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離島の旅 2日目

いよいよ島の探検を開始。

宿泊先の裏手の小さな川を越えたところに、レンタルバイクの幟がはためいていたので,そこで原付を借りることにする。

夕陽の写真が撮れる時間まで借りでおこうと、10時間で申し込んだら
「島を一周しても3時間あればお釣りがくるのに」
と、おじさんが笑った。

沖縄とはいえ、海開き前の海水はけっこう冷たい。
そんなに長くは入っていられないと思うので、とりあえず島に5ヶ所ある展望台を全部制覇し、それから泳ぐことにしようと決めた。

しかし、これがけっこうな罰ゲームのよう。
今日のいでたちは、いつでも海に入れるよう、水着+インナースーツ+ウエットスーツ(3ミリ)を着込んでいるというのに、気温は25度の夏日でピーカン。
さらに、展望台というのは高台に作られているものなので、必然的に上り下りがある。
しかもそれが5箇所。

減量前のボクサーのようにダラダラ汗をかきながら眺めた絶景は、潮風のせいでしょっぱいのか、自分がしょっぱいのかよくわからなかった。

上の写真は、最後に訪れた、高月山展望台から、古座間味ビーチを撮ったもの。
弓なりのビーチの右端から砂洲で繋がっているように見える島がある。
「安室島」だ。
上から見て、歩いて渡れるのでは?と目星をつけたのだが、実際にやろうとしたら、釣りをしているおじさんに止められた。

「そこは流れが早いから、危ないよ!」

かつては大潮の時には渡れたのだそうだ。
しかし、台風が来るたびに地形が変わり、潮も流れ込んできて、干潮時でも足をとられるようになった。
それ以来、徒歩で渡ることは禁止されていて、船でしか渡れなくなっているとのことであった。

止めてもらえてよかった。
あのおじさんがいなければ、今頃、どこかに流されて、遺体も見つけてもらえなかったにちがいない。

知らないところでは、まず、地元の方にリサーチしなくてはいけなかった。
明日以降、必ずそうしよう。
座間味には、ハブがいないので、怖いもん無しの気分だったが、気を引き締めなくてはならない。

続いて向かったのは、阿真ビーチ。
噂のカメポイントだ。

宿のオーナーさんは、カメが現れる場所だけでなく、時間まで正確に教えてくれた。
日によって1時間ほど違う。

なぜわかるのだろう?
カメと通じ合えるなんらかの能力者なのだろうか?

半信半疑で向かったそこには、ほんとうにウミガメが現れた。
でかい!
甲羅の差し渡しが1メートルは余裕でありそうだ。

ウミガメは砂ごと、ヒュッと何かを吸い込んでは、上手いこと砂だけ吐き出している。
私には、ただの砂地に見えるのだが、カメにはここは餌場らしい。

後で、カヤックに乗っていた地元のおじさんから聞いた話では、カメはいつも満潮時にやってきて、海藻や海綿を食べているらしい。
だから、オーナーさんは予言ができたのだ。
能力者ではなかったのか。

カメに会えたので、あとは夕日だ。
なんだか忙しい。
一眼レフを首から下げて、さっき汗だくで登った展望台に向かうと、先客がいて、ものすごい重装備で西の空を撮影していた。
聞けば、観光情報誌のカメラマンさんだという。

「夕陽の絶景ポイントと書くからには、本当に夕陽の絶景を撮らなきゃいけないんですよ。天気が良い日はほぼ通ってますね。素材として,他の雑誌に売れることもありますし」
とのことだった。
うーん、大変なお仕事。
観光情報誌のライターさんやカメラマンさんは、あちこち旅ができていいなーと思っていたが、良いことばかりではないのだなぁ。

私は、お気楽にスマホで一枚。
舞台装置が良いので、それなりに見える。

今日も一日、暖かい日差しをありがとう。
敦賀からくると、本当にお日様が嬉しい。

**連続投稿75日目**

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