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弱みが一瞬で強みに変わる方法

・弱みを強みに変える認知行動療法

少し専門的な話をすると、「自分の弱みを強みに変える」という方法は、認知行動療法の考え方からきています。
認知行動療法とは、「うつ」をはじめとした精神疾患を治療する方法の一つで、人間の「認知」を変える手法です。

たとえば、出社して「おはよう!」とあいさつしたのに、返事が帰ってこなかった場合。
心が健全な人なら、「あれ、聞こえなかったのかな?」と考えます。
しかし、自信がない人は、
「あれ? なにか怒ってるのかな? 私のことが嫌いだから、あいさつを返してくれないのかな……やっぱりわたしは嫌われてるんだ、きっとほかの人も私のこと嫌いなんだ」
と、悪いように受け止めてしまうのです。
このように、物事をネガティブに受け止めてしまう認知方法を変えるのが、認知行動療法です。精神科医の先生によれば、「いちばん美しい考え方を考える療法」とも言うそうです。

認知行動療法の考え方にしたがって、自分の強みが見つけられなかったときの私に起こっていたことを分析すると、

・失敗をずるずると引きずってしまう
・自己肯定感が低いほうだと思う
・ストレスをうまく対応できず、生きづらい

こういったことが起こっていました。
「出来事」が私に影響を与えていたのではなく、「認知」(=物事の見方・考え方・受け止め方)が影響を与えていたのです。
「認知」は、「感情」「行動」「身体」に影響を与えます。この「身体」にまで影響を受けてしまうと、人は「うつ」となるわけです。
逆に言えば、「認知」を変えることができれば、出来事の捉え方を変えることができるし、結果として自分の状態を変えていけるということです。

「出来事」に対する人の捉え方は、さまざまです。
たとえば、学校のテストで60点をとったとします。「やった、赤点じゃなかった」と喜ぶ人もいれば、「満点じゃなかった」と落ち込む人もいます。
ここの原因となるのが「認知」です。
60点という点数は一つの「事実」であり、それは良いことでも悪いことでもありません。ここで、落ち込む人と喜ぶ人が分かれるのは、60点という事実に対する「認知」が違うから。このときに発生する「感情」を良いほうに変えていくのが、認知行動療法なのです。

まず、認知行動療法の効果をあげていきます。じつは、認知行動療法の手法は、単に精神疾患の改善だけでなく、ストレスのコントロールや、自己肯定感を高めることにもつながるのです。

【認知行動療法で期待できること】
●精神疾患の改善
うつ病 双極性障害 パニック症 強迫症 不眠症 薬物依存症 摂食障害 統合失調症

●生活の改善
体調管理 ストレスコントロール 自信 自己肯定感

具体例をあげてみます。 

Aさんは、仕事でミスをしました。そのことを上司に報告したところ、「こんな簡単なミスをするなんて、一体どうしたんだ」と言われました。

【事実】仕事でミスをした
→自分は本当にダメな人間だ(認知)
→落ち込む(感情)

【事実】上司が「一体どうしたんだ」と言った
→「ダメな部下」だと判断されてしまった(認知)
→「お前はミスをするから今後大きな仕事は任せられない」と思われた(認知)
→ひどく落ち込み、胃が痛くなる(身体)
→仕事が手につかなくなる(行動)

これを、認知行動療法で解決していくと次のようになります。

【事実】仕事でミスをした
→人間、ミスはつきもの。同じミスをしないことが大切だ(認知の修正)
→同じミスをしないように対策しよう(行動)
※落ち込むという「感情」が消える

【事実】上司が「一体どうしたんだ」と言った
→上司が注意してくれるのだから、自分にもまだ見込みがある(認知の修正)
→上司の信頼を回復することで、大きな仕事を任せてもらえるようになる(認知の修正)
→いま、与えられている仕事に集中して、一生懸命取り組もう(行動の修正)
※ひどく落ち込み、胃が痛くなるという「身体」の影響が消える


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