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終の住処を探す旅 四国松山編

3回目の「終の住処を探す旅」にきている。
①伊豆半島の付け根②別府&周防大島、と来て3回目の本日は四国の松山市にいる。

四国上陸は、人生でまだ4度目だ。
高知、徳島、香川は宿泊したことがあるが、愛媛は初訪問、どんなところかとワクワクしていたら、予想とは真逆の大都会で驚いてしまった。

人が多いとそれだけで嫌になる私には、最初の印象は超マイナスだったと言っていい。

松山だけではない。
岡山から瀬戸内海を橋で渡って四国入りして以降、停まる駅全てが、どう見ても都会ばかりなのだ。
人家の密集具合が半端ない。

***

2年前の10月のおわり。
夜の11時過ぎに初めて敦賀駅に降り立った私は、あまりの暗さに驚いた。
神奈川の夜が、いかに明るかったのかを思い知ったのである。
夜中でも煌々と道を照らす街灯を、当たり前のことと意識もせずにいたが、ここ敦賀では駅からわずか数百メートルで真っ暗になる。
同じ日本だと思えなかった。

え?街灯は?
照明に浮かび上がるお店の看板は?
まだ11時なのに、空いている飲み屋が一軒もない。(これはコロナ禍だったので仕方ない)

寂れたアーケードのシャッター商店街を抜け、真っ暗な空を見上げるとオリオンの三つ星がはっきり見えた。

「ここには住めない」
と不安で帰りたくなったものである。

***

それが今では、人家の屋根が埋め尽くす光景にびびっている。
あの時の「都会の女」はどこへ消えたのか。
心の中ではクリスタルキングが「大都会」を熱唱し始めている。
やばい、敦賀に帰りたい。
6時間の旅のすえにやってきた松山を、ろくに見もしないうちから、私は圧倒されてしまっていた。

ホテルにチェックインして、荷物を置くと、早速、町の高台を目指す。
松山城の天守閣に登るためだ。
町の全貌を知るには、上から眺めるに限る。

松山城は、これまでに行ったことがあるどの城よりも、広くて立派だった。
市の中心部にある、標高132メートルの勝山山頂に本丸があり、リフトまたはロープウェーで登っていけるようになっている。
天守閣には、16:30までに入場しなくてはならず、残念ながら今日は見学できなかった。

だが、それでも。
高いところが何よりも好きな夫は、街を一望できるこの山城に興奮している。
そういえば、岐阜に単身赴任していた頃も、しょっちゅう金華山のてっぺんにある岐阜城に登っては
「人がアリのようだ」
とムスカ大佐のようなことを言っていた。
これはきっと、夫の中の松山考課表にプラス80点は付いたことだろう。

その夫。
実は33年前、入社したばかりの頃、新人研修をこの松山で受けている。
3週間、この地に仮住まいしていたのである。

美味しい店や、おすすめ観光スポットなど、よく知っているのかと思ったら、なんと松山城に登るのも初めてだった。

「3週間もあったのに、何してたの?」
と聞くと、休みの日には、朝から気の合う仲間とつるんで、ひたすら雀荘に通い詰めていたらしい。
ご飯も雀荘から出前で頼んでいたので、店のことは全く知らないという。
なんだよ、それ。

どうしてもその雀荘を見せたいというので、繁華街までついて行ったら、とっくに閉店していた。
マイナス50点。

ただ、中心部から空港でまでのアクセスはよく、どこにいくにもそんなに困らなそうなところは良い。
城から見えた、瀬戸内の海と島々も素敵だった。

今日は、その島の一つを訪ねてみる予定。
私の松山は、今日が本番である。

**連続投稿410日目**

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