師 茂樹 (Moro Shigeki)

『論理と歴史: 東アジア仏教論理学の形成と展開』『『大乗五蘊論』を読む』『最澄と徳一:…

師 茂樹 (Moro Shigeki)

『論理と歴史: 東アジア仏教論理学の形成と展開』『『大乗五蘊論』を読む』『最澄と徳一: 仏教史上最大の対決』

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『道訓』の典拠と思想的背景

(以下の文章は、花園大学少林寺拳法部OB会の会報『花大拳報』2011年秋号に載せたエッセイを改稿したものである。) 『道訓』については、以前から道教経典『関聖帝君覚世真経』との共通性が指摘されてきたようです(私はインターネットの某掲示板でこの経典について知りましたが、ある道院長さんからも同じ情報を聞きましたので、それなりに知られていることではないかと思います)。 『関聖帝君覚世真経』は、明清時代に成立した善書あるいは勧善書とよばれる文献群を代表するものの一つです。関聖帝君

    • 末木文美士『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生き抜く仏教と神智学の智慧』(朝日新聞出版、二〇二二年一月)

      ※ 『比較思想研究』(49), 156-157, 2023に掲載された紹介文を転載します。 「願わくば、軽小な今日の文化と正反対な本書に食らいついてくださる読者が一人でも多からんことを」(「あとがき」)という挑発に見られるように、本書は「西洋」的な合理主義、普遍主義に染まった我々読者、そして我々の社会に対する挑戦状である。 本書の特に前半では、かなりの紙幅を割いて、筆者(末木氏)の「西洋近代」理解やその哲学的・思想的背景、日本における「西洋近代」の受容、そしてそれが崩壊し

    『道訓』の典拠と思想的背景

    • 末木文美士『死者と霊性の哲学 ポスト近代を生き抜く仏教と神智学の智慧』(朝日新聞出版、二〇二二年一月)