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新体操のこと①

小学1年生から新体操を習っていた。

月刊新体操的な雑誌が廃刊されるか、その前後だったと思う。ぴっぴらちゃんは、どの新体操選手が好き?と、クラブのお姉さんに聞かれた。

カバエバかな。

絶対的女王、驚異的な柔軟性。カバエバ姉さん一択だった私はそう答えた。ウクライナで好きな選手は?

もちろん、ベッソノワ。

じゃあ、その2人の違いは分かる?当時8歳の私に、5年生のお姉さんは教えてくれた。ロシアはD1、D2ともに正確で高難度。(そのときの申告書にD1、D2とかあったは少々曖昧だが)ウクライナは他称正確性に欠ける(イメージ)。だから勝てない。でも、魅せる演技、感情がこもってるんだよ。

このときはよく分からなかった。が、2004年のイオンカップで私は衝撃を受ける。

ポニーテールかお団子頭がデフォルトのフロアの上には、コーンロウ(ドレッドみたいな編み込み)の選手。黄色と黒のシマシマのリボン。曲は、熊蜂の飛行。そう、彼女の名は、ナタリア・ゴデュンコ。

度肝を抜かれた。

難度は多少不正確なところも見受けられるが、ダイナミックかつ機敏、とにかく早い。ラストは4回転前転の足キャッチ。ビデオテープが擦り切れるまで見た。

それは、以降の私の新体操に対する考え方に大きく影響を与えることになった。結果を出すことはもちろんだが、パフォーマンス、体育館を沸かせる演技をしたいと思うようになった。

選曲、振り付けは自分で考え、高校になってからはパソコンを使って、自分で曲の編集までするようになった。

新体操は曲芸だよね、と新体操を知らない人に言われたことがある。あくまでも曲芸なのはD難度やマステリー(まだあるんかな?)の部分であって、その中にその曲の背景とか、例えばそれが映画のサントラであれば、その中の女優になりきること。それが、演技だと私は思う。

個人名をあげればキリがないが、順位云々ではなく、この子は曲を理解して演技していて、会場の空気を全部持っていってるなっていう演技が見れたときは嬉しいし、自分がそういう演技をできたときは嬉しかった。

そこが、新体操の醍醐味だな、と私は思う。

話を戻そう。数年前のゴデュンコのインスタグラムに、リボンを投げて4回転前転して取る動画が上がっている。そのときのゴデュンコは確か30歳を過ぎていた。私にもまだ出来るかな?と思いながら、家で前方転回の練習をしているところである(笑)

(※2022以前に書いたものです)4回転前転は、正直今のルールだと大きな加点にはならない。ただ、見せ場としては最高である。そもそも、手具を投げ3回前転して取ることが、難しいので多くの選手はしない。ハイリスクハイリターン。それならシェネ2回、1回前転の方が同じ3回転でも縦軸、高さ変更の加点があるので、そうする。私もそうだった。てか、投げて3回前転してキャッチとか出来なかった。

私の後輩に、投げて3回転前転を演技に入れている子がいた。ハイリスクハイリターン。ただ、見せ場としては最高だった。

そういう選手の演技を見たいなぁと思う、今日この頃である。

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