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浅草探訪

今日は、お昼から友達と浅草でビュッフェを予約していた。
「むぎとろビュッフェ」、浅草でも行列のできる有名店らしかった。

私も友達も食べ歩きが好きなのと、とろろが好き
(お互いのとろろ好きが発覚した経緯はおぼえてないけど)

ということで、友達が「とろろが食べ放題のお店が浅草にあるよ」
と教えてくれたのだった。

とろろが食べ放題だなんて夢みたいなお店、行くしかない。

意気込んでお店の予約ページを開くと
1,500円のとろろ食べ放題は平日限定で祝日は3,300円の
天空ビュッフェしかしていないそう。

夜どうでもいい飲み会には3,000円なんてポンとだすくせに
ランチの3,000円は富豪である。

「・・・やめとく?」と互いに言いつつ、
メニューをのぞいてみると定番の麦とろご飯から
とろろ茶そば、とろろグラタン、とろろコロッケ、とろろムース
なるものまで、とろろ尽くしだった。

とろろ以外にも、カレーやお肉、豚汁、茄子のおひたしなど
体によさそうなごちそうが並んでいる。

・・・気が付いたら予約していた。
しかも一番早い11時開始の回で。

友達と、浅草に行ったらこれもあれも食べ歩きしようね
と写真をたくさん送りあって、その日は眠りについた。


というわけで、今日は早起きして浅草に行かなければならない。

いつも予定がない日は昼過ぎまで寝ているくせに、
予定がある日に限って(そろそろ薬がなくなってきたから
明日は皮膚科に行きたかったな)などと思う。

皮膚科は土曜日は9時から12時まで。
8時すぎに起きられれば
皮膚科にも行けて約束にも間に合うな、と思いながら
前日アラームをつけて、ラジオを聴きながら寝落ちした。

当日の朝、アラームで目を覚まして時間を確認した。

9時か。

もう皮膚科は来週にして、もうちょっと寝よう。

そろそろ10時になるかという頃、しぶしぶベットから降りて
支度を始める。

自慢じゃないが、私は支度が早い。
目が覚めてから15分もあれば出かけられるのだ。

この日も20分ほどで支度を終え、まだ時間があるので
ベッドにいそいそと戻り、YouTubeをみながらゲラゲラ笑っていた。

しばらくした頃、ちょっと早いけど
浅草に早くついて町ぶらするのもありだなという考えがよぎる。

と、ここで大事なことに気が付く。

11時からビュッフェ開始で、家から浅草まで1時間はかかるのに、
なんで10時過ぎにまだ家にいるんだ私は?

慌てて電車の時間を見返すと、
浅草に12時着でしっかり調べていた。

バカバカバカ!

そこからの私ははやかった。

とにかく、スマホと鍵と財布さえあれば
人生なんとでもなるのだ。

それだけ、つかんで家を飛び出す。
サンダルを履きながら最寄り駅まで走りつつ友達へLINEする。

「ごめん!時間勘違いしてて浅草に着くの11時半になりそう・・・
ビュッフェの時間変更できないかな?
それか先に始めててほしいごめん・・・」

駅まで走りながら電車の時間を見たが、
どう頑張っても、次の電車は20分後にしか来ない。

駅まで走ったころで電車が来るまで15分くらい
待つのだから、走る意味がないのだがパニックになっているので
走る。

駅まで爆走している私に、友達から電話がかかってきた。
(怒ってるかあきれてるかどっちかだな)
電話に出て、
「ごめんねえ」と言いかけた私より先に友達が叫んだ。

「大変たいへん!ねえ大変なことが起きたの!!」

私は自分のやらかしのせいでびっくりした友達が電車を
止めてしまったとか、事故を起こしたとか
まわりまわってなにかもっと重大な出来事を引き起こしたんじゃないか
と思って覚悟した。

「約束明日だと思っててまだ家なの!」

(ふうーん?)

私は自分よりやらかしてる奴がいると分かったとたん
走るのをやめた。

「わかった、落ち着いて?
私はとりあえず、ビュッフェの時間ずらせないか確認してみるから。
お互い最短で浅草に向かって合流しよう?」

自分も同罪のくせに、友達に言い聞かせて電話を切った。

お店に電話すると予約の時間を1時間ずらしてくれるとのことで
浅草に早く着いたので、駅を出て散歩をする。

思い返せば浅草に来るのは、上京してきて2回目だった。
初めての浅草は、観光客の姿はなくて
コロナの緊急事態宣言中で出店も全部閉まっていた。

中継のカメラがひっそり静まり返った街を映して
コロナの深刻さを報道していた。

久しぶりの浅草は外国人観光客と浴衣デートの恋人たちであふれていて
いつもの浅草はこの風景だったんだろうなと思った。

ぶらぶらしていると、麦とろのお店に到着。
雰囲気のある日本屋敷のようなお店の前に大勢の人が並ぶ。

しばらく待っていると、息を切らした友達が駆け込んできた。
「お互い奇跡的なやらかしだったね」と言い合いつつ
最上階の天空ビュッフェへ。

浅草の街並みを眺めながら、ビュッフェを堪能。

ビュッフェを一周したところで、お腹いっぱいになり
「バイキングって大学生のときは何周もしてたのに
いまは一周が限度だよね」

計画していた食べ歩きも満腹で断念した浅草の帰り道、

路地裏に迷い込んだり、たまたま見つけたカヌレを
買ったり、他愛もない話をしながら散歩をする。

うちらって路地裏に一生迷い込んで出られないよね

と笑いあって、そのままバイバイした。

ビュッフェはもうお腹いっぱい食べられなくなってきたけど、
最高の休日。




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