見出し画像

「Fall Guys」と書いてルビは『鉄骨渡り』

ここ最近、一本の思いがけないゲームがトレンドとなりましたよね。それが「Fall Guys」。公式サイトには以下のように表記されています。

『Fall Guys: Ultimate Knockout』は、最大60人で遊べる大規模オンラインパーティーゲームだ! 最後の勝者が決まるまで、カオスが加速し続けるステージを生き残れ!

時にはレース、時にはチームバトル。様々なミニゲームを行い、ゲームごとの脱落者の屍を乗り越えて頂点を目指すのです。
……とかいえば生々しいんですが、見ててとても楽しいんですよね。
たらこみたいなキャラクターがスプラトゥーンのようなビビッドな色味の舞台で、サイケデリックな音楽のもと時には叩かれ、時には落ちる。
ともすれば殺伐としそうなバトルロイヤルゲームであるのに、演出がゲームゲームしているからこそ楽しんで見られるんですよね。

あっ落ちた! 楽しい〜(キャッキャッ)
パネルぎゅうぎゅうじゃん! あっ、はみ出て落ちた!(キャッキャッ)

……。

……ポップでキュートであることが免罪符となっていませんか?
あなた達が見ている「Fall Guys」の戦いはアレと同じなんですよ?

「電流鉄骨渡り」と化したバトルロイヤル

多人数が、一つのルールで蹴落とし合い早いもの勝ちでゴールを競い合う構図。
まさにこれは漫画「カイジ」の「電流鉄骨渡り」(以下、単に「鉄骨渡り」といいます。)であり、実況動画を楽しむ私達はさながら鉄骨渡りで参加者を煽っている傍観者そのものなのです。
しかし、それを楽しむ心持ちを非難するつもりはありません。むしろ、「カイジ」を読んでいるときはあまりに現実離れすぎて非難も共感もできなかった傍観者の態度が、今「Fall guys」を楽しんでいることによって共感に補強されたくらいです。
決して私は金持ちではありませんが、そういった競技を見て愉悦を得る人間性は誰しもあるものなのだなあと感じた次第です。

ディレクターが目指した「風雲! たけし城」

開発者インタビューで、ディレクターは「風雲! たけし城」にインスパイアを受けた旨を話しています。
同番組はバラエティだったからこそ、当時のお茶の間も微笑ましく見られていたのですが、その実を「Fall Guys」のように再解釈してみると、生々しいものだったのではないかと思わざるをえません。
しかしその一方、このゲームは時代に即したシンプルで一本筋の通ったゲームです。わかりやすいルールとテンポよく進む1ゲームは配信側にとっても視聴側にとっても都合よく、上記のようなカタルシスも得やすい。
元々の方向性がバラエティ番組にあるためリアクションもしやすい。
まさに双方向にエンタメするために生まれたゲームじゃあないでしょうか。

さあて、それじゃあ今日もFall guysの配信を見に行こうかな……。

せっ・・・・! せっ・・・・!

押せっ・・・・! 押せっ・・・・!

この記事が参加している募集

いずれいっぱい記事を書いた暁にでも、コーヒーでもおごってやってください……!