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【久屋スタッフインタビュー】上林郁帆「価値観をフラットに。出会いの場は私がつくる!」

こんにちは!
名古屋久屋大通公園店・大岩です。

この前お客様と話していて、「インタビュー記事に出られていた大岩さん?」とNoteのインタビュー記事を読んで知った方がいらして、とても嬉しくなりました。
読んでくれている人の声が届くと、わかりやすくモチベーションが上がりますね。笑

さて、スタッフインタビューの第3弾は上林郁帆さん。
新卒で関西から名古屋の地にやってきた彼女。

どんな流れでマザーハウスにたどり着いたのか。
どうぞお楽しみください!
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※以下 店長吉岡(吉)、大岩(大)、上林(上)で記載します。

吉:では早速ですが、かんちゃん(上林さん愛称)の自己紹介からお願いします!

上:兵庫県出身で今年の4月まで関西にいて、新卒でマザーハウスに入社して名古屋久屋大通公園店に配属されました。趣味はいろいろあるんですけど、サッカーをやっていたのでフットサルは今でもやってます!

吉:大学は4年で卒業して、そのままマザーハウスに?

上:いや、アメリカに1年間留学していたので、計5年間大学に在籍してました。

吉:そうなんだね。入社したいと思った経緯もぜひ教えてほしい!

上:そうですね。大学でジェンダーとかマイノリティーを勉強して、世の中には不平等なことがたくさんあるのを知りました。就職するならもう少し社会に対して、直接的にビジネスで課題を解決しようとしているものがいいなと思ったんです。その中でも衣食住に興味があったのでいろいろ探していたんですけど。

吉:もともと衣食住に興味があったの?

上:きっかけは留学したことが大きいですね。アメリカ人は一人一人自分のライフスタイルを持って個を大事にしていて、自分自身も考えるきっかけになりました。自分が着る洋服から食べるもの、過ごす空間まで0から見つめ直しましたね。

吉:なるほどー!ちなみに留学は大学に通ってたの?

上:はい。ジェンダーに明確に興味があったので自分で選んだ大学に学びに行きました!

吉:ジェンダーに関心があったのはどうして?

上:サッカーをやっていた時に、中学時代は男子の中に女子一人の環境だったんです。中学生って男子と女子がすごくはっきり分かれる時期だと思うんですけど、同じ空間にいるのに違う存在として見られて「女のくせに」とか「女の子に強く当たっちゃいけない」と同級生やその親御さんが話しているのを耳にしていたので、女性というだけで弱い存在だと思われる社会構造に違和感を持ち始めました。

 そこから英語に興味があって神戸市外国語大学に行くことにしたんですけど、初めてジェンダーについて学ぶ学問があるのを知って、留学はそこを学べる大学にしたいなと思って選びました。

吉:昔からの原体験が大きく影響してるんだね。中学生での体験以外は何かあったのかな?

上:そうですね。サッカー以外だと母が専業主婦だったのですが、本当は働きたい人だったのかなと思っていました。伝統的な性別の役割に、いつか自分もそうなるのかとイメージすると自分は違うなと感じて。結婚や出産のライフステップに対しても違和感は持ってましたね。

吉:それで言うとマザーハウスは直接的にジェンダーに触れていないけど、自分の中でどういう共通点を見つけてきたの?

上:マザーハウスを選んだきっかけは副社長の山崎さんの言葉からでした。
「途上国といっても経済発展しているし、先進国と途上国の二項対立の構造はなくなるかもしれない。それでもマザーハウスがどうありたいかというと、人間の普遍的な社会の構造として中心とその周りで誰かが阻害される構造は変わらないから、その周辺に目を向けていきたい。」
 その言葉を見て、私もジェンダーだけでなくあらゆる場面で中心にいない虐げられている存在のために何かしたいと思ってマザーハウスを選びました。

吉:なるほどね。かんちゃんはいつも新卒と思えない一個上の視点をもってるなと思って感心する!会社で自主的に行う勉強会にも参加してくれてたけど、自分で意識的に知識を取りにいってるの?

上:うーん、勉強自体は好きじゃなかったんですけど、自分の興味あるものはとことん追求したいので情報収集してますね。

吉:いいね!半年間働いてみてマザーハウスで驚いたことはあったかな?

上:マザーハウスで働く人は本当に人がいいと思います。今まで中学校・高校と誰かしらちょっといじわるな人がいたんですけど、ここで会う人は自分なりの軸を持って受け入れてくれる体勢があるので話しやすいですね。

吉:確かにみんな朗らかだしちょっと特殊かもね。今まで印象に残っている接客とか、記憶にあるお客さんはいた?

上:うつ病でその日初めて引きこもりから外に出た方が、お店にいらしたことがあって。久屋のエリアを歩くのが久しぶりで入ってきてくださったんですけど、本当に鬱の人だったんだろうかと疑うほど明るかったんです。一通りマザーハウスやお店のことを紹介したんですけど、そのお客様が「今日このお店に入って本当によかった」と言ってお店を出られた時に、私に出会えたことで外の世界に出てきてよかったなと思ってもらえたなら、すごく価値があったかなと思いました。

吉:えーすごいいい話。短い時間でそこまで深い話できることって少ないと思うから、今まで体験してきたことや人柄が伝わったんだろうね。

大:初めて会った人に自分の話をするのってハードル高いだろうし、元々うつ病だった人ならなおさら難しいと思う。話をする中で心が開かれているのを感じたんじゃないかな。

吉:うん。まさに久屋店のコンセプトにあるような”世界とつながる庭”になれた瞬間だね。今働いてて、これからマザーハウスと自分の想いをどう繋げていきたいかイメージはあるの?

上:今日あるお客様がマザーハウスの商品を見て「途上国で作ったんだ、全然そんなイメージなかった」と言われたんですが、そういう自然と身についてしまった価値観を変えるきっかけを作りたいですね!今は接客を通して、目の前のお客様に貢献しようと思ってますけど、ゆくゆくはもっと広い範囲でWEBとかイベントとかを使って作っていけたらと考えてます。

吉:なるほどね。イベントで言うと、今年の夏に高校生のインターンを運営してもらった時から企画が好きなのかなと思っていたけど、学生の時から企画をやってたの?

上:高校生の時から部活の合宿での企画など色々やってきました。
大学生になってからもシェアオフィスで長期のインターンをしていた時に、イベントって何のために・どんな人に向けてするのか?を話し合って、イベントを通じて参加した人の人生が彩り豊かになるようなきっかけを作れたことが楽しかったんですよね。

 私がフードロスに興味あります!と言い続けていたら、食料廃棄後のバクテリアを分解してエネルギーに変える研究をしているマダガスカル人の方と繋がる機会があって、フードロスでイベントができるのでは?というのでイベントを企画しました。コロナ禍で大変だったんですけど。。

吉:マダガスカル人!すごいね!笑 忘れてたけど、コロナ禍で学生だったんだよね。

上:はい。今までやった中では一番反響がありましたね。マダガスカル人でも英語が堪能で、私も英語ができたので、通訳をしながらおしゃべりする機会をつくれたのが自分だからこそできた実感がありました。誰かとつなげて新しいアイデアを生まれる瞬間が好きですね。

大:これから作っていくイベントが楽しみだね。最後に、かんちゃんの大切にしてる価値観を聞いてみたいんだけど、やっぱりマイノリティとか、フラットに人を見るみたいなところなのかな?

上:そうですね。もともとフラットに見るようにしていたと思うんですけど、学ぶことでよりそう見られるようになったと思います。学ぶなかでずっと大事にしてきたのは、「表面上にあるものが本質をつくること」です。

 自分が変わるのは難しいと思うんですけど、形からが大事でそのツールの一つがファッションなんだと思ってます。お洋服が変わることで気持ちや自信も変わるし、言葉遣いが変わることで交流関係が変わるかもしれない。自分がどう振る舞うかが全て自分の内側に返ってくると思って、日々生活してます。

吉:おー素晴らしい。最後に名言がきたね。

上:哲学的なことを学ぶのが好きなんですよね。笑
ちょっとお堅い話になるんですけど、これは”ジェンダーパフォーマティヴィティ”という考え方が元にあって、女性の体をしているから女性になるのではなく、女性らしい振る舞いをしているから自分の体や内面も女性を形作るんだという考え方です。
かみ砕くと「表面的なことが本質をつくるのであって、本質は存在しない」と考えられるなと思って日々の仕事にも活かすようにしてます!

吉:ただ学んで終わりじゃなくて、ちゃんと自分なりの考えに落としこんで行動できるのは簡単にできることじゃないと思う。

上:自分のジェンダーに対する原体験があったからこそ人生観まで身に付いたんだと思います。

吉:いいね。これからもかんちゃんの知識を活かしてもっと出会いの場を作っていってほしいな!

上:はい、もちろんです!

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普段は落ち着いた印象を受けるかんちゃん。
でも話を聞いていくと、より深くより熱く物事を考えてマザーハウスで働いてくれているのが伝わってきます。

ぜひお店でお話してみてくださいね。

次回の記事もお楽しみに!

読んでいただいてありがとうございました!マザーハウスをもっといろいろな角度から楽しんでいただける毎日の出来事を、生産地やお店からお届けしていきます!