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"カスタマーサポートチームだからこそ出せる価値"を焦点に作ったミッションの話。

これはCS HACKアドベントカレンダー 16日目の記事です🎄昨日は、同じEventHubでカスタマーサクセスマネージャーを担当している田母神たもがみCSと開発 橋渡しのススメ!でした!こちらもぜひ⭐

はじめまして、EventHubでカスタマーサポートをしている諸岡もろおかと申します。

2021年2月にカスタマーサポートとして入社してからサポートチームの立ち上げを行い、2023年12月からは新しいメンバーを迎えて、4名体制でカスタマーサポートチームを運営しています。

私の自己紹介をさせていただきますと、入社以降カスタマーサポートの立ち上げを行いながら、BizOpsチームの立ち上げを行い、現在はプロダクト開発に携わっているという経歴を持っています。入社当初からカスタマーサポート業務には深く関わっており、今日は昨年作った"サポートチームのミッション"についてお話ししようと思います。

まず、EventHubとは…

(オンラインイベントのイベントページ例)

EventHubは、オンラインウェビナーやカンファレンス、オフラインイベントなどのイベントを開催するためのプラットフォームを開発しているSaaS企業です。現在50名ほどの規模で、去年 シリーズAにて6.5億円の資金調達を実施し、累計調達額が10億円突破いたしました。THE MODELを採用しており、ビジネスサイドはMarketing > Inside Sales > Field Sales > Customer Success > Customer Supportというチーム分けでお客様の支援しています。他にも、Event Produceというチームがあり、イベントのプロであるプロデューサーが、お客様の大きなカンファレンスを0から作りあげたりもしています。

カスタマーサポートの存在意義、価値を考えた

2021年に入社してからしばらくは私1人でカスタマーサポートチームを運営していたのもあり、ミッションを作るのは2人目のチームメンバーを迎えてからの、去年のことでした。

私は、入社当初からカスタマーサポートチームを"価値を生み出せるチーム"にして行きたいと考えており、常日頃から「他のチームにはない、サポートチームの専門性とは何か」を模索してきました。

カスタマーサクセスチームと業務領域が一部重なる部分はありますが、「この分野はサポートチームに任せたい」というような専門領域を作り出すことで、カスタマーサポートという職種の価値・存在意義を生み出し、市場価値を上げたいという思いがあります。

カスタマーサポートチームが日頃向き合う業務は、"問い合わせの対応"と"ヘルプページの構築"ですが、このメインの業務を突き詰めたからこそ生み出せる新しい視点やアイディアも持ち合わせています。この新しいアイディアを、親和性のある業務で更にOutPutすることができれば、カスタマーサポートチームとしての価値が生み出せるのではないかと感じました。

"カスタマーサポートチームだからこそ出せる価値"を焦点に、作ったミッションがこちらです。

3つのステージについて、1つずつ詳細を言語化していこうと思います。

その前に…

その前に、ピラミッドなのはなぁぜなぁぜ?🥺
FRUITS ZIPPERフルーツジッパー櫻井優衣さくらいゆいちゃん風)

カスタマーサポートチームの目指す世界を創るために、ピラミッド型にして以下の3つのステージに分けました。

③ ナレッジベース
② セルフラーニング
① プロダクト改善

この3つのミッションは、土台である①プロダクト改善のサイクルができていないと②セルフラーニング領域を構築することができませんし、②セルフラーニング領域を構築できていて初めて③ナレッジベースが作れる、ということを表しています。

それでは、お待たせしました。1つずつご紹介していきたいと思います。

① プロダクト改善

- プロダクトをなめらかにする - 

まず、私がカスタマーサポートをやっていく上で一番重要なマインドだと思っているのが「プロダクトをよくしていきたい」という気持ち。

SaaSのカスタマーサポートは、製品の不便なところがどんどん改善されていくので、それに応じて問い合わせが来なくなる(正確には問い合わせ内容が現状のプロダクトの仕様で移り変わる)性質を持っています。

カスタマーサポートチームは、日々お客様から「チャット」でお問い合わせをいただきます。フィールドセールスであれば契約前の新規商談で、カスタマーサクセスであれば契約後の支援MTGでお客様とやり取りを行いますが、カスタマーサポートは対面での対応は行いません

これはどういうことかと言うと、サポートチームには「日々プロダクトを触っているお客様だからこそ気付くちょっとした不都合や、わざわざMTGで取り上げるまでもない不満点、次回プロダクトを解約するかの決め手になるほどでもないけど使いづらいポイント」などといった声が多く届くのです。

「失注・解約理由につながる機能改善の提案」は他のプロフェッショナルなチームにお任せし、「ちょっとした使いづらい部分の機能改善提案」を、"問い合わせ件数X件"のようにデータに基づき提案ができるのがカスタマーサポートチームの武器。それをプロダクトチームに発信していくことが価値だと考えています。

この、「使いづらい部分のないプロダクト」を「なめらかなプロダクト」という言葉で表現しました。

問い合わせが発生する本質的な課題を模索していくと、意外とプロダクトの文言を修正するだけで解決する場合もあります。サポートチームではUXライティングに取り組んでおり、文言を考え→GitHubからプロダクトの文言を修正していく。このUXライティング業務でもお問い合わせが発生する本質的な課題に向き合い、「プロダクトをなめらかにする」という意識で取り組んでいます。

"今"来た問い合わせに対して解決に導くのは当然ですが、問い合わせの本質的な課題を常に模索し、プロダクト改善を重ねて直感的なUI/UXを目指す。
「なめらかなプロダクト」を目指すための取り組みには、サポートチームの日々の問い合わせ対応から生み出せる機能改善提案が重要だと考えています。

ただ、サポートチームが「プロダクトをもっと良くして行きたい!!!」と思って提案していても、実際に「開発」してもらえなければ、提案するモチベーションが上がりません。

お客様のためになるだけでなく、チームの存在意義を尊重する意味でも、プロダクト開発に取り組んで行きたいものです。2023年に、私はエンジニアに挑戦しはじめたので、サポートチームから出る改善案のアイディアをもとに、多くの機能を開発していきたいと考えています。

② セルフラーニング 

- セルフラーニングができる環境を構築する -

①プロダクト改善のマインドをセットし、提案 ⇨ 改善のサイクルができたら次は「②セルフラーニングができる環境を構築する」フェーズです。

弊社では主にヘルプページの構築のことを指しています。

一般的に、ヘルプページもしくはFAQは「トラブルが発生した時に解決に導くページ」と認識されていますが、弊社のサポートチームではヘルプページを「セルフラーニングができるプラットフォーム」として位置付けています。

機能説明や操作手順、トラブルシューティングだけでなく、初心者向けのスターターガイド、リリースノートなどのような、「誰でもプロダクトの最新情報を確認することができ、誰でも自己学習を進めてプロダクトの活用方法を知ることができるWebサイト」のような世界観です。

これは、①プロダクト改善 が実現できている状態であるのを前提に取り組むミッションだと考えています。プロダクトを改善しないことには、いくらセルフラーニングの環境を構築しようにも、「使いづらさ」や「不満」「問い合わせ」は無くならないからです。

ヘルプページにどのようなコンテンツを、どのような文章構成で、どのくらいの粒度で、どこに配置して掲載するのか。このNoteでは構築のノウハウを記述しませんが、構築していく上で非常に多くのことを考える必要があります。しかし、全てのコンテンツに共通して言える重要なポイントは「初めてEventHubを使うお客様にも理解ができ、セルフラーニングができるコンテンツかどうかを問う」ということです。

単純な機能説明やトラブルシューティングのページにならないように、お客様だけでなく社員にも活用してもらえるプラットフォームを目指している結果、現時点では社内・社外問わずとても良いFeedBackをいただいています。

社内の皆さんがサポートチームにお客様の声をFeedBackをしてくれます🎀
嬉しいので全部ブックマークして残している。

ご覧いただいてわかる通り、ヘルプページの品質を上げることでお客様自身で多くの問題を解決することができるので、問い合わせ対応のリソースを限りなく減らし、プロダクト改善やヘルプページ構築業務に注力することができます。
そして、ヘルプページのコンテンツが充実すればするほど、チャットに来るお問い合わせは「ヘルプページに掲載されていなくて分からなかったので教えてください」というように難易度が高くなっていきます。現在、EventHubのカスタマーサポートメンバーは、型化するのが難しいお問い合わせ対応に格闘しています。これぞ、カスタマーサポートの存在意義。

③ ナレッジベース

 - プロダクトのナレッジベースを構築する -

①プロダクト改善のサイクルが周り、②セルフラーニングの構築がある程度進むと、プロダクトの"利用方法"や"仕様"は蓄積されていきますが、"活用方法"はまだ提供できていない状態です。

②セルフラーニングの時点では、お客様全体に共通して伝えるべき内容を記事にしますが、③ナレッジベースでは、個別の形式に対して生み出される活用術や、弊社がイベントを支援する上で蓄積してきた秘伝のタレをコンテンツ化するフェーズです。

例えば。

Aという機能の説明のページ、Bという機能の説明のページをそれぞれ作成することは②セルフラーニングで終わらせ、「AとBの機能を比較すると、それぞれの機能にどのようなメリット・デメリットがあるのか」という視点のコンテンツを③ナレッジベースで構築していく。このコンテンツを読むことで、お客様自身でAにするかBにするかの判断をしてもらうことができます。

Cという機能の操作手順や注意事項のページを作成することは②セルフラーニングで終わらせ、「成果をあげるためにはC機能をどう活用すると良いのか」という視点のコンテンツを③ナレッジベースで構築していく。このコンテンツを読むことで、機能をただ"使う"のではなく、効果を最大限にしながら"活用する"ことができます。

こんなイメージでコンテンツ制作をしていくので、最後のフェーズは「ナレッジベース(knowledge base)を構築する」としました。

このフェーズは、深いドメイン知識や経験値を持っている必要があり、生み出すには非常に難易度が高いため、直接顧客と接点のあるカスタマーサクセスチームと協力して構築していく必要があります。

ただし、②セルフラーニングの章で、ヘルプページのコンテンツが充実してくると難易度の高い問い合わせが増えて来るとお伝えしました。難易度の高い問い合わせというのは、ある特定の状況での活用術に関する質問だったり経験がないと解が出せない課題に関する質問だったりするので、③ナレッジベースで作成したコンテンツが問い合わせ対応に役立つ…というサイクルが出来上がるのです。

それに、機能について単に問い合わせしただけなのに、活用術まで教えてもらえたら嬉しいですよね。

現在は、まだ道半ばなので構築途中ではありますが、私たちが検証を重ねて蓄積してきたイベントを成功に導くナレッジの一部をご紹介します。

イベントプラットフォームを開発している私たちだからこそ見えているノウハウやナレッジを提供することで、EventHubというプロダクトを導入する付加価値を提供していければと考えています。

さて、2024年はこのミッションで行きます!

現状抱えている課題やビジネスの性質に合わせて、カスタマーサポートでも掲げるミッションには会社によって違いがあると思いますが、EventHubのカスタマーサポートは2024年、このミッションを掲げて取り組もうと考えています。

今回、CS HACKのアドベントカレンダーは何をテーマに書こう…と悩んでいたところ、以下の半年前にポストしたカスタマーサポートのミッションについて解説してほしいというお声をいただきました。テーマに悩んでいたので助かりました✍️
参考になるかどうかは分かりませんが、共感していただけたらぜひいいね♡押していただけると励みになります😊

海外チームのメンバーも増えたので、2024年はこのミッションに加えて、日英ヘルプページの構築や海外サポートの構築も控えています。EventHubでは、各ポジションの採用活動を強化しているので、
\ ご興味がある方はぜひご連絡ください!/⭐️


・・・将来的には人間が作り出したこのヘルプページ上の内容をラーニングさせて、ChatGPTくんが問い合わせ対応してくれればな〜なんて個人的に思っています。手軽にそんなことができる時代、早く来ないかなぁ〜 (ボヤキ


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