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生きる働く#07 家出をする大人(2)

美味しいご飯は心も満たす

全く食欲はないけれど美味しいものが食べたくて、ホテル近くのフレンチに行きました。予約制のようでしたが、ひとりなのでカウンターに座り、自分のペースでご飯が食べれる幸せを噛みしめました。
夫婦で切り盛りしているお店で、私に話しかけてくれたので「実は育児放棄してこの店に来ました」と返したら「え!?警察呼んだ方がいいの!?」と危なく事件にされるところでしたが、人に話すと楽になることを実感しました。そして美味しいご飯を食べて心が満たされAPAへ帰るのでした。

それぞれ悩みがあるらしい

翌日は朝から某社の男性と打合せの予定がありましたが、「子どもが突然嘔吐して行けなくなってしまった。本当にごめんなさい(×5億回)」と泣きそうな様子で電話がかかってきて『どこも大変なんだな』と共感しました。後日、その人と会った時にも謝られたので「あの日は家出中だったんで気にしないでください」と、家出の顛末を話したところ「うちも共働きですが、妻と話し合いもできない状態になってしまっていて羨ましいです」と言われ、表に見えないだけで、それぞれがそれぞれの悩みを抱えているのだなと思いました。

結構家出してるらしい

APAをチェックアウトして「ライフデザインラボ」という地域のコミュニティスペース(と書いてしまうとちょっと違うのだけど)へ行きました。行ったら誰かしらいるだろうと。
ちょうどメンバーが打合せ中で「今家出中なんです」という話をしたところ「〇〇さんも家出中らしいよ」「いやいや、もう1泊した方がいい」「APAもいいけど家出するならスーパーホテルもいいよ!」など、逆に家出のスタイルをリコメンドされる現象が起き『なんだ、みんな家出してるのか』と、たまには家出もありなんだと思えました。そしてもう1泊することを決めました。

好きなことをしよう

当時趣味のバイオリンのレッスンに再び通い始めたばかりで、家出中にレッスンがあり正直行くかどうか悩みました。通常のレッスンもそこそこ気が重い(ことがある)のに、不眠・休職・家出のこんな時に行くか?と。でも私は根が真面目なので行きましたよ。先生に「家出中で家に帰るか悩んでる」という話をし、爆笑されながら楽しくレッスンしました。そこでも「家出できちゃうのいいな」と羨ましがられました。レッスンが楽しかったので、その気持ちのまま無事家に帰ることができました。

と、まぁ家出は最大瞬間風速の吸収みたいなもので長期的効果はあまりないですが、自分が限界を迎えた時の手段としては有効だと思います。家出は「何もしなくいい」状態を作るのに最適です。そして、人に話す、聞いてもらうことで、ひとりで抱えている苦しみは減るものです。ただその時に、話をしてよい相手とすると苦しみを倍で返してくる相手がいる(本当に困ったもんで)、というのは後々書こうと思います。

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