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吹きガラスのグラスが出来るまでVol2

前回はガラスの原料と素材について書いていきました。
今回はグラスの作る方法、吹きガラスについて書いてきます。

ガラスの作成方法

ガラスの作り方は大きく分けて2つあります。
①手作り(吹きガラス)
②オートメーション化(大規模工場)
の2種類あります。

吹きガラスのグラスは作家さんが作成するときに用いる方法で展示会など発表されることや、
作家さんの中には工房での実践クラスや体験クラスをお持ちの方もいらっしゃいます。

一方で良く100円ショップなどの並んでいるワイングラスなどはオートメーションの工場で作られています。

手作りガラスの種類

手作りの吹きガラスの中にも作成法が二つあり
・宙吹きガラス…完全手作りのフルオーダー
・型吹きガラス…金型をつくりその中にガラスを吹き込みグラスを作る

の2種類あります。

それぞれ使用する道具は金型以外、共通です。
・ジャック
吹き竿で巻き取ったガラスの竿元を絞る時に使います。
コップやグラスの口を広げたりするときに使います。
 
・鉄リン、紙リン
竿に取り付けたガラスの形を整える際に使用します
 
 
・ピンサー
直接手で触ることが出来ないときに使用します。
熱せられて熱くなった道具やガラスです。
 
・パドル
コップやグラスの底を平らにするときに使用します。
 
・吹き竿

主に5種類です。

また大きな施設としてガラス溶解炉と
作業をするための専用の椅子があります。

写真⑥ガラス溶解炉
大きさなどを確認する
適量のガラスの原料を1200~1400℃で溶かしておきます。
 
 
・作業ベンチ
作業をするために座る椅子。
高温のガラス材のついた吹き竿を水平に回転させるときに座るための椅子です。
吹き竿を水平に回すことでパドルを使ってコップの口や底を水平に仕上げやすくなります。

*宙吹きガラスの作り方 簡単なコップ
①溶けたガラス材が入っている炉に吹き竿を入れてガラスを巻き付けます
②炉から取り出し、作業ベンチに座り、鉄リンや紙リンを使用し形を整えてから息を吹き込みます。
 この時、吹き竿の先端についているコップは下玉と言います。
③竿を回転させながら回転させ覚まします。
④冷ました下玉を溶解に入れて2層目を重ね巻きします。
⑤もう一度ベンチに戻り鉄リンや紙リンを使用し形を整えます。
⑥ガラスに息を吹き込み膨らませ、竿の付け根部分をジャックで絞り後に切り離しやすくします。
⑦作業ベンチで竿を水平に回転させコップの底になる部分をパドルで水平になるように整えます。
⑧飲み口がないので口を作成します。
⑨7で作った底に別の竿につけた小さい溶けたガラス(ガラス種)を着けます。
⑩先程、ジャックで絞った部分に軽く水を着けて竿をたたくとガラスが外れ前後が入れ替わります。
⑪ガラス種をつけた方の竿を持ち、吹き竿についていた部分にピンサーやジャックに2枚のブレードを差し込み回転させます。
⑫形が整ったらブレードを取り出しガラス種部分を竿から外し完成です。

非常に工程が多いですが作家さんは驚くスピードで作成します。

*型吹きガラスの場合
基本的に同じですが、吹きガラスの⑤の工程が違います。
⑤の工程で地面に置いた金型に吹き竿についた熱いガラスを竿に息を吹き込み形を整えます。
後の工程は同じです。

言葉で書くと分かりにくいので、制作過程の動画をいつかアップしたいと考えています。
私も吹きガラス体験をしたことがありますが、コップを水平に作ることは非常に難しいです。
金型を使ったとしても基本的な工程は手作業なので毎回、安定した形状を作るためには熟練した技術が必要です。
製品の品質は作家さんの腕次第です。

次回は弊社の製品を作成していただいている作家さんとの出会いのお話を書いていきたいと思います。

2024年8月5日
MOTHER’s DIAMOND
BRAND MANAGER

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