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生きる働く#06 家出をする大人(1)

突然ではなく徐々に

我が家の保育園の送り担当は夫で、ある日の朝、雨が降っていたので私が保育園の前までみなを車で送って行きました。雨の中歩いて行くより20分くらい時間短縮できたので、1分1秒でも早く帰ってきて欲しい私は「20分早く帰ってきて」と言ったところ、夫に「無理」と返され、今までの蓄積された不満が閾値を超え、何もかも嫌になり「そうだ家出、しよう。」となりました。「妻/夫が突然出て行った(朝は普通だったのに)」「社員が突然会社を辞めてしまった(そんなそぶりなかったのに)」小さな積み重ねが小さな出来事で閾値を超える、ラブ・ストーリー以外は突然じゃないのです。(実際はラブ・ストーリーも徐々にだと思います。)

ただ、抑鬱状態の不思議なのですが、この頃の私は被害妄想的で、夫も日本社会もすべて「私の人生の邪魔をしている」と感じていました。なので小さな積み重ねも10倍くらいの速さで蓄積されていたように思います。今でもこの被害妄想の感覚に陥る時があり、抑鬱状態の入り口のサインとして注意しています。

APA家出

最初のうちはどこか遠くの温泉でも行こうかと考えていたのですが、薬の副作用で食欲がほとんどなく、すぐ疲れてしまい体力もなくなっていたので、自宅から2駅のAPAホテルに家出することにしました。なぜなら小さいながらも大浴場と露天風呂があるからです。四方を壁に囲われ空しか見えないけど、ちゃんと露天風呂気分を味わえます。そして、会社の福利厚生で「今ならなんと3000円引き!で1泊朝食付きで2500円で泊まれる」ことにも気付きました。ありがとう福利厚生。2500円なら1ヶ月くらい居てもいいなと思いましたが、結局APAホテルに2泊しました。

でもやっぱり家出をするにしても、子供の命は守らないといけないので、家出する前に義母に「私今から家出するんでおたくの息子頼んだわ(要約)」と連絡してから家を出ました。いや、もっと丁寧な文で送りましたけど、これを義理の両親に言える(言ってよいかは不明)のは恵まれているのだと思います。

食べられない苦痛

副作用で食欲がほとんどなく、一気に7kgほど痩せました。元々身体の燃費が悪く、たくさん食べていたので食べないとどんどん痩せるみたいです。それ以来「痩せたね」があまり嬉しくない言葉になりました。そして、人に対しても不必要に言わないように気を付けるようになりました。好きで痩せたり太ったりしているわけではない人もたくさんいるのだと。(今はおかげさまで通常通り2人前食べており体重も戻りました。)

次回はAPA家出中にお世話になった方々を紹介します。

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