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【ネタバレ注意】映画「ゴジラvsコング」感想 こまけぇこたぁいいんだよ!バチバチの殴り合いに拳を握れ!

比較的おとなしい優等生のコングくんに、学園統一を目指すゴジラ番長が殴り込みをかけるような映画でした。

セキュリティガバガバの人間サイドがチマチマと小細工をしていましたが、徹頭徹尾小物の扱いで非常に爽快でした。

※視聴前にYoutubeやTwitterでかなりのネタバレを喰らいました。タイトルにあの名前を出すのはあかんやろ・・・


破壊神VS守護神 最強はどっちだ!? 

【破壊神 ゴジラ】
破壊力 :A
スピード:B
射程距離:A
持続力 :A
成長性 :B
機密動作性:B
建物への配慮:E
特記事項:水中戦闘可能、怪獣王の矜持、サーチ能力

全高(身長):108.2m(355ft)~119.8m
全長:177.4m
体重:90000t~99634t

学名:Titanus Gojira(タイタヌス・ゴジラ)

原典では「中生代のジュラ紀から白亜紀にかけて極めて稀に生息していた、海生爬虫類と陸上獣類の中間的生態を持つ生物」とされていたが、近年の古生物学の発展により、設定に大幅な変更が加えられている。

地上が今よりも濃い放射能で満ち溢れ、様々な巨大怪獣が跋扈していた古生代ペルム紀(約2億7000万年前)にその生態系の頂点に君臨していた「王たる種族」の末裔。ペルム紀末の大量絶滅やそれに端を発した放射能濃度の低下に伴い、地球の奥深くへと逃れ、現代まで生き延びていたらしい(実際、『髑髏島の巨神』では地球の深部に巨大な地下空間が存在しているらしいことが語られているため、おそらくそうした場所で生きながらえていたものと推測される)。以降は地球内部のエネルギーを吸収しながらひっそりと暮らしていたようだが、第二次世界大戦後に世界各地で行われた核開発や核実験の影響で地球全体の放射線濃度が上がったため、地上への再進出を図ったと考えられている(前日譚にあたる漫画『GODZILLA AWAKENING』では広島に投下された原子爆弾の発する放射能に引き寄せられてきたシノムラの気配を感じとって復活したとされている)。

出典:ピクシブ百科事典


【守護神 コング】
破壊力 :B
スピード:A
射程距離:C
持続力 :C
成長性 :A
精密動作性:A
建物への配慮:E
特記事項:インファイト、道具使用可能、慈愛、手話

体長:31.6メートル
体重:158トン

髑髏島の生態系の頂点に君臨する超大型類人猿。しかし、種としてはスカル・クローラーとの生存競争に敗れており、本作に登場したコングが最後の生き残りとなっている。両親を殺害したスカル・クローラーをはじめ、島の調和を乱す生物には容赦ないが、基本的には博愛精神の強い温厚な性格で、スカル・クローラーの脅威から守られている島民イーウィス族からは神として崇められている。マーロウは「この島の王」と呼称している。このコングはまだ若いオスであり、さらに巨大に成長することがマーロウの台詞から示唆されている。

出典:Wikipedia「キングコング: 髑髏島の巨神」


本作では数回にわたって両者はタイマンバトルを行いますが、ゴジラの方がまだ強い印象です。

圧倒的なリーチと破壊力の放射熱線、自由に動く長い尻尾、ミサイルをものともしない硬い表皮、あの巨体からは信じられないほどのスピード、対象への執拗なまでの破壊衝動。

なかでも放射熱線は前作よりもパワーアップしており、さながらガンダム00のガンダムデュナメスの如く、地球上どこにいてもゴジラのリーチ圏内と思わずにはいられませんでした。

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狙い撃つぜ!
―ロックオン・ストラトス―


片やコング。初戦水中戦では手も足も出ずに負けましたが、第2ラウンドの地上戦では善戦をしました。障害物と勇者の斧を巧みに使い、スピードでゴジラを翻弄します。円盤状の建造物を盾に使ったり、勇者の斧に熱線を吸収させたりと、知能を感じさせる場面が多く見られました。前作から体長も大きく成長し、これからを期待させてくれる選手でした。
また感情が豊かで、寂しい表情や、疲れた時には仰向けになり倒れ、熱線が熱ければアチアチといった火を払うような仕草も多くありました。
我々視聴者が感情移入しやすいのはコングでしょう。最後の敵の首を引き千切り、勝ちどきを上げる様にはこちらの胸が熱くなりました。

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今作では、最強の座はゴジラに軍配が上がります。
しかしこの戦いを通じ、ゴジラも感情を見せる場面が多数ありました。
さながらヤンキーの如くガンを飛ばし、オマエの負けだ、軍門に下れと言わんばかりにコングを何度も踏みつけ、トドメを刺さずにコングの後を去る。
最後の敵との戦いの後、決着つけようやァと睨みつけるも、コングの行動を察し背中を向ける。

これまでの、地球そのものの意志の代弁者であるという怪獣王の風格よりも、怪獣番長として負けられない、そんなプライドを感じられました。


そして、ここが本作の評価を分ける点かと思います。


※ここからゴジラ派の真面目な話です。

KOMの方が面白い

ギャレゴジ第2作目「GODZILLA:KING OF THE MONSTERS」(KOM)での、ラドンやキングギドラとの戦いのほうが面白かったです。
「ゴジラvsコング」は、ゴジラ主役であってほしかった。
今作はコングが主役です。
感情がありすぎる。
ゴジラがただの舞台装置になっている。

ギャレゴジ第1作目、「GODZILLA」では、人間ドラマが余計だ、ゴジラが出てこない。などの批判が多く見られました。
「キングコング: 髑髏島の巨神」では、これが実写版モンスターハンターかと思うほど、小さめの怪獣たちの恐怖が感じられ、最後にはキングギドラ、モスラの存在が石板によって匂わされました。
これらを受けて公開されたKOMは、人間ドラマは最小限に抑えられ、ギドラの凶悪なまでの強さがありありと感じられました。
そして登場する怪獣すべてが頭を垂れる印象的なあのシーン。
ゴジラこそが破壊神、怪獣の王なのだと胸が熱くなりました。

そして「ゴジラvsコング」の公開が明かされる。
正直勝負にならんだろうと思っていました。
大きさが違い過ぎる。規模感が違い過ぎる。
あんなナルガクルガみたいなやつ(スカルクローラー)に苦戦する程度のババコンガ(コング)が、ゴグマジオス(ゴジラ)に勝てるわけがない。

ダウンロード (1)

巨戟龍ゴグマジオス
(モンスターハンター4G)


懸念は半分くらい当たっていました。
2頭の戦闘は、バチバチの殴り合いだったので大満足です。
しかし、ゴジラの裏テーマである環境問題に対する人間への警鐘という面がすっぽり抜けていました。

こまけぇこたぁいいんだよ!ガチバトルに熱くなれ!というお祭りムービーであるというのは重々承知しています。
しかしゴジラに感情が、小物感が見られたのはすこしガッカリしました。
コングというライバルが、ゴジラ側に迫るほどに成長してきたというならよかったのですが、ややゴジラがコング側の事情に寄せてきた感は否めません。

私が求めていたのは、シン・ゴジラの緊張感でした。
ギャレゴジは、ネルギガンテのような”調和”をもたらす、環境そのものであるようなイメージがありました。人間が考えを改めれば、おとなしくしてやるよといった。
しかし、ギドラ以上に禍々しいあの存在感、シン・ゴジラ。
まさに人間の業を凝縮したような、人類の敵。
あいつには芹沢博士であろうと、一切話が通じないんだろうなという恐怖が植え付けられました。

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というのは、期待する方向が違っていたということで片付けます。
あくまで、怪獣は人間が何を画策しても結局気をそらす程度しかできない。
怪獣に対抗しようとすること自体がお門違いである。
行動を改めよ。という結論であれば何の文句もありませんでした。


人間の思い上がり

今作に登場する人間は、一部を除いてどいつもこいつも小物です。
「世界のため」とかいいながら自分のことしか考えていません。
コングに向き合っていたのはあの少女だけでしょう。

エイペックスの社長とその娘がぐしゃっと潰されたのはスカッとしました。愚者だけに。
コングの理解者とか言っていたあの女性もずっとあたふたしていただけでした。
兄の無念を晴らすとか言っていた男性も、簡単に空洞に辿り着いたのでいまいちついていけません。
ハッカーと娘と水道水少年の3人組は、ご都合主義の塊でした。あんな未来の技術の施設のセキュリティがあんなにガバガバなわけあるか。荷物が届いたら受取人がいるだろ普通。
モナークの父親と娘の邂逅は、さも二人が数年ぶりの再会かのように演出されていたがそんなに時間たってないよね?

すべてが雑に処理され、人間パート必要だったか?という感想です。
こまけぇこたぁいいんだよ!ガチバトルに熱くなれ!というお祭りムービーであるというのは重々承知しています。

でもメカゴジラの扱いはどうなの!?
「機龍」の名で親しまれ、もう「弱くていつも壊れる」というイメージでしたが、唯一の人間の努力の結晶があの存在だったはずなんです。
一切活躍はなく、暴走の末に一刀両断される。あまりに切ない。
また作ればいいんでしょうが、なぜにあんなにもメカゴジラの装甲は固かったんでしょうか。地上のビルは砂の城の如くさらさらと塵と化すにも関わらず、ゴジラを倒す勢いの装備でした。小栗旬は犠牲になったのだ・・・

コングが完全に管理されているというのにも納得できませんでした。
その鎖は引き千切れないのか?
鎮静剤がキミには効いてしまうのか!?
空洞に人間をカンタンに入れていいのか!?

フィクションに倫理観を求めるのは違うかもしれませんが、ゴジラ側の怪獣は観察しかできない、なるようにしかならないという倫理観に、コング側の怪獣は人間の管理下に置ける、人間の発展に役に立つという思いあがった倫理観が混じったようで、肯定されたようでどうにも気持ちが悪かったです。

モンスターバース、果たしてこれからどうなっていくのでしょうか。
地球のブラックボックス、空洞に潜入が成功し全貌が明らかになった時点で、ゴジラの敵の規模が縮小した感があります。
ビオランテか?ヘドラか?デストロイアか・・・?
まさか、ウルトラマン・・・?

最後に、小栗旬は本当にあれでよかったんでしょうか・・・!


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