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一病息災 僕ぞのです

*このnoteは、モテアマス三軒茶屋最後の年末を心待ちにする有志達により執筆される『アドベントカレンダー記事』になります。
クリスマスに引き続き、大晦日の12月31日まで毎日1記事ずつ住民たちによる独自のエピソードが公開される新企画です。

本日のライターは、モテアマス元テント住民の僕、ぞのです。の母親である久保薗祐子さんの寄稿記事です。


親の顔が見てみたい


モテアマスに住んで4年。こう言われるような出来事を過去何回か起こしてきました。今回はそんな親の顔と、親が街の新聞で執筆している記事を公開していきたいと思います。

弟ケニー(トップ画右)にそっくりです

久保薗祐子


1965年7月25日生まれ
つどいの広場「ほっとスペース」代表
横浜市瀬谷区主任児童委員 代表
せいやの嫁さんと同じ小学〜高校出身。高校で出会った太郎と結婚後、ぞのとケニー(弟 元住人)を産んだ人。モテアマスに年一で現れる。近年は祖母も連れてくる。なんなら「スナックマキタ」に立ってた。

2019春 寄稿

私は左利きです。
字だけは「書き順があるから」と入学前に右に直されました。でもクレヨンや絵筆は左。箸や針や包丁も左です。

小さい頃から、ちょっとしたことにやりにくさを感じることが多かったのですが、それは自分が不器用なのだと思っていました。
ところが大人になって日用品や街の設備などが何でも右利き用にできているのに気付きました。例えばセロテープの刃や自動販売機など、右手を使えば「あら、やりやすい」。不器用さは利き手弱者だからだったのです。

でもそれは一方で個性にもなりました。
仲間と食事をする時、「ユウコさんはこっちだね」と左端は私の優先席になります。初対面の席でも印象づけることができ、イケメンが覚えていてくれて二次会で譲ってもらうのはちょっといい気分です。


 さて、そんな状況はいつの間にか「自分と他者の違い」を受け入れる意識を根付かせてくれました。それは人とコミュニケーションをとるのに大きな力となっています。
私が利き手に敏感なように、この人は私には気づかないことに気を配っているのかもと思うと自然と謙虚になれます。「ふつう」「あたりまえ」は人によって違うのだ、では目の前の人と共感できることはなんだろうと相手の存在が大事なものに感じられ、良い関係に繋がっていくように思います。


 以前からよくお子さんについて「この子、左利きみたいなんです」という相談を受けてきました。30年前は「からかわれたらかわいそう」「祖父母から直せといわれて」という内容でした。最近はマイノリティへの意識がずいぶん変わり「問題ないならこのままで」「直す必要はありますか?」とありのままの姿を認める方向になってきています。


 親は我が子に苦労はさせたくないし、より優れた姿にしてやりたいと思うものです。左利きの大変さも体験させたくないでしょう。確かに左利きは不便です。でも、どうにか折り合いをつけてやっていけます。この「不便さに折り合う力」というのも人生においてなかなか役に立つものです。思うようにいかないことは山のようにあるのですから。


 「一病息災」という言葉があります。「一つくらい持病がある方が体調に気をつけるので、却って長生きする」というような意味があります。生き方にも同じことが言えるような気がします。なにかしらウイークポイントがある方が、人の痛みや陰での努力を感じとる心の柔らかさを持つことができるのではないかとぼんやり考えています。


 元来負けず嫌いでお山の大将になりがちだった私が、人と関わる喜びを感じながらこの仕事を続けられるのも、きっと左利きと丸い体型のおかげだなあと運命に日々感謝しているところです。

最後に大事なお知らせです

我々モテアマス三軒茶屋は2024年10月末をもちまして、爆破(終了)となります。8周年を待たずモテアマス三軒茶屋は消滅してしまいますが、現在このモテアマス三軒茶屋を映像化して永久保存しようというプロジェクトが進行しています。

モテアマスは無くなってほしくない、モテアマスを応援したい、あわよくば映画に出たい(10月まで撮影しているのでタイミング合えば映り込めます)、等々どんな想いでも結構ですので、ぜひモテアマス三軒茶屋のドキュメンタリー映画制作のご支援をお願いいたします!

きっと胸熱の映画になること間違いなしです!

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