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茨ひよりというVtuber

皆さんは「茨ひより」というYouTuberを知っていますか。もっといえば、ユーチューバーのなかのVtuber(バーチャルユーチューバー)。二次元アバター(3Dモデル)に「魂」を当てはめてYouTuberと化した人(?)ですね。キズナアイやホロライブの人たちを筆頭に市民権を得たコンテンツであろうかと思います。

そんな中での「茨ひより」。知らない方も多いかと思います。彼女は「茨城県公認Vtuber」。私自身関西圏出身で、仕事で茨城に来たことにより初めて知りました。

2018年8月3日、自治体では初の公認となる茨城県公式バーチャルYouTuberとして、茨ひよりを起用する旨が県知事定例記者会見において大井川和彦より発表された。茨城県の入庁3年目の女性職員がいばキラTVの女性アナウンサーに起用されたという設定に基づいて運用されるもので、実際に県知事の大井川が茨に対して異動辞令を発令したことが発表されている。
名前は一般公募により集められた2002の候補の中から検討され決定された。「青い上着」「黄色いスカート」「ピンク色の靴」という服装は、それぞれ、ネモフィラの青、干し芋の黄色、偕楽園の梅花のピンクをイメージしたもので、キャラクターの容姿デザインについては、茨城県出身のイラストレーターであるハルタスクによって行われた。また、頭には県の名産品であるアンコウの髪飾りをつけている。
2019年3月にはいばキラTVのチャンネル登録者数が日本の地方公共団体の公式チャンネルで初めて10万人を突破し、自治体によるバーチャルYouTuberの活用事例として英国放送協会(BBC)で紹介された。同月までの宣伝効果は広告費換算で2億4000万円になると県は試算している。同年6月にはG20貿易・デジタル経済大臣会合の歓迎レセプションに動画で出演し、9月から10月にかけて県内で行われたいきいき茨城ゆめ国体・大会のPR担当に抜擢された。
(wikipediaより引用)

以上のような生誕で設けられたコンテンツです。ビジュアルはこんなの。

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……ここである程度サブカル的コンテンツに理解のある人なら思うところがあるはずなんですよ。

「公的コンテンツなのにクオリティ高くない!?」って。
県内の主要産業を明確にイメージした色味としつつも主張感は強くなく、だからといって媚感も抑えめ。県運営のチャンネルとして動きやすいバーチャルアナウンサーという設定は機動的。あまりにも需要を『理解ってる』。
県広報担当とクリエイター側の緻密な調整と理解がないとここまでのクオリティにはならないと思うんですよ。
そしてその立場に甘えることなくちゃんとYouTuberらしく体を張るし、なにげにLive2Dと3Dのクオリティもちゃんと高い。

(2年前の初出しでこのクオリティなの、なにげにすごくないです?)

茨城県はこの手のサブカルコンテンツへの理解が本当に高いですよね。全国区となったアニメコンテンツである「ガールズ&パンツァー」も、大洗町は今であってもちゃんと町興しコンテンツとして活用していますし、町民からも興しであることの理解がかなりあります。(聖地化を嫌悪しないだけでも本当にありがたいもんなんですよ……!)
あんまり比較はしちゃいけないのですが、この手のコンテンツの活用は公的な側が「金の匂いに貪欲すぎちゃったり」「オタクコンテンツを小馬鹿にする様子を隠しきれなかったり」で形骸化しちゃったり採算が取れなかったりするケースが多いですよね。そういったケースに比べたら本当に茨城県はサブカルコンテンツに理解と敬意がある。
2020年末に「県魅力度ランキングで茨城県が最下位脱出(どころか42位まで大幅アップ)」となり話題になったのですが、ある程度第三者感のある移住民としては「なるべくしてなった、素晴らしい結果だよ!」という感想しかありません。現状を良しとすることなく、時代に即した広報手段を尖らせていって成功させた。そりゃあ評価もされますよ。

ブランド総合研究所(東京・港)が14日発表した都道府県別の魅力度ランキング調査で、2019年まで7年連続最下位だった茨城県が42位に順位を上げた。大井川和彦知事は同日に「内容分析の難しい調査だが、順位が上がったのはよいこと」と述べた。代わって栃木県が初めて最下位になった。
茨城の順位は12年の46位を上回り過去最高。魅力度を示す点数の19年比の上昇幅は長野県と石川県に次ぎ、沖縄県と並ぶ高さだった。
(2020.10.14 日経新聞電子版より引用)

調べてみたところ、県公認としてVtuberを設定しているは先駆者の茨城(茨ひより)と岩手(岩手さちこ)だけの模様。でもこれは、他の県としてはこのジャンルで競争しようとは思えない完成度ですよ……! ノウハウの蓄積と上記引用部にも記載した実績が圧倒的すぎる……!
茨城県庁にあっても、これらいばキラTVの動画は流れており、「押し」と「推し」が県全体から伝わる優良チャンネルです。

しっかり掴んだ他県が追随できないコンテンツの結晶。茨城県にはこれからも、この路線でフラグシップとなり、下馬評をさらに覆してほしいと願ってやみません。

いずれいっぱい記事を書いた暁にでも、コーヒーでもおごってやってください……!