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エッセイ:happy420day

昨日、4月20日は、大麻の隠語"420"になぞらえて大麻の日と呼ばれている日だった。
自分は薬物は反対派だが、大麻に関してはやや容認寄りである。

この記念日に乗じて、大麻は容認すべきか排斥すべきなのか、いま一度考えてみるのも良いのではないでしょうか。
というわけで今回は大麻に関しての知識を整理してみたいと思います。


改めて大麻とは

大麻とは、ご存じの通り大麻草のことで主にバッツと呼ばれるめしべを乾燥・加熱して吸引したり経口摂取することでハイになる作用があります。このハイになる効果はTHC(テトラヒドロカンナビノール)という物質によるもので、後述するリラックス作用などはCBD(カンナビジオール)という物質によるものです。

日本の法律で規制されているのはTHCのみなのでCBDを抽出したオイルなどは国内のショップでも購入することができます。

大麻は古くから日本でも自生していた植物であり、神社のお札を大麻と呼んだりする慣習から見て取れるように日本の文化にもゆかりのある植物だった側面もあります。

その後世界的な規制によって違法になった後は自衛隊がほぼすべて伐採し、現在に至ります。10数年前には北海道に大麻が自生しているという噂も囁かれていましたが、現在はもう残っていないそうです。

また、大麻はその「リラックス効果」や「鎮痛作用」からがん治療の一部など医療目的で使用されることがあり、その用途で使われるものは医療大麻と呼ばれています。日本では、嗜好用大麻は元より医療用大麻も違法です。


大麻の作用機序

前述のように、大麻によるハイはTHCによって引き起こされます。摂取したTHCが脳内のカンナビノイド受容体(受容体とは特定の物質と結びつくことで効果を発揮するたんぱく質)に作用することで酩酊状態に誘います。

厚生労働省のHPによると、この大麻によるハイは記憶力、学習能力を低下させ、依存性を有するとありますが、具体的な研究結果はまだ少なく、依存性においては身体依存性は無いものと考えられています。

そのため、強力な依存性と有害性が故に薬物は危険だとする啓発が行われている昨今、依存性や身体的な害の無さという面から大麻に手を染めてしまう人間が現れてしまう事例が見受けられます。

一方、WHOにより痛み、てんかん、がん、AIDS、喘息、うつ病、睡眠障害、食欲増進など様々な領域における医療利用における医療利用についての研究もあるとされています。


大麻の歴史

前述のように日本国内でも伝統的に栽培されており、神事で使わえれるしめ縄、おおぬさ、麻などにも使われていました。国外では、中国で2700年前にシャーマンが薬理作用を目的として大麻を使用したとされる痕跡が見つかっている他、世界各国で紀元前頃からの利用痕跡が発見されているように大昔から薬理的、嗜好的に使用されていたことがわかります。

世界的に違法になったのは1924年頃、つまり100年程度昔のことで歴史的には最近の出来事です。あへんやコカイン、モルヒネやヘロインなどが世界的に規制されることになった1912年の万国阿片条約が締結されてから12年後、エジプト代表モハメド・エルグインディがハシシ(大麻)は有害であるという旨の発言をしたことや、アメリカが移民問題解決の手段として大麻が厳しく取り締まった影響により、1930年頃にはほぼ完全に違法となってしまいました。

1915年-1927年には南西部州を中心に医療目的以外の大麻使用が州法で非合法化され始め、禁酒法の廃止や治安悪化、人種差別や移民問題、合成繊維の普及と相まって、1937年に連邦法によって非合法化された。
安価な労働力としてメキシコ人移民の雇用が増え、アメリカ人の雇用が不安定になり移民問題となった。メキシコ人は週末になると大麻を嗜むことで知られ、大麻を違法化することによって、それを口実にメキシコ人をアメリカ社会からの排除を行った。大麻は厳しく取り締まり、少量の所持で終身刑になった判例もある。
1912年の万国阿片条約は、あへんやコカインならびに、これらから誘導された薬品が引き起こす害毒を禁止する目的で締結されたが、大麻に関しては統計的・科学的見地から研究されることが望ましいとされた[44]。1924年11月20日、エジプト代表モハメド・エルグインデイは「ハシシは、オピウム以上ではないにしても、それと同程度に有害である」と発言し、ハシシの追加が要求された。「エジプトの精神障害者の30-60%はハシシによる」とのエルグインデイの発言は中国やアメリカ代表団の支持を取りつけた。イギリスをはじめとするヨーロッパの一部の植民地主義国の反対や、アフリカやアジアなど使用習慣のある国は消極的であったが、インド大麻製剤は学術・医療に制限され、貿易も取り締まられることとなった。

※以上3点、wikipedia「大麻」の項から


世界的な大麻のイメージ

欧米各国で合法化されている場所もみられるように容認するイメージを持つ人々が増えつつある印象があります。

また大麻産業が莫大な経済利益を上げることも合法化が促される要因のひとつになっていると言えます。麻用途、医療用途、嗜好用途、健康用途に使われて様々な品種が作られ、様々な加工によって市場に流れる大麻は、合法という環境の下、資本を持った企業が栽培することで違法の国で流通する大麻とは比べ物にならないほど質を高めることが出来ます。

犯罪はダメ

大麻がもたらす恩恵は大きく、強いストレスをもたらす社会の中で縋れる物質としては(例:麻薬、酒、煙草、眠剤、糖質)素晴らしく有用であると言えます。

しかし、法を犯して使用するのはタブーでありメリットを上回るデメリットを被ります。例えば親に顔向けできなくなることや、警察に捕まるリスク、混ぜ物による健康的な危険、プッシャー(売人)による詐欺、反社会組織とのトラブルなどです。

また厚生労働省のHPによると海外で大麻を使用することも大麻取締法に抵触するため、日本で合法化される日を待つのが現状の得策であると言えます。


でも文化は大事

世の中には大麻に関して賛成という意見、反対という意見があり実際どちらも一定の理屈があります。そのためどちらが正しいかということは一概には言えず今後ますまず議論が必要になって来ます。

ただ一つ言えることは違法として政府に厳しく取り締まられている大麻にも長く深い歴史や伝統文化、それに伴うコミュニティや工芸品がありそれらは他のと同じように尊重されるべきだということです。

例え健康被害が真実であり違法のままだったとしてもただイメージを悪くしようと扇動するのではなく、文化の尊重と教育の徹底を行うべきであると言えます。

自分は大麻を使用はしませんが大麻文化が好きで、毎年4月20日はグッズを買ったり絵を描いたりして祝います。薬物は危険で、往々にして人を殺します。しかし、ドラッグカルチャーはそれでもクールで若者をひきつけます。必要なのはただ否定することでは無く、許容と理解なのではないかと思います。

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