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知らなくても答えを出す

ネットのニュースか何かで「今、日本に100歳を越える人が10万人いる」ことを知った。

へえー!である。

先ごろまで住んでいた敦賀市の人口が6万人だから、街中の人を全員100歳だと思っても、まだ足りないわけだ。
敦賀の人たちが全員集まっているところを見たことがないので、6万人もうまく想像できないが、まあとにかく、10万、すごい数なのである。

私は、クイズのつもりで夫に

「ねー、今日本に100歳以上のお年寄りはどれくらいいると思う?」

と聞いてみた。
夫は雑学の類に興味がなく、たぶん、知らないだろうなと思ってのことである。
すると

「うーん、10万人くらいか?」

と正解が返ってきて驚いてしまった。

「なんでわかったの?知ってた?」

「いや知らない」

そう言って夫は、10万人を導き出した考え方を教えてくれた。

「日本に1億の人が住んでるよな。計算を簡単にするために、1歳から100歳までいるとして、1億を100で割ると、各年齢に何人いるかが出るはずだろ?」

「え?でも均等にばらけてないよね?」

「そう。でも、仮にばらけてたとすると、100万人だよな」

「うん」

「でも人は、歳を取ると死にやすくなる。年齢別死亡率が高くなる」

「うん」

「その年齢別死亡率を類推したんだよ。今の日本なら、だいたい9割が60までは生きるよな。それが、5歳増えるごとに1割減っていくくらいのイメージで考えてみると、100歳オーバーの人はいいとこ1割くらいしか残ってないんじゃないかと思って」

「ちょっと待って。5歳で1割ってことは、10歳年取るごとに2割ずつ同学年の人口が減っていくの? 70で7割、80で5割、90で3割、100で1割。おー!そんで、100万人の1割で10万?」

「そう」

驚いたのなんの。

こんなの、よほどの統計資料好きじゃないと知らないだろうと思っていたのに、類推で出せるものだったのか。

実際には、年齢別死亡率も、そんなに直線的には減っていかない。
どこかの保険屋さんのサイトで拾った表だと思うが、年齢別生存率(生残率だったかも)は、こんな感じらしい。

たまたま夫の推理が当たっただけだったが、それにしても、知らないことを「知らない」と諦めるのではなく、計算で出せるはずと考えるところがすごい。

数学の好きな人の頭の中は、私のとはまるで違うのだなあ、と改めて感動したのだった。

**連続投稿787日目**

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