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今読める面白い漫画を紹介する

漫画アプリを中心に読んでいる。
連載中のもの、漫画アプリで全話無料で読めるものをおすすめする目的で書く。ジャンルレスだ。


・おちたらおわり

マガポケで読んでいる。
タワマンに住むママ友たちの話だ。
いまTwitterでマガポケが広告を出しているアレだ。マガポケも、コミックDAYSも、面白い漫画がたくさんあるのに下賤な広告ばかり出しているので、大抵リプライ欄で文句を言われている。
この漫画も、性的な一部のシーンを切り取って広告とされているので、私ははじめてっきり悪役令嬢の復讐的な… スカッと系?の作品だと思っていたのだが、まあ実物は全然違うのだった。タワマンママ友群像劇だ。

群像劇とはいえ、物語には主軸があって、主人公の明日海と孔美子の高校時代から続く、いじめとか執着といった確執が物語をけん引していく。

登場人物が全員ママ世代、つまり30代くらいで、不倫や他家庭との所得の違いがどうのこうの…みたいな話が多いのでおそらくその世代をターゲットにしていると思われ、未婚、庶民、男、20代、合体ロボ大好きみたいな自分はかなりズレた位置に居るわけだが、それでも大いに楽しめている。すなわち物語としての完成度が高いから引き込まれるのだ。


この作品最大の特徴は、とんでもファンタジー展開と、ドロドロなリアル展開が交互にやってくるファンドロ交代浴であるといっていい。
不倫や女社会の解像度がやたら高くて、家族連れママ友交流会のグランピングの夜に、こっそり不倫の逢瀬をしてしたり「うわぁ…ありそ~~~」というシーンがきたと思ったら、今度は孔美子がメイド兼手下に大企業のシステムをハッキングさせていたり「いやそうはならんやろ…」というシーンが来る。

悪役の孔美子。マンション内でのヒエラルキーを保つ工作をするために、各階のキーを持っている。暇人かよ。こういうスパイっぽい工作をするときはグラサンを掛けたり、ピチッとしたキャットスーツを着せたりする。形から入るタイプなのだ。

あんまりドロドロしているだけでもやはりマンネリなので、時折ぶっとび展開でメリハリを付けてくる。あんまりにあからさまで笑ってしまうが、リアル路線はリアル路線なりに解像度が高くてのめり込んでしまうし、ファンタジー路線はファンタジー路線で宝塚っぽくて良い。悪役の孔美子さんが、徹底して悪者でありながら「美」で理解らせてくる。
つまりそれぞれどちらもレベルが高いので、色物作品にはならず明確に、ただメリハリとして機能しているのだ。

この塩梅は他に見たことがなく、というのも、個人が真似しようとしてできる範疇を超えている。女社会を何らかの形で体験した作者と、天才的編集が上手いことやっているのか、それとも作者が超絶技巧を持っているのかのどちらかだ。

まあ、そんな物語の構造など細かいことを気にせずとも、単純に面白い作品だといえる。


自分は、以前の記事でも書いたのだが、とにかくここなが好きで、まあとにかく好きなのである。25歳(同い年)ながらにして上京し、女の武器を使ってタワマン上層階に居住している時点で凄いし、可愛い。
自分も一匹の男であるからに、ああいうタイプには弱いと認めざるを得ない。

左。右はギャグ要員

もしも自分が京大卒の政治家跡継ぎというバックボーンを持っていて、そしてああいう子に打算的にすり寄られたら、果たして断れるだろうか……









だが断る。





しかし、最後の最後まで悩むだろう。
ああいう金に寄ってくる女は現実に存在するはずだ。ワンピースだってそうさ!必ず存在する!!!!

it's a dream…………………..

決して手に入らない憧憬。そして、若さが消え、男に捨てられたら、その女はどうなってしまうのだろう。
その儚さも相まって、愛おしいのだ。

その象徴がここなである。名前忘れたが、旦那のオタク君はここなちゃんに優しくしてやってくれ。



・聖母の断罪

ヤンジャンで読んでいる。試し読みとあるので、読める期間は短いかもしれない。
高校生の息子がいじめっこグループに殺され、いじめっこ達を"断罪"するために、母が保健室の│先生〈マリア〉として高校に潜入する話である。

なんか他誌連載の十字架の六人に似ている。
十字架の六人は、主人公のキャラクターが定まってない印象だし、なんか謎の軍隊格闘術を使うのも謎だし、断罪というかバトル漫画みたいになったりして、私としては星1の作品だった。

いじめっこを殺してまわるという構造が、まず追放系みたいなテンプレートになっているのかもしれないが、この作品はだいぶうまいことやっている。


まあまず、主人公のお母さんが可愛い。ママ、という感じだ。
ママ属性のママなのだが、息子が死に、復讐するために母親としての身分を棄てるので劇中ではもっぱら”女”として扱われる。

息子が生存している第一話の段階では完全に過保護な母でしかないが、二話目からは、口淫はするし、胸ははだけるし、濡れ場や胸を強調するような性的なシーンが激増する。まあ、青年誌におけるヒロインの立ち位置だ。

作画がとてもよく、男も女も本当に可愛い。
可愛い中にエロありで、エンタメ作品としてかなり良い出来だといえる。

漫画としての構成もすばらしいので、ストーリーはもうテンプレートを完全になぞる展開になったとしても読み続けられそう。

美しい。本編中は、さらに美しい。みちきんぐ先生みたいに白黒での表現力にも長けてる人が描いてる。白黒のイラストとカラーイラストはフィギュアスケートとスピードスケートみたいな違いがある。つまり、どちらもできるこの作者の技量たるや

おちたらおわり、が、ホームランとゴロを打ち分ける器用なバッターだとしたら、こちらは選球眼で魅せるアベレージヒッターといったところだ。




・平和の国の島崎へ

コミックDAYSで読んでいる。
先日書店で平積みされていたのを見たので、人気作なのだろう。
幼少期にテロ組織に拉致されて戦闘工作員として育てられた男が、大人になり、脱走し、日本に帰化しようとする話だ。

話の軸となるのは主に、「帰還兵の帰化の難しさ」「島崎たち脱走者コミューンと、それを潰そうとするテロ組織」である。前者が物語の下地となり、後者が物語を進行させる推進剤となり、テンポ良く信仰していく。

毎回、大体、事件が発生する→島崎が戦闘工作員時代のスキルでこっそり解決する→知らんうちに解決した!よかった…
という話の構造になっている。言い換えれば、半分単話完結という感じだ。

つまり、先述の後者、推進剤の勢いを弱めればかなり長期連載にも耐えうる構造になっており、クレバーで展開を綿密に設計された作品だと考えられる。

しかし、自分からすれば、この構造はもうほとんどザ・ファブルだと思う。
ザ・ファブルも超次元みたいな面白さなので、そのフォロワー路線はかなりアツいと思われるが、まあ、ファブルだなぁ…と4話に1回くらい感じる。

ザ・ファブルは関西が舞台だし、ノリも全体的に関西ノリなのだが、島崎は関東のノリだ。キャラクターもギャグもすごい関東っぽい。
なので、私は本作品は関東版ファブルとして読んでいる。

元最強の戦闘員が日常の裏側で暗躍する展開は、やはりかっこいいので、これは肯定の意見として書いている。次は東北版ザ・ファブルを誰か描いてほしい。

あと、この漫画は、作者の島崎萌えがかなり濃厚で、なんか萌えられてんな~。と毎回感じる。島崎の首元にキスマークが描いてあってもおかしくない。
私はそんなに島崎みたいな属性は好みではない。




・雷雷雷(らいらいらい)

マンガワンで読んでいる。PCからだとマンガワンのリンク見つけられんかった。
今、私の中で最も熱い漫画だといって良い。
チェンソーマンと怪獣8号、ダンダダンといった気鋭の漫画の、面白い部分だけを攫いましたみたいな漫画である。

まあとにかく絵が綺麗で、美しい。
キャラクターもコミカルながら、ウザいラインは超えないバランス感覚があるし、とにかくキャラクターが可愛い… GANTZ、いや、まんま怪獣8号みたいな身体のラインがくっきりする戦闘服が出てくるのだが、そのボディラインが徹底的に美しい比率で、神業を感じる。

ストーリーはまだほとんど展開していないので何とも言えないが、とにかくすべてのページが綺麗で、何度も見返したくなるようなキュートさがある。


もう少し具体的に評価するなら……
やはりチェンソーマンと怪獣8号の良いところだけを抽出しよう!という気概が感じられる。

・主人公が怪獣に変貌し
・怪獣と戦闘する組織に所属し、スリーマンセルの同僚がいる(クールめで黒髪)
・ピチッとした黒い戦闘服を着て、随時戦闘服の機能でバフをかけながら戦う
・主人公がどうみてもコベニちゃん

という共通点があって、
・怪獣8号みたいに破綻したプロットにしないよう物語の下地作りを徹底している
・チェンソーマンみたいに魅力的なキャラがいきなり死にまくらないようなギャグテイスト

というそれぞれの漫画の反省点をメタった描写が散見される。
つまり、まあどう転んでも最高の作品であり続けられるのが明らかで、

競馬で言えば三冠馬みたいな感じの安定感がある。これからの活躍が楽しみで、安定感もありつつ、怪我をして一瞬で消えたりするかもしれない不安もある。



・スケルトンダブル

ジャンププラスで読んでいる。
以前の記事でも書いたかもしれない。

これは、とにかく亜人の再編纂といった雰囲気が強い。
・頭脳派の主人公
・不死身、超強い能力(細部仕様は謎)
・敵も同じ能力者

で、雰囲気もだいぶ亜人だ。
亜人は、最初の2巻刊行くらいで原作者が離脱し、そこから完結まで数十話を編集と作画担当で描いたという苦労の作品だ。
なので最初の方は頭脳派サスペンス風味なのに対して、後半はもっぱらバトル&ミリタリー風味になる。
後半も後半でめちゃくちゃかっこよくて面白いので私はすごく好きなのだが(最終巻で出てきた対亜人特殊作戦群が超絶にかっこいいのだ。スタンド使いはスタンド使いしか倒せない───亜人は亜人しか倒せない みたいなうっすらとした暗黙のルールをいきなり破壊するデウスエクスマキナ的展開は、爽快だし、説得力があってかっこいいし、やっぱ特殊部隊ってすげぇよな🥴という気持ちにさせてくれる)
スケルトンダブルは、そういう路線変更を否定して、両者のあいのこ(どちらかというと序盤より)の雰囲気で進行していく。

鎧畑さん。可愛い。明らかにすぐ死にそうな保護者ポジションだが、今のところ最強格。だがすごいインフレしてるから、いつまで保つか…….

登場するスケルトンという能力が夢があってわくわくするし、作者がご都合主義が嫌いなのか、ご都合展開が一切無いのも好感が持てる。
つまり、主人公はひょんなことから超人的能力を手に入れるのだが、ちゃんと家族に説明するし、政府ともちゃんと自分で交渉するし、目的意識をもって能動的に行動するのだ。

こういう詰め将棋みたいな物語進行は、やはり亜人の序盤っぽい。
でもよかろう。諸々相まって面白いので、新約・亜人、全然アリ、という気持ちにさせてくれる。

ただおっさんキャラの顔がなんかちょっと怖い。




・TOUGHータフー

ヤンジャンで読んでいる。

大昔から現在までシリーズ連載している格闘漫画だが、2シリーズ目だ。
バキでいう、グラップラー刃牙の次の「バキ」にあたる。

グラップラー刃牙に相当する「高校鉄拳伝タフ」も読んでいたが、そちらは全体的に構成が雑すぎて飽き飽きした。
しかしこのTOUGHは、同じ作者が描いたと思えないクオリティの高さである。

バキシリーズ、というか板垣恵介の特徴としては、とにかく「線」の説得力が挙げられる(力強い線で漫画が描かれているので、キャラクターの強さががっつり伝わってくる)のに対し、TOUGHは驚くほど繊細である。

とにもかくにも絵が上手くて、特に寝技の攻防が凄い。どこの関節がどうやって極まっているか見て理解るし、そこからどう脱して逆にどう極めたのか、精細に描かれている。ときおりオリジナルの関節技が出てくるのも凄いが、リアリティのある作画から、ファンタジーみたいな技が出てくるのも超現実的(シュルレアリスム的)で面白い。

自分が特に好きなのは「灘新陰流・弾丸(たま)すべり」で、拳銃の弾丸とかを身体に沿わせて逸らす技なのだが、その技が存在するおかげで「銃には格闘技では絶対に勝てない」という現実を超過し、しかしながらリアリティのある作画で攻防し────いうなれば超次元格闘技漫画として完成しているのだ。


たしか「バキ」の序盤では、刃牙が銃を持った不良に銃を突き付けられて「どーするよッ!?こうされたらどーするよッッ!??」と迫られるシーンがあるのだが、結局刃牙は答えを出せていなかった。(不良の背後から別の敵がやってきて不良をぶっ飛ばして終わった)ので、格闘技漫画としての哲学においては、わたしはタフが上回っていると思う。

しれっとバキを引き合いに出していたが、タフは明確にバキシリーズを意識している部分があるので(鬼龍が極めて範馬勇次郎っぽい)比較するのは順当だと考えている。




・チェンソーマン第二部

ジャンププラスで読んでいる。
正直相当減速してきている。
先週、今週の更新で第一部の人気キャラ、クァンシとサムライソードが出てきたが、まあもう一度死んでいるキャラ達だから半ば味のしなくなってきているガムみたいなもので、昔食って美味しかったガムが引き出しから出てきたからまた食ってみたみたいなうんざり感を感じる。
NARUTOでいえば、最終章くらいで再不斬とハクが再登場したみたいな感じで、まあ、また活躍を見られて嬉しくはあるのだが、うんざりなのだ。私はあのあたりの大味な展開が嫌いだ。

やはりアサちゃんが可愛くて仕方ないのだが、最近はアサちゃんの出番がすごく少ない。
代わりにチェンソーマン協会とかなんとかの勢力が出てきてどうのこうの…という感じになっているが、これは心底どうでもよく、全然感情移入できない。主人公のデンジも全然乗り切ではなく終始目が死んでいるし、輝いていたチェンソーマン第一部前半の残り火みたいな具合である。

そもそも作者のタツキ先生の最大の武器は、キャラクターの見た目の良さと、クリーチャーデザインなので、その辺の新規投入が甘くなってくると途端につまらなくなる。

ストーリーは昔から薄っぺらいのなんの、行き当たりばったりみたいな展開しか描けないのでもうトーナメント編とかやって、新キャラ出しまくってはどんどん殺しまくるみたいな展開にした方が良いのではないかと思える。


一方で、やはりキャラデザとクリーチャーデザインは超一級なので、これからもドンドン新キャラが出てくるだろうし、それは楽しみだ。

タツキ先生のキャラで言えば、前作ファイアパンチに出てきたパンイチの黒マスク男が一番好きだった。
ファイアパンチは良かった… あの眼帯の女もホットだったし、アーマードコアみたいな重装鎧兵もかっこよかったし、なんか飛ぶ奴もかっこよかったし、主人公アグニの設定もクールだった。ストーリーはあってないようなものだったが、ロマンがあふれていたのでもうそれで良かった。


かっこよすぎる… 普通に全裸っていうシュールギャグも効いてるし、普通に燃えてるから普通に常に死ぬほど痛いらしいのもロマンのある設定だぜ


メカデザインもイケてる。いっちゃアレだがベイラム製っぽいな


ヒロインのトガタ。こういうアンニュイな女のハシりだった。当時は可愛すぎだろ!??!?と思い、恋した。ファイアパンチの連載後、世間にはこういう女がめちゃくちゃ増え、そして一般化し、なんかサムいキャラだなって思うようになった。

ファイアパンチ二部は、商業的な問題か、もうキャラクターが中途半端に大切にされているものだから、新キャラの投入は甘ければ、退場もしないし、しまいには死んだキャラまで出てきて、しかもストーリーも意味不明で、完全に迷走状態である。

ジャンプ編集部は、タツキ先生には作画をやらせて、原作者を他につけて連載するべきだと思う。


…もうちょっとチェンソーマンの話していいすか。
チェンソーマン最大の瞬間は、レゼ、爆弾の悪魔編だったと思う。レゼはそれはそれは可愛く、本物の魔性の女で、手に入れられそうで手に入らない、考えうる限りもっとも魅力的な女性キャラクターだった。

街が見下ろせる場所でデンジとキスするシーンは、すべての男にとって嫉妬と羨望と、自己投影による高揚で狂ってしまうような熱量があり、そして、そして次のページでレゼがデンジの下を咬み切った瞬間、その感情が零下30℃まで冷えて、カタルシス爆発なのだった。


で、レゼは敗北し、死に、デンジはカフェで彼女を待ち続け、チェンソーマンという傑作が誕生したのであった。



チェンソーマン第二部は、まだ、偽チェンソーマンや、アグニくんも居るし、起爆剤はいくつも散りばめられている。

タツキ先生は、なんか見るからに他人の意見が「効きやすい」人間であり、これだけ人気になってしまうと、もう不安定で仕方ないのだろうが、腐らずやっていって欲しいものだ。

チェンソーマンが例え打ち切りになっても、作画担当でまた別の連載が始まるなら、それは必ず読む。



おわり

他にもいろいろ読んでいるが、読みおわっていなくて面白いは以上のやつらだ。
漫画アプリはいいぜ… 無限に面白い漫画を提供してくれるから…

各漫画アプリの運営チームさん、いつもありがとう。


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