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家探し雑記⑤

まさか、続きを書くことになるとは、思わなかった。
「やれやれ、あとは大量の本を詰めたり解いたりする、大変な作業が待ってるだけだな」
と、半分くらいうんざりした気持ちで、不用品の処分を始めていたのだ。
そのLINEは、午前10時ごろにやってきた。

「審査の件ですが、
家主さんから先程審査の承認が通らなかったとの連絡をいただきました。
大変申し訳ないのですが、
今後の流れとして、新しい物件をお探しになるか
今まで見た物件の中でまた新しく申し込みをされるのかお伺いしたいのですがよろしいでしょうか」

うわ、こんなことってあるんだ!?
長い借家暮らしで、数度の引っ越しをしてきたが、これまで一度も「審査落ち」を経験したことがなかったので、びっくり。
しかし、考えてみれば、今までは夫の会社の「借り上げ社宅」として住まわせてもらっていたので、会社が家主さんと賃貸契約を結んでくれていたわけだ。
つまり、審査されていたのは、私たちではなく、会社だった。
今回、品定めされたのは、私たちである。

そう考えると、さらにショックが大きくなる。
私たちの、何がいけなかったのだろうか。
……と書きつつ、思い当たるフシは無くはない。
愛媛からの帰途、審査会社と電話で話した夫の印象は、ほんとに良くなかった。
お腹が空いてイラついていた夫は、とても威圧的で高圧的で、電話を早く切り上げようと相手の話を全部聞く前に、
「だからぁ」
とかぶせ気味に応対していた。

私が審査会社の人だったら、家主さんに
「とても感じの悪い人だった」
と告げるだろう。

落ちたものは、今さらしかたない。
また1から家を探すだけだ。
それにしても、落ちた理由がわかれば、次の手も決めやすかろうと、不動産屋さんに問い合わせてみたが、審査会社からは理由を教えてもらえないことになっているのだそうだ。

「戸建の家主さんの中には、その地域が出身地の方じゃないと承認が出せないという方もおられるので、そういった理由もあるのかもしれないです」

担当の若者が、優しくフォローしてくれたが、それならそうと「県外の人、お断り」と物件概要欄に書いておいて欲しい。
しかし、これが今回の理由であってもなくても、戸建の個人オーナーは、自分の大事な物件に住まわせる人に対する目が、厳しくなりがちなんだろうな、とは思う。

古くからの共同体に、馴染めない人では困るし。
仮に私が大家さんでも、トラブルのない感じのいい人に住んで欲しいと思うし。

そこで、法人家主なら比較的審査がゆるそうだ、と大きめのマンションとアパートを中心に探す方針に切り替えた。
生涯、一戸建てには縁がなさそうな私だ。

戸建てよりマンションの方が、住人の入れ替わりが多くて、人付き合いも気楽だろう。
どちらかというと、この変更は嬉しい。

それにしても。
このシリーズは、④で終わりにしたかった。
宙ぶらりんで、気持ちが落ち着かない。

**連続投稿579日目**

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