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離島の旅

昨日から、座間味にいる。

沖縄本島から船で約1時間ほどの離島だ。
朝8時に敦賀を出て、着いたのが夕方5時過ぎ。
移動だけでほぼ一日がかりだ。

オフシーズンなので、観光客も少なく、私が宿泊している宿には、今のところ私以外誰もいない。

貧乏旅行が得意だ。
寝るだけのところにお金をかけたくない、その分、他のところで楽しみたいと思うので、至れり尽くせりのサービスなんて無くてかまわない。
今回泊まっているのも、素泊まり4泊で15、000円という観光地の離島にしては、超リーズナブルなところだ。
食事は3食、自分で調達する。

案内された6畳ほどの部屋の中には、ベッドが2つ、エアコンが1つ、洗濯物干し1つ、アイロン台ほどのサイズのテーブルが1つ、そのセットの椅子が1つ。
これらが、この部屋の全てである。
荷物を広げるスペースがないので、使ってない方のベットの上に全部並べている。

部屋のドアを開けるといきなり外だ。
長屋のような作りで、右手には同じ部屋が5つ並び、その先がトイレとお風呂と洗面所と洗濯場。
ここはいつでも自由に使っていいと言われていて、24時間、鍵もかかっていない。

その向こうには外階段があり、屋上に出られる。
階段の途中からは、パパイヤの実に手が届く。
青い実が鈴なりになっている中、一つだけ黄色くなりかけていた。

オーナーがそれをもいで
「プレゼントです」
と言って渡してくれた。
あと二日待って食べなさいと言う。

樹上で完熟を待たないのは、鳥に食べられてしまうからだそうだ。
これまでにも何度も、あと少しのところで、食い尽くされてしまった。
鳥は賢いので、1番美味しくなるタイミングを待って、やってくるのだそうだ。
もらったパパイヤにも、鳥が突いた穴が1つあった。
味見をしたのだろう。

階段を登ると、2階は広い屋上になっている。
ここは、オーナーが「星を見ながらお風呂に浸かりビールを飲む」ために作ったのだそうで、浴槽とベンチが置いてある。

昨夜は、このベンチで空を見た。
うっすら雲がかかっていたのと、月が明るかったのとで、思ったほど星は見えなかったが、裏の山からひっきりなしにいろんな動物の声が聞こえた。

ホーホー ホーホー
ヒュッヒュッ
キー…… キー……
ニュイッニュイッ

無理矢理文字にするとこんな感じ。
一体どんな生き物が住んでいるのだろうか、と想像しながら暗い山を眺めた。

予定をぎっしり詰め込むのが苦手なので、朝起きた時の天気を見て
「今日は何をしようかな」
と考える。

今朝は6時に目覚めて、晴れを確認した。よし、バイクをレンタルして隣りの浜に素潜りに行こう。午後は、反対側のビーチに移動して海亀を見る。

海亀は全部で6頭いて、決まった時間、決まった場所に餌を食べにくるのだそうだ。
30年かけて、亀との信頼関係を作ったのだとオーナーが言っていた。
そんなすごいポイントを、あっさり教えてくれてしまうのだ!
オーナー直筆のメモを頼りに、亀さんを探そうと思う。

さ。朝ごはんを食べて、活動開始!

**連続投稿74日目**

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