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良い椅子を買った話①

昨夜、録画してあった「100カメ」を見ていると、ネットの高校に通う子たちの部屋が映し出されていた。

そこに見えたのが、ゲーム実況YouTuberたちが使っていそうな立派なゲーミングチェアだった。
背もたれ、ヘッドレスト、アームレストがしっかり体を支えてくれて、長時間座っていても楽そうである。

「うわ、いいなあ」
と見た瞬間に心の底から思った。


我が師は、
「ライターは、作業環境にはケチケチせずに投資した方が良い」
というポリシーをお持ちだ。
長時間座りっぱなしの仕事なので、体に負担をかけないことを優先した方が良い、と。
それに、ライターは、パソコン1つあればできる仕事なので、他業種に比べて、投資すべき対象がそんなにない。
だったら、投資すべきところには、ちゃんと投資して、ストレスなく働ける環境を作った方がよいであろう、と。
師の考えは、正しい。

実際、やってみると、本当に5〜6時間座りっぱなしは、ざらな仕事なのだ。
普通の事務椅子では、腰も痛めるし、お尻も痛い。
良い椅子が欲しいというのは、ほぼ1年越しの私の願いでもある。

けれど私の中では、「椅子に10万円の投資」というのが、恐れ多い気がして出来なかった。私の尻ごときを、10万円もする椅子に載せて良いはずがない、と思ってしまうのだ。

例えば、4泊の離島旅行に10万払うのと、ずっと使う椅子に10万払うのとでは、後者の方が圧倒的に抵抗があった。コスパで考えたら、消えてなくなる4泊の旅費より、ずっと使う良い椅子への投資の方が、体と心に優しくメリットもあるのに。

これは、おそらく「たいした稼ぎも無いのに、椅子だけトップライターを真似てる人みたいでイタイ」と、冷ややかな視線を向けてくる、もう1人の私がいたからだと思う。

しかし、その批判的な私は、高校生が私より良い椅子に座っているのを見た瞬間に、一転して「椅子、買っちゃおうぜ派」に寝返った。

「高校生があんな良い椅子に座ってんのに、あんたは、いつまで、尻が痛いとか言いながら、ちゃちな椅子に座ってるつもりなのよ?!なんのために働いてるの?ちまちま貯金するためじゃないでしょ?!」

おっしゃる通りでございます。
かくして私たちは和解し、椅子選びを始めたのだった。

「始めた」と言っても、実はあたりはつけてある。
いつか、もっと稼げるライターになったら、これを買おうと思って、Amazonの買い物カゴに、出したり入れたりしている椅子があったのだ。
選んだのは色だけ。

それがこれ、エルゴヒューマンのオットマンプロである。

読書姿勢も楽そうだし、椅子の上でお昼寝もできそうだ。

「お前、本当に働く気があるのか?」
と言われそうだが、もちろん、ある。
椅子のためにバリバリ稼ぐ気満々だ。

とりあえず、今日は高校生の助けを借りて、椅子のオーダーまで完了した。
あとは、椅子がいつ届いてもいいように、掃除をして待つのみである。

さあこい、オットマン。
君にはこれから、私の尻に敷かれる人生が待ってるぞ。

**連続投稿157日目**

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