女1で紅一点って言葉がある位なんだぞ」

黄「何よいきなり!?私が邪魔だって言いたい訳?」

桃「うわぁ、ひど〜い!あんたそう言う事言うタイプだったの!?」

青「いや、ちょっと言い過ぎたけど…俺は古き良き風習って言うのも重視したくてさ」

黄「はー、化石頭!こんな男世帯にピンクって言う女の子を1人だけで居させる気?」

桃「今があって過去があるのよ!古き良きってのを出すならその風習の何処を現在に取り入れるか考えてから発言しなさい!」

青「あ、はい、すいません…」

赤「はっはっはっはっはっ!…ふぅ」

青「なんで急に笑い出したのこいつ!?」

黄「こっわ…しかも一息ついたと思ったら手鏡取り出して髪型チェックしてるわよ」

桃「これが強い上に見た目が良くてモテる男とは思いたくないね…」

青「つーわけで、俺は本当にもううんざりなんだよ!レッドはナルシスト、グリーンは良い奴なのに運がねぇし、イエローとピンクは女同士でタッグ組んで……俺の居場所がねぇんだよ!!」

黄「寂しがりかよ」

桃「こいつ可哀想だな」

ポンと、ブルーの肩に手を置くレッド
キメ顔、キラキラという効果音

青「憐れみの目を向けるなクソレッドぉ!!」

赤「ブルー、君の悲しみはよく分かった。僕も好きでこういうキャラを演じてる訳じゃない」

青「嘘つけ、お前は昔からそんな性格だ」

赤「はぁ…ソウルメイト。君すら騙していたなんて僕は罪深いね…ジーザス。でも僕は本当はとても弱いんだ…君やみんなを守る為に強くあろうとしていた」

青「レッド…」

黄「何で流されてる雰囲気なの?台詞ダサいのツッコミなさいよ」

赤「僕は君たちが居ないと弱い…僕たちはチームなんだ!五人揃ってヒーロー戦隊じゃないか!誰も欠けてはいけない、違うかい?」

青「………」

桃「ねぇ、今グリちゃん居ないって」

赤「それでも君が辞めるなら引き止めはしない…でも、これからはもう少し僕も君に頼るよ…僕達は子供の頃からの親友だろ?」

青「………はぁ、仕方ねぇな。そこまで言うならもう少し付き合ってやるよ」

赤「…そう言ってくれると思ったよ!君は僕達を…みんなを大切に思ってる心優しい熱い男だからね」

青「ふん!そんなんじゃねぇよ…俺が抜けて、そのせいでお前らが怪人に負けたなんて聞きたくねぇからだ。俺のせいにされたくねぇんだよ」

赤「ふふ、そう言うことにしておいてあげるよ」

青「…悪かったな」

赤「仲直りの握手だ、ブルー」

青「おぅ、レッド!」

ガッシリと握手する二人、それっぽいBGMが流れ出す

桃「……だから今グリちゃんいないって」

黄「ピーちゃん、シー。今雰囲気壊したらまたブルーが拗ねるわよ」

桃「面倒くさいなー男って…」

扉が開く

博士「おぉ、もうみんな揃っておったのか!」

赤「博士!」

博士「ん?グリーンが居ないみたいだが…」

桃「グリちゃん不運発動したからお休みだって」

博士「あ、あぁまたか…しかし困ったのぉ。最近怪人どもがパワーアップして来ておるじゃろう?お主ら四人で太刀打ちできるか…」

青「俺らに出来ないとでも?」

博士「ん?」

赤「ふっ、今の僕達に出来ないことはありません!大船に乗ったつもりでいて下さい、博士!」

桃「欠けちゃいけないって言ってた奴の台詞じゃないのよ」

黄「ねぇ、ここバカしかいないの?」

博士「頼もしい限りじゃが…しかしなぁ………そうじゃ、そういえばお主らと同じ力を持った者を検知したのじゃ!その者と協力すればあるいは…」

黄「キターーーー!!!」

桃「わわっ!これって、これってさぁ!」

青「おぉ!先代のヒーロー戦隊にもあったって言う!?」

赤「伝説の6人目!?」

博士「え、…あぁ、そうなるかのぉ…」

黄「待ってましたぁ、この展開!6人目が現れれば自然とそいつに注目が行く!」

桃「そしたら私たちの負担が少しの間減る!」

青「へっ、6人目ってちょっと俺のポジションに似た性格してるけど、まぁ出てくれるってんなら満更でもないなぁ!」

黄「あんた疲れてるから楽したいだけでしょ?」

青「でも、負ける気はしねぇよ?」

桃「ね〜♪先輩たちも最終的には良い仲間で良いライバルになったって言ってたし!イケメン期待〜」

赤「6人目…早くないかなぁ…」(不服)

青「そこは…人気争いありそうだもんな」

黄「よぉし、6人目が何色か賭けましょう!」

桃「当てた人は全員から1人1000円ね♪」

青「地味に高いな!」

黄「私、ブラックー!」

桃「シルバーとかじゃない?」

青「シルバーは先輩たちの頃だろ?ここはゴールドだな!」

赤「先輩たちの代は白だった!故に僕は紫と考える!絶対僕と似た奴だぁ…許すまじ…」

黄「まだどう言う奴か分かってないのに、そこまで対抗意識燃やせるの凄いわね」

博士「あの…」

ビービーっと警告音が鳴る

青「っ!この音は怪人が出現した合図!?」

桃「何処?すぐに行かなくっちゃ!」

黄「ほらレッド行くわよ!」

赤「そうだね…まだ見ぬ仲間がどんな奴だろうと…僕は僕の力を信じてる!僕達がこの世界を救うんだ!行くぞブルー、イエロー、ピンク!」

3人思い思いの返事
勢いよく出て行く4人

博士「………グリーンいないのによくあのテンションで行けるな、あいつら…」

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