オススメする夏曲
Spotifyに加入してからというもの、深夜の音楽探訪が止まらない。寝る前のスマホはご法度であることは重々承知しているのだが、近年の音楽シーンは天才ばかりなせいか、聴き惚れる曲のオンパレードなのだ。そんな中で、僕が今年の夏に毎日聴いている夏曲プレイリストを雑文がてら紹介したいと思う。
プレイリストの一曲目は重要であり、雰囲気を決めると言っても過言ではない。誰を選ぼうかと迷ったが、ここはやはり土岐麻子でいこうと思った。乱反射ガールというタイトルに相応しく、夏の陽射しのようにキラキラと輝いており、そこに不快さは微塵もない。そのあまりの純粋さと煌びやかな世界観にクラクラと酔いそうになるが、不思議と何度も聴いてしまう名曲である。
若い世代にカリスマ的な人気を誇る「ずっと真夜中でいいのに」からはこれをチョイス。夜の屋台を思わせる雰囲気に、決してシンプルではない挑戦的かつ複雑て遊び心のあるメロディが同居した一曲。夜祭の怪しさとワクワク感に満ちた名曲。
『あつまれどうぶつの森』のCMに使われた一曲。最初牧歌的なあつ森のイメージにそぐわないNulbarichのお洒落さに笑ってしまったが、じっくりと聴き込むと、そのスローライフな感じが非常に世界観とマッチしており選曲のセンスに舌を巻いた。「世界は相変わらず急ぎ足で追いつけない」この歌詞が全てであり、たとえそれでも自分の速度でのんびりと人生を歩んでいこう。夏の夜の生ぬるい風を浴びながら揺蕩うようにぼんやりと聴くのがオススメである。
ぷにぷに電気の歌声は素晴らしく、声質というのは一つの才能であることを実感する。田舎住まいの僕からすると、この曲に込められた東京の夏の夜の幻視に言いようのない羨ましさを感じてしまう。実にアーバンで田舎とはかけ離れた高層ビル群を見上げながら、月明かりの下で闊歩する自分を幻視してしまう。
ド直球かつ危ないタイトルではあるのだが、イントロに詰まった夏の印象は人のあらゆる過去を刺激する。そんな風に重く考えることもなく、ただ寝過ごした夏の朝にぼんやりと寝ぼけ眼で聴くのが個人的には好きな一曲。
天才不思議ちゃんアーティストといえば岡山の天才さとうもかである。異論は認めない。何よりも曲の全てが可愛いらしく、夏曲でもその定義は変わらない。浮き足立ちそうな曲調の中、しっかりと地に足をつけた歌詞のマリアージュが素晴らしく、とにかく可愛い一曲である。
儚さと穏やかさが共存する落ち着いた曲ながら、それは祈りの言葉のようでいて、クセがなく染み渡る水のような人を選ばない定番の一曲。僕たちは夏を繰り返すたびに大切な何かを忘却していくが、この曲はそんな思い出に楔を打ち、視界を夏のあの日へと固定する。優しい歌声とは裏腹に夏の木陰の匂いを感じる一曲。
プレイリストの中でも浮いている気はするが、このボサノバに一番夏を感じる。夏の午前に車を走らせながら、クーラーの効いた車内で聴くこれは最高。
SMAPの曲として有名な一曲だが、椎名林檎提供の楽曲ということを知らない人も多い。セルフカバーのこれはまさに華麗なる関係の一曲で、色々と意味深ながら曲そのものはシビれるほどに格好いい。猛暑は避けたいが、たまには真夏に向かって全力で逃避するのも悪くない。
パワフルかつキュート。記事執筆時点で最新でありながら夏の定番になるであろうポテンシャルを秘めた夏曲である。さユりの歌声は実に力強く、直球で心を鷲掴みにして揺さぶってくる。アップテンポな夏の冒険。
映画『恋は雨上がりのように』の主題歌なのだが、この「アオハル」感は一瞬で人を青春真っ只中の高校生へとトリップさせる。恋に青春に部活動。その夏が人生で最も尊い瞬間を切り取った夏であることに、気づくのは大人になってからである。脇目もふらず走り続けたあの時の夏をもう一度。大人の僕たちももう一度、昨日の続きから頑張ろう。
甲子園を見てると脳裏に過ぎるこの一曲。自分の中では夏の風物詩になってる曲の一つで、吹奏楽の定番曲として応援歌で流れたら自分が球児ならテンション爆上がりになるだろう。Perfumeらしいキャッチーな楽曲で、聴くだけで楽しい夏になる。
クライマックスはド定番のこの曲で。米津玄師の超有名夏曲で、あまりにもベタなため当初はリストに入れるか否かで悩んだのだが、耳に馴染んだ定番曲というのも悪くない。透き通った両者の歌声が夏の終わりを予感させる。
一つのアーティストにつき一曲縛りでプレイリストを作っていたのだが、ヨルシカと被った点は見逃して欲しい。夏は終わり、その息遣いだけがひっそりと残り続ける。最後は静かにこの曲で、切なさとともにこの夏を〆よう。
いかがだっただろうか?最近の邦楽は全然分からん、と心のソーシャルディスタンスを貫いている人にこそオススメである。中には最近ではない曲もあるのだが、基本的にはわりと新しめのアーティストを中心に選んだつもりだ。音楽について語ることはあまり得意ではなく、どことなくぼんやりとした曲紹介になってしまったが、一度ぐらいはこういう音楽紹介をしてみたかった。僕自身の単なる我儘に付き合わせてしまい申し訳ないが、見逃してくれると嬉しい。
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