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めんどくさい、わからない、忙しい、はもったいない。あきらめるな日本のおっさん達

職場でこんなセリフをよく聞く。
「おれは文系だから、そういうパソコンとか化学式とかわかんないんだよね」
「投資信託?NISA?やったほうがいいんだろうけど、株とかよくわかんなくてさ。なんか怖いじゃん?」
「あとは優秀で柔軟な若手に任せるよ。おれみたいなのは来年この部署にいるかどうかもわかんないからさ・・・」

うちの会社はかなり年齢層が高い。
古い会社だ。いまだにFAXが大活躍している。
上記のようなセリフを毎日のように聞く。
在宅と内職が増えた2020年以降、パソコン業務が劇的に増えたことで阿鼻叫喚だ。
「ネットがつながらない!」
「カタカナしか打てなくなったんだけど??」
「パソコン重すぎィ!」
「左クリックでコピーして、左クリックで貼り付けと。ヨシ!」

ヨシ!じゃありませんよォ!
デスクトップがファイルだらけじゃないですか!そりゃ重いはずですよ!
Ctrl+CとCtrl+Vくらい使ってくださいよォ!
毎回毎回パソコン担当の若手を内線で呼ぶのやめませんかァ!?
その便利なスマホでちょっと調べればわかるでしょうよォ!
ぼく社用ケータイで渡されたのガラケーなんですよォ!?

ならばと、社内カンタンPC講座を開きましたが、苦手意識の壁は越えられませんでした。

「講座ありがとう、とても勉強になった。でもやっぱりマウスカチカチやっちゃうんだよね。」

できないことが分かっている。ならば学べばいいじゃないか。
そう思うんですが、そううまくはいかないのも重々承知しています。
仕事に追われて、それどころじゃありませんもんね。
でもその仕事を遅延させている原因のひとつが、ソレじゃありませんか。

「自分にはわからない、苦手だ」
「忙しくて手が回らない」
「めんどくさい」

これらは人生を停滞させるNGワードだと思っています。
デジタルネイティブ世代だからパソコンに詳しいのでしょうか?
理系だから計算できるんでしょうか?
若いから柔軟な思想なんでしょうか?
アナログで文系でおっさんだからできないんでしょうか?

すべて自分で自分を諦めて、そう位置付けているだけではないでしょうか?

シャーマンキングの主人公 麻倉葉の父、麻倉幹久は言います。

僕らには見えてしまうんだよ
自分の天井が。
大人になるとある日ふと誰もが気付くんだ。
頭上にせまっている自分の限界とも言うべき天井の存在にね。
そしてそれは歳をとるにつれ近づいて、シミや、汚れがわかるほどますますハッキリとしてくる。(麻倉幹久)


大人になると、学ぶことを辞めてしまうのでしょうか。
学びたくても頭に入ってこなくなってしまうんでしょうか?
いくつかは納得はできます。
もう30代ですから、夏フェスに行った時によく見た、若者たちの輝きと瑞々しさは、もう取り戻せないものかもしれないとは感じました。

でも一つだけ理解できないことがあります。
「理系」と「文系」の人間のカテゴリ分けです。
高校の進路選択で、数学と化学と物理を選んだだけで、その後の人生が、人間性までもが決まってしまうのでしょうか
「理系」「文系」「体育会系」。
ずっと理系にいたので気付きませんでしたが、文系が理系に抱くコンプレックスのようなものは、そうとう根深いかもしれないと先日感じました。

私の人生はずっと劣等感と共にありました。
人とうまく話せない、先輩とすぐ仲良くなれない。その場を盛り上げられない。モテない。女子と話せない。お金がない。結婚していない。子供がいない。車を持っていない。家を持っていない。

文系が理系にコンプレックスを持っているならば、逆に僕らもまた、彼らに対して劣等感を抱いていました。僕たちができないことを、いとも簡単に彼らはこなす。だから僕たちは自分たちができることを伸ばすしかないんだ。たとえそれが間違った努力だったとしても。

しかして、それらはすべて自分ができないと思い込んでいただけで、やってみたらなんだこんなもんかと拍子抜けしたものです。
自分を縛り付けていたのは、周りの環境とほかならぬ自分自身でした。

また、劣等感からして被害妄想でした。他人は自分のことをそれほど気にしちゃあいない。「すべきこと」なんてない。ぜんぶ「常識」とか「世間体」とかいう見えない空気とシャドーボクシングしていただけです。

60代の母もスマホが使えるようになりました。
第2の人生を歩み始め、日々勉強しているそうです。
やってやれないことはありません。

「自分にはわからない、苦手だ」
苦手なのはあなたが苦手だと思っているからです。
「忙しくて手が回らない」
忙しさに甘えてるとずっと忙しいままじゃないですか?
「めんどくさい」
めんどくさいと放置した結果いつも後悔してませんか?

どうか諦めないで、日本のおっさん達
あきらめないで。
そしてどうか、「この会社にいてもこんなもんだよ」と愚痴って、若手のモチベーションを下げないでください。


以上

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