ゆるふわ狂いレビュー特別編:MISSION 01(前編)


MISSION 01。
あのVISIONからリリースされた実験的(つまりは地獄みたいなやつ)ドラムンベースを中心としたコンピレーションです。
もうこのコンセプト自体がもるふめっちゃ好きなやつなので、この機会に全曲レビューをしようと思います。The All Attractingが全く咀嚼出来なかった代わりにこっちとちょっと対話が可能になったとかそういう理由だったりもします。

Spotifyだとイントロとmixが聴けるのでそちらもオマケで。

mixとイントロ除いても23曲あるので、前後編に分けてお送りします。もるふしんじゃうからね。

1:Promise It'll Never Be The Same - Mono/Poly
開幕からメチャクチャ重い。MISSION 01が全く容赦しないタイプのコンピレーションである事をまざまざと見せつけてくるメチャクチャヘビーなトラック。
心配になるリズムの刻みとローテンション過ぎるラップボーカル、終盤に鳴らされるサイレンで不穏さをガンガンに叩きつけてきます。
気づいたら一生ぐるぐる聴いてるタイプの曲なのでまた怖い。

2:Ether - Nickbee&Deerhill
1曲目から打って変わって疾走感のあるドラムンベース。綺麗なのにどこか焦燥感に駆られるような雰囲気がかなり好きです。
幻想的なのに現実的なような響きがとても良。
エモいけどガチャガチャしてないのでこの曲もうっかりぐるぐるリピートしてしまいがち。

3:Inflict - Monuman
一般的にこれを上げ落としと言います。
重すぎて瘴気が見えそうな空気感、グロテスクなベース、遠くから聴こえてくるボイスがSAN値を削ってきます。
妙に籠もってる感じのキック/スネアがまた良い…

4:Barnacles - Levela
メチャクチャシリアスなドラムンベース。
狭い路地裏だとか入り組んだ場所で追いかけ回されてるような雰囲気があります。
派手なメロディとかはありませんが、すっごい映画音楽的な印象を受ける曲だなと思っています。執拗に裏で鳴らされ続けるサブベースと無機質なフレーバーのスネアがまた良すぎる。

5:The Mist - Skylark&Exept
イントロやブレイクの水音が精神にクるドラムンベース。
霧の向こうから聴こえてくるような音が映画の方のミストとかを(勝手に)想起してしまって非常に嫌。重苦しい曲が続いて胃が痛くなってきた人もいるのでは(?)
しっかりドラムンベースなのに最終的にマジで誰もいなくなるタイプの後味最悪ホラー映画的な雰囲気があるので不思議。疾走感と先の見えない恐怖は両立する…

6:Noir - Teddy Killerz
ビートの軽快さと無機質的なクールさが両立したドラムンベース。
耳に馴染むが決してキャッチーとは言い切れない絶妙なバランス。減ったSAN値を回復するチャンスです(ちょっとベースがエゲツない音出してますが)
ニューロファンク的なスネアからブレイクを挟んでクラップ(フィンガースナップ)風味の音になる面白いギミックがあります。
ベースの雰囲気もガラッと変わるので二面性が凄い。

7:DARKSKYY - DJ Ride
うわあ急にとっつきにくくなったぞ……

これJuke/Footworkか!?って言いたくなるリズムとパーカッション、しかし確かに唸るベースがこれがドラムンベースである事をしっかり認識させてきます。そうだこれ普通のコンピじゃないんだった…
執拗に叩き鳴らされるスネアやレイヴ的キックが超絶良い。
もるふ一方的に相手が盛り上がるタイプの曲好きだな…

8:Whiplash - Jon Casey&Lanki
Riddim的な要素を感じる曲。ベースの聴きづらさがやべえ!!
キックとスネアはこんなに王道Trap的フレーバーなのになんだこの地獄みたいなベースは…良いね…
まさにむち打ちのような衝撃。穏やかに狂っているとはまさにこの曲の事かもしれない……

9:Caesium - Annix
この曲もニューロなスネアとフィンガースナップ的サウンドを行き来する展開。往復するので二面性というよりはオンオフと言った感じ。
全体的にシリアスなドラムンベースですが、ニューロスネアパートで聴ける3連のキメがちょっとキャッチーな印象で面白い。
割とこの中では王道っぽいなと思います。初心者にオススメ(本当にか?)

10:Preamble - Icicle&IMANU
出たな4つ打ちドラムンベース!!

何言ってんだこいつってワードですけど、聴いてみると4つ打ちドラムンベースとしか形容出来ないんですよ。IMANU本人のコメントによると「インダストリアルテクノとテックドラムンベース」のミックス的アプローチらしいです。なのでドラムンベース。
気づいたら踊り狂っていた、みたいな事になりそうなほどにただひたすらビートを叩きつけてくる曲。デカめのハイハットと深いキックが健康に良すぎる。

11:CANCELLED - Buunshin
YOU ARE CANCELLED.
これまたJuke/Footwork的なリズムを感じる曲。ただしこっちはより雰囲気がドラムンベースに寄っている方。高速ハイハットとスネア代わりに使われるクラップが気持ち良い。
Buunshin特有の重苦しく無機質な雰囲気が本当に良すぎる。mixでも猛威を奮っているので是非。

12:Volucite - The Outsiders
ここまででSAN値がなくなった皆さん、ここが回復ポイントです。
浮遊感と透明感が心地よいドラムンベース。
青空のようでもあり、夜空のようでもあり、いや飛んでると思い込んでるけどここは海の底だったかもしれない。
Voluciteはどうやらあの「飛行石」の英訳っぽいですが、果たしてどこを飛んでいるのやら。
綺麗で幻想的なドラムンベース聴くとポエマーになってしまって良くない(?)

さて、ここまでで前編が終了しました。
後編からはよりMISSION 01の深淵へと沈んでいきます。
ここからが本当の地獄だ……

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