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遺すべきか、遺さざるべきか

つい先程のできごと。

いつものようにプールからの帰り道、松山駅から北上する通りをバイクで走っていた。
夜風が気持ちよく、泳いだあとの気だるさもあり、私はやや緊張感を欠いていたと思う。
ご機嫌で風を切っていた。

その目の前に、突如出てきたシルバーの軽自動車。
こちらに横腹を見せて、道路の真ん中で急停止した。

本当のところは、たぶんこう。
①左手の店舗駐車場から右折しようと出てきた車が、路面電車が来ていたのに気づいていなかった。
②電車に行く手を阻まれて、結果、反対車線のど真ん中で止まることになってしまった。

私は私で、信号もないところで車道に飛び出してくる車がいるとは思わず、軽自動車を認識していなかった。
生まれて初めて、ものすごい急ブレーキをかけ、車に当たる寸前で止まったのだが、軽自動車の高齢ドライバーはこちらを一瞥しただけで去って行った。

見ていなかった私も悪い。
でも、もしあれで事故を起こしていたら、たぶん10:0で、先方の責任が問われるのではないかと思う。
だって、車道を思い切り塞いでいて、避けようがなかったんだもの。

仮にそのような事故が起きた場合、私が死んだらどれくらい保険金が支払われるのだろう?

たいていの車のドライバーは、自動車保険に加入する際、「対人無制限」の保証をつけているのではないかと思う。
ということは保険屋さんが、事故の過失割合に応じて、私の命の妥当な金額を算出し、遺族である夫に「あなたの奥さんは、◯円でした」と値付けして支払うのだろう。

いや、さすがにそんな言い方はしないと思うけれど、算出式はあるはずだと調べてみると、こうなっていた。

①逸失利益
  逸失利益は、被害者が死亡しなければ得られたであろう将来の収入を基に算出されます。これは次の式で計算されます:

  逸失利益 = 年収 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数

  - 年収: 被害者の事故前の年収
  - 労働能力喪失率: 通常、死亡の場合は100%。
  - ライプニッツ係数: 被害者の年齢や期待余命に基づいて、将来の収入を現在価値に割り引くための係数。60歳の場合、通常10~12年の労働期間が残っていると見なされます。例えば、12年の場合、係数は約9.6です。


②慰謝料
  慰謝料は、被害者の精神的苦痛を補償するための金額です。交通事故による死亡の場合、慰謝料の相場は以下のように決まっています:

  - 一般的には、2000万円から2800万円程度が相場です。

  この範囲内で支払われる金額は、事故の状況や被害者の家族構成、裁判所の判断によって異なります。

③葬儀費用
  - 葬儀費用は、現実的にかかった費用が認められます。通常は150万~200万円程度とされています。

chatGPTより

つまり、慰謝料と葬儀費用は、固定でそんなに動かないが、私の頑張り次第で今後、年収が大幅にアップすれば、夫は左うちわで暮らせるということだろう。

むむむむ。
ここは、これまで養ってくれた夫の恩に報いるべく、年収アップの努力をすべきか。
それとも、お金があったら、あっただけ全部飲んでしまうのだろうから、健康を考えて遺さない方向でいくべきか。

考え込んでしまった夜だった。

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