見出し画像

子供が倒れてる。。。

もう冬も終わりかけ。
新型コロナ感染症が2類扱いから5類への議論も大詰め。
3年以上経過してるし、新型といっていいのかダメなのか分からないけど、個人的にはもうそろそろ過去のものにしてほしいな。

さて、そんな長いコロナ禍の真っ只中の話。
さわやかな春の陽気とは裏腹に、僕たちは高気密の感染防護服をきて出動し、汗だくで流行りの「整う」を通り越す毎日を過ごしていた。

その日も朝一の出動から帰ってきて、汗だくになった上着を着替えながら

「このまま夏になるのが嫌だな~。」と嘆いてているところでまた指令が流れてきた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

通報内容:子供が怪我をしている。

要請場所:〇市〇〇 ▲アパート209号

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この日は上司が不在のため、繰り上がって僕が救急隊長。

こんなことは度々あるので慣れてきた感を漂わせながら出動した。

大まかな概要だけ知らされて、向かいながら詳細情報が送られてきたりする。

▲アパートの敷地内に入ってから情報が入った。

ピーー(指令端末)

車内の端末に追加情報が表示された。

「子供が血を流して倒れている模様。」

まじかー、やばいやつかも?(緊急性高い)と感じながら早歩きで209号室へ。

階段で2階に行くが手前が201号室。
横長のアパートの一番端っこまで結構距離がある。

特に案内人もなかったので209号をノックした開けた。

「救急隊です、どうしましたか?」

高齢女性「こっちこっち!」

慌てた感じで奥の寝室を指さしている。

めっちゃ慌ててるやーん。(心の声)
廊下を速足で歩きながら、ドアを開けた。

・・・

・・・・

・・・・・?

そこにはホテルに来たかのように、きれいにベッドメイキングされたベットだけがあって、ベッド中央の枕にシーツがかけらていた。

「お子さんはどちらですか?」

高齢女性「ここです!!!!」

相川らず慌てた様子で、枕を指さしている。

高齢女性「血だらけの子供が玄関から入ってきてここに来たんです。」

ベッドに向かって心配そうにしている女性。

えーっと、、、誰もいないんだけど(心の声)

一応ベッドの下も確認したが、特に異常はない。

・・・・あー、このパターンか。

ー-----------------

季節の変り目だし、こうゆうことあるよなぁと思いながら資機材の片づけを隊員に指示した。

「○○さん、落ち着いてくださいね。」

「今確認した感じでは緊急性が高い状況ではないので、一度座ってお話しましょう。」

緊急性は低いと聞いて、一旦落ち着きを取り戻した女性から、少しだけ話を聞いた。

幻覚や幻聴が激しく、最近隣町から引っ越してきたばかりとのこと。
娘さんは隣町の病院で働いており、女性の兄弟も近くに住んでいるらしい。

まずは娘さんにに電話。

プルル、プルル、プルル…取らない

そりゃそうだ。平日の昼間なんてみんな仕事してるよね。

お次は近くに住んでいる兄弟に電話。

プルル、プルル、プルル、ガチャ

兄弟さんは特に慌てる様子もなく、対応してくれ、現場に来てくれることになった。

女性は最後まで子供がベッド上にいると言っていたけど、

僕は誰もいないとは言えませんでした。

なぜなら僕たちに見えていないだけで、女性の目には映ってるわけだから。

帰り際、2LDKの2部屋にまたがるように置かれた仏壇に、子供の遺影が目に入った。

長生きしていると、いろんなことがあるんだろうなと思いながら部屋を後にした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?