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「幸せ」になりたくない女たち

アプリで出会ったハイスペと交際がスタートし、薔薇色のキラキラ恋愛ツイートをしていた婚活女子の阿鼻叫喚で、朝から陰鬱な気分になった。

彼女はずっと婚活をしていたらしいが、どうもうまくいかなかったようだ。

そして、「婚活はやめた!結婚を目的にするのなんて無理!好きな人と一緒にいる自分が好き!」とアプリに精を出し、外資系のハイスペック彼氏を見つけたらしかった。

それを見ていて、私は嬉しかった。

いつも婚活に関してシビアなことを言っている私だが、だからこそ、そんな彼女に夢を託した。

婚活を忘れて、恋愛を思いきり楽しんだら、とんとん拍子に幸せな結婚に繋がった・・・そんなストーリー。
最も効果的だろう「結婚願望のある男性と出会いなさい」という、婚活の定石やセオリーを覆す結末。

そんな一発逆転劇を見たかった。
私は普段から、シビアすぎる婚活の市場原理を目の当たりにしているから、そうした夢のある話を誰よりも求めていた。

シビアな婚活事情を、彼女に「違う!」と否定してほしい・・・

そんな期待も、彼女の悲痛な叫びによって、脆くも破られることになる。

まず、結婚よりも好きな人といることを選んだはずの彼女が、「やはり結婚をしたい。病む」とツイートしていたあたりから、暗雲が垂れ込めていたのだ。

その時点で、私のあさはかな期待のひとつは打ち砕かれた。

女性も、恋ができるんだと。
結婚を目的としない、結婚がその延長線上にない、純粋な恋を楽しめるのだと信じたかった。

しかし、やはり彼女は恋に飽き足らず、彼のコミットメントと結婚という契約、それによりもたらされる精神の安定を求めて足掻きだした。

「女性はどうせ結婚したがる人が多いんだから、遊ばれるんじゃなくて、ちゃんと交際できる相手を選んだ方がいいよ」

彼女には、私のこの身も蓋もない主張を覆してほしかったのに。

極め付けは、彼女のハイスペック彼氏が既婚者で、あまつ他にも女が唸るほど存在していた事実だ。

「結婚するなら、結婚相談所が最適だよ」
「アプリのハイスペは、高確率で遊んでるよ」

ああ、彼女には、これらに「NO!!」を、高らかに突きつけて欲しかったよ。
だって夢がないじゃないか。
「アプリのハイスペと心から結ばれて、セフレから本命になって結婚」なんて、シンデレラストーリーがあると・・・証明して欲しかった。そんな結末を見たかった。彼女の幸せを願っていた。

でも現実は、やはり厳しかった。

「幸せ」から遠ざかる女たち

Twitterには、この手の女性が、実はたくさんいる。

繰り返し、アプリでヤリステされ、痛い目にあっているらしき女性。
その度に、ポエムめいた心の叫びを何度も何度もツイートする女性。

彼女たちのツイートは、とても味わい深い。
生々しい感情がそのままにぶち撒けられていて、あいみょんを流し聞いているようなメランコリックな気分に蕩然とできる。

ただ不思議なのが、彼女たちが一向に「幸せ」になろうとしないことだ。

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