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『ハルジオン』2

制服のブレザーとネクタイがしっくりくる季節。
また僕に、彼女は言った。
「ハルジオン。調べてくれた?」
調べてない、答えると彼女は少し下を向いて
ちぇっ、と言い足元の小石を蹴った。
彼女は暫く黙り込んで、らしくない、小さな
囁くような声で言った。
「いいの。無理に調べて欲しいわけじゃない。
大丈夫。ごめんね。」
彼女にしては珍しくしおらしい。
何かあった?聞こうとして、やめた。
これも彼女の作戦のうちなのかもしれないと思ったから。

その日から、僕と彼女が会うことはなかった。

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