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「おかえりなさい」はうれしい?

お盆の間、近所のスーパーには「おかえりなさい」という文字を、二重の赤枠で囲んだ張り紙が出ていた。
いつも置いてある肉や魚がちょっとゴージャスに見え、買い物しているお客さんもウキウキして見える。
子どもや孫が遠くの町から帰省してきた、お母さんやおばあちゃんは、たぶん、体にピンクのオーラを纏ってルンルンしていたのだろう。
食品売り場全体が、なんだか明るく活気にあふれていた。

そして、お盆が終わった今、いつものスーパーなのに、照明が一段暗くなったようでうら寂しい。

人の感情が集まると、こんな風に目で感じることがあるんだなあと、ちょっと驚いた出来事だった。

私の実家も、敦賀と同じくらい田舎なのだけれど、TOYOTAのお膝元であるため、関連会社がいくつもあり、みな、地元で就職している。
同級生も、社会人になったからと言って家を出るわけでもなく、結婚しても実家とつかず離れず暮らしている人たちが多い。
だから、盆暮れ正月の帰省とは、あまり縁のない土地なのだと思う。
お盆にスーパーで「おかえりなさい」という張り紙を見たことはなかったし、実際、そんなに人の移動もないのだろう。

日常的に「おかえりなさい」がある町と、年に数回、とびっきりの「おかえりなさい」がある町。
どっちがいいのかと考えてみたけれど、そういうことではないのだろうな。
待っていてくれる人と帰ってくる人、お互いが心から会いたいと思っているかどうか、つまり、幸せな記憶がそこにあったかどうかが肝なのだろう。

そう考えて、ちょっと、ぞくっとした。
スーパーに買い物に来ていた、多くのお母さんや、おばあちゃんは、みんなウキウキ喜んでいたように見えたけれど、果たして帰ってきた人たちはどうだったんだろう?
「おかえりなさい」は、うれしい?
それとも、負担?
考え出すと、怖い。

**本日二本目につき、ノーカウント**

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