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「なぜ数学は勉強しなくちゃいけないの?」山田邦彦さんをお迎えした探究チャンネルVOL.8、終了しました

教育ジャーナリスト中曽根陽子が、さまざまな立場で教育に関わっているオピニオンリーダーにインタビューする探究チャンネル。やりたいことを見つけて、自分らしく生きていくための探究力の育て方について、これからの教育や子育てについて、ゲストをお迎えしていろいろ伺います。

今回は、静岡サレジオ中学校・高等学校 数学教師の山田邦彦さんをゲストにお迎えした2021年11月5日の第8回のお話を、スタッフかよこがリポートします。

ミッション

山田先生のミッションは「数学教育で世界の人々を幸せにすること」
静岡サレジオ中学・高等学校で数学を教えると共に、様々な活動をなさっています。多文化共生のボランティア活動や市民講座、まちづくりなど、全てがこのミッションに繋がっていて、数学教育を通して世界が広がる様子をnoteを使ってご紹介くださいました。

ちなみに先生のご趣味は料理です。cookpadにもレシピを投稿なさっています。「料理は数学的なので」と、趣味も数学に結びついていて、自己紹介から数学愛に溢れていました。

静岡サレジオ中学・高等学校について

山田先生は、現在中学3年生の担任をなさっています。付属小学校はIBの「初等教育プログラム」(PYP)、中学校は「中等教育プログラム」(MYP)認定校です。高校は「ディプロマ・プログラム」(DP)の認定準備段階です。バカロレア教育は「人としての在り方」が重要で、ミッションスクールであるサレジオが大切にする「人として世の中でどう貢献するか?」と融和性があります。「バカロレア教育は、教師になりたい人にとってやりたいことがつまっていて、とてもやりがいを感じています。」と山田先生のワクワク感が画面に溢れていました。

数学の魅力

「数学=計算」と思うと苦手意識を持つかもしれませんが、数字のもっている性質やおもしろさに目を向けると、興味がわく材料がたくさんあります。その例として、山田先生は完全数の6を使ってご紹介くださいました。6という数字を見て「6で済ます」か「約数や他の数字で同じような性質がないか?」など思考を巡らすと、興味がわいてきませんか?
「数学のすごいところは目に見えないものも頭の中で考えることができる。」「数学は、見えないものを見せてくれる。」と、1つの数字からどんどん山田先生の探究がひろがり「数学愛」が伝わってきました。

与えすぎない

教師にとって大切なことは「与えすぎない」「子どもが発言するまで待つ」ことです。今は「教える」から「学ぶ」にかわっています。教師は「どうやって子どもが学ぶか」を設計し「問いかけ」で子どもに寄り添います。何より、子ども達の「自分で理解した!わかった!」という体験は外せません。数学は答えがあるので、この体験がわかりやすいのです。答えがあるけど、そこへたどり着く道は色々です。
例えば、高校数学で身に付けることは「数学に立ち向かう方法、考え方」。そうすると「どんな問題がきても必ず解ける」と信じることができます。
山田先生の数学教育の姿勢は、人を育てるときにも通じると思いました。

数学嫌いを数学好きにする方法

「今まで習ったことがない数学を学ぶ」か「習ったことがあるものをもう一度見なおす」ことがおすすめで、その例として数学ペーパークラフトを実演してくださいました。
立体図形の問題が苦手だった私も引き込まれました。百聞は一見に如かずです。是非、動画の35分ぐらいから紙を用意してご覧ください。

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なぜ数学を学ぶのでしょう?

数学を知ることによって、豊かになります。数学で使う思考は、数学だけでしか味わえません。この思考は、何か問題があった時、解決の糸口となります。混沌とした思考の整理ができます。

そして、数学は表現方法の1つです。数学の学習は、-2とは何かを考え続ける、まさしく、数学者がやってきたことを追体験します。数学者が「おもしろい!」と思ったように、子どもたちにもおろしろさを伝えたいです。

これからやりたいこと

山田先生がやりたいことは色々とあり、その内の2つをご紹介くださいました。
1つは、本の出版です。現在、数字に特化した本を執筆中で、「こんな風に算数を学びたかった」と親が思うような内容です。小学生の子どもと一緒に読んで楽しめる本を目指しています。
もう1つは、世界各地に作られたサレジオと同じ理念の学校を渡り歩いて、折り紙や数学を教えることです。数学は共通言語であり、折り紙は身振りで教えられます。

探究チャンネルを視聴して

今回も1時間があっという間の探究チャンネルでした。そして、数字や図形をあれこれと考えたので心地よい疲労感と高揚感に包まれました。私にとって数学は、公式を丸暗記して、どんな問題が来ても対応できるように演習の数をこなすもので、楽しいというより、克服するものというイメージでした。気合+根性+努力=数学です。今回、数学愛に溢れる山田先生のお話を伺い「数学っておもしろそうかも」と感じました。山田先生が出版される本を読んで、学びなおしてみたいと思いました。

アーカイブと次回のご案内

インタビューはこちらからご覧いただけます。

次回VOL.9は、11月27日(土)20時から、DeruQui発起人&ディレクター中川郁夫さんをゲストにお迎えします。お楽しみに。

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