この時代だからこその願望を込めて。「クイズマジックアカデミー」の月額定額サービスを希望する
……タイトルだけでオチはついてるんですがちょっと語らせてくださいよ。
私は、「クイズ」というコンテンツが大好きです。過去の記事において「ナナマルサンバツ」という漫画に痛烈なまでのラブコールを送った記事を作成し、YouTubeチャンネル「クイズノック」に対する紹介記事も作成しています。
時を遡れば、(今でこそゲーセンには行っていませんが)アーケードゲーム「クイズマジックアカデミー」(以下、「マジアカ」といいます。)にとてもはまっていました。
はまっていまし「た」。はい、今としては過去形です。
コロナ禍というご時世上換気的に悪い環境に行かなくなったことはあるんですが、ざっくばらんにいってしまえば、ずっと前から行かなくなってはおります。
一番ハマっていた時期は「クイズマジックアカデミー5」〜「賢者の扉」の時代。それこそ10年以上前になります。クイズそのものの出来は黎明期から今の今までハイクオリティであるのですが、さらに思うのは、この時期のマジアカは世界観と音楽が段違いなんですよね……。(作曲担当としては「オクトパストラベラー」で一世風靡した西木康弘氏を筆頭に名だたる名前が揃っています)
時代の節目を迎えた「ゲームセンター」と「オンラインゲーム」のあり方
そして、ゲーセンという「施設」そのものが斜陽となっている状況、マジアカのみならずアーケード生まれのコンテンツは曲がり角を迎えております。
マジアカは既にニンテンドーDSにおいて家庭用展開がされたこともあります。オンラインプレイもできたし、ほぼベタ移植といえるほどのゲームでしたが、ゲーセンと比較して一世代前のものであり、クロスプレイもできなかったことから大ヒットには至りませんでした(今のマインクラフトとかを考えたらクロスプレイは当然というご時世ですが、この世代においてはメーカーをまたいでのクロスプレイは見かけることはありませんでした)
また、スマホアプリ「クイズマジックアカデミー ロスト・ファンタリウム」(以下、「QMAニウム」といいます。)として展開もされたんですが、かなり早期にサービスが終了してしまいました。プロモーションも決してうまくなかったのはありますが、それ以外に、出てくるクイズの種類が単純なものしかなかったことがよくなかった。タイピングとかエフェクト、キューブとか、答えたときに快感度が高い種類が根こそぎ排除されておりボタンを1回ポチっとするだけで済む種類ばかりだった。これだと先行者である「魔法使いと黒猫のウィズ」とかと差別ができず、往年のマジアカファンを引きつける要素も少なかったことから見切られた模様です。実際私が見切った理由もそれでした。
以下、過去に書いたQMAニウムリリース時の感想について引用します。
マジアカの魅力はなんといっても多種多様なクイズ形式とその問題量。特に問題量についてはギネスブックに掲載されるほどの圧倒的な量であり、それを支えるのが多くのクイズ形式です。
王道の◯☓や四択のほかにスロットリールを回して語句を選択するスロットクイズや、タッチパネルでそのものの正解を打ち込むタイピングクイズや、四択形式の選択肢から複数の正解を選ぶ一問多答等、色々ありました。……ゲームセンターでは。
そう前置くのはお察しの通り、QMAリウムにおいてはそのクイズ形式が限られており、タイピングやエフェクトといった形式は実装されていません。
当然といえば当然なのですが、気軽に遊ばせるニーズに寄り添う以上、複雑な操作を要する形式の実装が見送られているんですよね。
マジアカといえばカルトとも言えるレベルのクイズも実装されており、それを解けた時の「ドヤ感」が魅力を成立させていたところがあります。
それらの根幹であるのが「タイピング」「エフェクト」「キューブ」といった勘が介在しづらい形式であるだけに、それらが見送られたのが非常に残念。
それらを排除し「丸くまとめる」ことにより、とっつきやすくはなったものの魅力は削がれたという感想は抱かざるを得ません。
また「ドヤ感」を示すものとして、ゲームセンター版では表示されている情報である「全国正答率」。回答後表示されるその情報で正答率が非常に低い問題を正解できた時のカタルシスは尋常ではなく、また「この知識の認識率はこの位なのかあ」と単純に面白みを増すものであるだけに、表示を省いたのは残念です。
アプリクイズゲーム界では先駆者である「魔法使いと黒猫のウィズ」はしっかり表示があり、その辺りの細かい所が満足度の地盤を固めることには認識の乖離があると思います。
また、昨今のマジアカのアップデートにおいては革命的であった「ニュースクイズ」の表示。マジアカは直近の時事問題をどんどんと新作クイズとして投入していくことも魅力の一つであり、ゲームセンターでは新作問題には「ニュース」表示をしています。
今回のアプリにおいてもかなり最近の時事問題があることは確認済であり(◯☓で、この度の冬季オリンピックにおいて出場停止がされている国についての問題を確認しました(ロシア))、新作を投入しているのであれば「ニュース」を表示してほしいところです。
新鮮な問題の投入は、きっとアクティブ率にも影響するはずです。
また、QMAニウムにもマルチプレーの実装はあるのですが、いわゆる協力プレー。4人で敵を倒すモードのみです。ぶっちゃければ、ゲームセンターの方で現在主流となっている形式です。
QMAは過去は16人対戦という知識の争いをしていたんですが、アクティブプレイヤーの減少により、現在ゲーセンでは9人対戦モードとなっています。……それも正直、フルゲート(9人一杯埋まる)になっていないんですけどね。
ゲーセンという敷居の高い場所より、携帯アプリだとアクティブは増すのでしょうから、今こそ「対戦」に回帰してみませんか!? 正直あのゲームの対戦ってめちゃくちゃ楽しいんですよ! 単独正解したときのアドレナリン半端ないんですよ色々言いましたが、QMAリウム。根幹はスゴいしっかりしているゲームなんですが、生えている幹に少し「青い実」があったり、剪定しなければいけない枝があったり、「メンテナンスが必要な盆栽」みたいなゲームです。
魅力はありますので、クイズを毛嫌いしない方は是非ともプレイしてみて下さい。クイズの純粋な魅力を楽しめるゲームです。(編集注:アプリは既にサービス終了をしています)
(2018.2.10に他媒体で執筆した 『「QMA ロスト・ファンタリウム」リリース ここが良いとこ悪いとこ』より引用)
要は、手軽に遊ぶために改良されたところが、マジアカのゲーム性としてはくしくも改悪となってしまったのでは、という気持ちがあるわけです。
ギネスブックに搭載されるレベルの数である問題数を搭載しており、またカルトクラスの難問も多数ありジャンルマニアのウケも非常にいい。キャラクターデザインも、そもそもの生まれが10年以上前だから若干テンプレに一世代前とのズレがあれども、そこは「トーキョー」シリーズからのイメージチェンジと担当絵師の方とのスライドでエッジの効いた路線変更に成功した。基盤もガワも十分すぎるほど「資産」なんです。それが、こんな風に陳腐化していることが非常にもったいないわけなので、あとはマーケットへの投入の仕方だけもうちょっと向き合ってくれないかなという気持ちがあるわけです。
(「トーキョーグリモワール」によるリデザインを担当したのは、今は「ボンバーガール」でおなじみの「ケイ壱」氏。エッジの効いた作風を見事に世界に融合してくれました)
この願いは「老害」か。それとも「多数派」か。
あくまで一コナミ好きの意見としては「月額定額制」「タブレットによるタッチプレイ対応」「ゲーセンとのクロスプレイ」によるアプリ化を願いたい。
今もパソコンからゲーセンとのクロスプレイはできるのですが、1プレイ100円というゲーセンと同じ環境の「買い切り」です。月額1000円定額程度でこれを家庭用からプレイさせてくれないだろうか、という気持ちがあるわけです。この設定なら私は月額を払ってでもプレイいたします。
決して無理なことは言っていないはずなんです。なんてったって「beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE」が月額980円でアプリ展開されているのだから。もっとも、ビーマニシリーズはオンライン対戦するような土壌じゃないから比較するのは卑怯ではありますが、一つのコンパスとしては考慮したいのが本音です。
クイズ好きは同調してくれると思うのですが、クイズは「オン」であっても「オフ」であっても、人と競い合うからこそ楽しいゲームでありコミュニケーションなんです。だからこそ、最大の全盛期たるマジアカの16人対戦はたまらなく面白かったし、現状の9人対戦や4人協力の規模感は物足りないと感じてしまうんです。だからこそ、アプリ側から土壌たる人を集め直して、多人数でしのぎを削り合うクイズの楽しさをもう一度マーケットに広め直してくれないかと願ってやみません。人が集まれば、それを聞きつけて旧来のユーザーが集まる、潜在的にポテンシャルがある市場だと思っています。
「ボンバーマン」を「ボンバーガール」として、「桃太郎電鉄」をキャラのリデザインとともに息を吹き返させたコナミは、紛れもなく『枯れたブランドの水平思考』ができるゲームメーカーだと思っていますし信じています。
あの楽しさを現代世代にも味あわせてほしい。クイズって面白いんだ。
いずれいっぱい記事を書いた暁にでも、コーヒーでもおごってやってください……!