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ゲノム認証?

もしすべての人が自分のゲノム情報を知る時代がきたらどのような世界になるでしょうか。
ゲノム情報は個人を特定する究極の情報です。そう考えると1つは認証IDとして利用する方法です。現在利用されている生体情報を用いた個人の特定方法(生体認証)は、手の静脈情報や目の網膜情報などがあります。最近は顔の特徴量を記憶して、PCやスマホのカメラに顔を写すだけでログインできる仕組みも多いですよね(マスクをずらしてログインしている人もみかけます)。同じようにゲノム情報を認証IDへ利用することはできるでしょうか。
まず本当にだれとも一致しないのでしょうか。家族内で考えると、理論的には親子で半分、兄弟姉妹で4分の1の一致です。他人同士では、取得する情報にもよりますが、ほとんど一致することはないでしょう。ただし一卵性双子は完全に一致します(少し違うこともありますが)。

次にゲノム情報は盗まれにくい情報でしょうか。たとえば運転免許書のようなICチップを内蔵したカードの中、携帯電話のSIMチップの中などに記録できるとしましょう。この場合、紛失という危険があります。それに対して現在の生体認証において、手や目を忘れることはないでしょう(ちょっとこわい)。
では技術革新が進んで体内に埋め込むことができるようになったらどうでしょうか。紛失はなくなるかもしれません。しかしゲノム情報の「元」を盗むことは比較的簡単です。たとえば他人の髪の毛を入手することはそんなに手間がかからないでしょう。すれ違いざまにピッと抜いてもバレないかもしれません(寄生獣を思い出しました)。

ゲノム情報を取得しても、それを認証IDとして利用するには色々な工夫が必要になるかもしれません。それより健康や医療に利用する価値の方が高いように感じます。健康や医療にどのように利用するのかはまたの機会に。

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