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諸星大二郎ファンにおすすめしたい博物館5選

博物館に行って知的欲求も満たしたい! ついでに諸星大二郎的要素があればとっても嬉しい! って人は多くいるはず。そんな人にお勧めしたい素敵な博物館を書き連ねていきたいと思います。順不同。なお各情報は記事執筆時のものですので、訪問される場合はご自身でご確認をお願いします。

1. 国立民族学博物館(大阪府吹田市)

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とってもおすすめ! 万博公園内にあります。通称は「みんぱく」。

おすすめポイント

パプアニューギニアの仮面や武具が多数展示されている。「マッドメン」の世界を探求できる! コドワよおまえは大きなまちがいを犯した!!

② 全世界および日本の民族学資料が大量に展示されている。もうすごい量である。カラハリ砂漠の植生などもある。「ダオナン」ファンも満足できる。電子ガイドは無料貸し出しなので借りることをお勧めする。興味のある地域をとことん深掘りするもよし、全域を一通り回って比較文化的な楽しみ方をするもよし。

③ 日本コーナーでは全国の来訪神や虫送りの藁人形などが所狭しと並んでいる。「妖怪ハンター」で見たものばっかりということはなく、初めて見るものも多く、見入るはず。

④ 本館展示は個人使用の写真撮影可。後で見返すと「あ! 孔子暗黒伝で出ていた銅鼓とはここが違う!」などとディープな楽しみ方が可能。

注意点

① 大阪中心部からは微妙に遠い。(梅田から約50分)

② 本館展示が膨大・広大すぎて、一日では心行くまで鑑賞しきれない。順路通りいくと、日本コーナーは最終ホール。疲れやら閉館時間やらが容赦なく襲う!

〔Link〕国立民族学博物館
(こくりつみんぞくがくはくぶつかん、National Museum of Ethnology)
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〔補足〕
直接足を運ばなくても、本館展示が「バーチャルミュージアム」として公開されている。楽しい。

2. 泉屋博古館(京都市左京区鹿ヶ谷)

常設の「青銅器館」が見ごたえ抜群です。ありがとう住友コレクション。東山のふもと、閑静なところにあります。

おすすめポイント

饕餮文の刻まれた商周時代の青銅器が大量に展示されている。「孔子暗黒伝」「太公望伝」好きにはたまらない。レア物も多数。すごいよ住友家。

② 秦漢時代以降の青銅器も多く展示されているので見ごたえがある。銅鼓もあるよ。

注意点

・ 青銅器館は通年開館ではない。一年のうち半年ほどしか開いていないので要確認。

〔Link〕泉屋博古館(京都)
(せんおくはくこかん、Sen-Oku Hakukokan Museum)
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〔補足〕
東京に「泉屋博古館分館(東京六本木)」があるが改修工事が2021年末まで行われている。

〔補記:青銅器だとここもおすすめ!〕

奈良国立博物館「青銅器館」…奈良国立博物館の常設展は「なら仏像館」と「青銅器館」がセットでお得! 商周時代の青銅器の名品が並ぶ。仏像は広い時代の名品が立ち並んでいる。馬頭観音も拝める。

島根県立古代出雲歴史博物館…出雲大社に「暗黒神話」聖地巡礼をしたら必ず立ち寄りたい博物館。山陰出土の銅剣などが300点以上展示されている。圧巻。銅鼓もあるよ。

3. 東京国立博物館(台東区上野公園)

言わずと知れたトーハクです。教科書に載ってるレベルの埴輪がごろごろあります。さすが東京。

おすすめポイント

① 「平成館」では縄文土器・土偶・埴輪・青銅器等々、国宝級…というかガチ国宝などが多数展示されている。「東洋館」では中国古代青銅器が数多く展示されているほか、西アジアやインドなどの美術品も多数ある。「西遊妖猿伝」の世界だ!

② 国内の考古資料は広い地域からの出土品がそろっている。地方の博物館ではこうはいかない! 

注意点

① 上で挙げた博物館と比べると混んでいる。

② 構内だけでも多くの館・展示があるので、「特別展と常設展見て、上野に来たついでに国立科学博物館も回って…」とか欲張ると時間配分がきつい。

〔Link〕東京国立博物館
(とうきょうこくりつはくぶつかん、Tokyo National Museum)
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〔補足〕
地中海出土のものもあるから「巨人譚」シリーズもカバーしてる……はず。(次回訪問時はしっかり見たいです)

4. 上淀白鳳の丘展示館(鳥取県米子市)

一般的な見どころとしては「白鳳期(飛鳥時代後期)の古代寺院の金堂内部を原寸大復元」でしょうが、諸星ファン的にはさらに心惹かれるポイントがあります。

おすすめポイント

① 国指定重要文化財の「石馬」が観られる。「暗黒神話」の菊池家のアレですね! 現存する「石馬」は全国で2例のみです。ただし天神垣神社に収められており、見学には事前申込が必要。詳しくは米子市の文化財紹介ページを参照。

② 展示館の復元金堂はすごい。山陰での仏教の受容という視点での学びがある。後醍醐天皇つよい。

③ ボランティアガイドさんじゃなくて本職の職員さんが展示品・石馬さんのガイドをしてくださいました! しかもしかもそのあと「よかったら周りの古墳も見ていきます?」と、向山古墳群のガイドまでして頂いた。300円しか払ってないのにいいんですか。ありがとうございました。 ※筆者が訪問した時の体験談です。その時々の状況によって対応は変わると思いますのでご留意ください。

注意点

① こぢんまりとしているので、目的意識がないと行っても楽しくないかも……。家族連れの場合は注意。(すぐそばに家族向けの施設はある。)

② 石馬さんの拝観や博物館・周辺古墳のガイドは常にしていただけるとは限らない。

〔Link〕上淀白鳳の丘展示館
(かみよどはくほうのおかてんじかん、Kamiyodo Hakuhō-no-Oka Exhibition Hall)
 公式 facebook

〔補足〕
一般のソロ観覧者にもかかわらず懇切丁寧に説明していただいたりで、個人的にはめちゃくちゃ記憶に残っている博物館です。絶対再訪したい! 彼岸花の咲く時期に行きたい。

〔補記:古墳から仏教への変遷だとここもおすすめ!〕

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館…モロ☆味は薄い。「円筒埴輪や家型埴輪ってこんなデカいの!?」って体感できる。大和つよい。古墳時代から都市ができて仏教が広まり…という変遷が学べる。明日香村関連の記事で改めて紹介します。

5. 茅野市尖石縄文考古館(長野県茅野市)

未訪問ですが(すみません)ここを挙げずに終わることはできませんよね。「暗黒神話」「孔子暗黒伝」の聖地でもあり、諏訪の縄文文化を学ぶ上で欠かせない博物館です。「縄文が好きなようじゃね?」って声をかけてくるじいさんがいたら気をつけろ!!

行きたいポイント

① 常設展示で「蛇体把手付深鉢」が出ている。2体の国宝土偶もある。

② 車で30分ほどで諏訪大社に行ける模様。聖地だー!

未訪につき注意点は不明。

〔Link〕茅野市尖石縄文考古館
(ちのしとがりいしじょうもんこうこかん、Togariishi Museum of Jomon Archaeology)
 公式 

〔補足〕
「暗黒神話」聖地巡礼のお供にふさわしいムックがある。『太陽の地図帖 諸星大二郎 『暗黒神話』と 古代史の旅』(別冊太陽 太陽の地図帖 平凡社 2014刊) 』


おわりに(雑記)

・ 大きな博物館は見るのが大変。小さな博物館は行くのが大変。
・ 「聖地巡礼のついでに…」で行きやすい所は出雲と尖石。
・ 青銅器を見ていると目がシパシパしてくるので、単眼鏡(ミュージアムスコープ)を持っていくとよい。
・ 銅鼓は全国各地に収蔵されているが、大きさやディテールは様々なので見比べてみたい。
・ 臨時閉館で行けなくてつらい→ミュージアムショップが通販をしているなら買い支えるべし。「友の会」などで会報を楽しみに待つのも良い。
・ 地方の博物館をもっと推したい→ふるさと納税を受け付けている場合がある。単純に寄付を受け付けている場合もある。寄付する側にも税制優遇(寄付金控除)もあるらしいので有効活用していきたい。
・ 九州は未踏の地のため挙げられず無念。王塚古墳とか、装飾古墳に関連した博物館が複数あるのでいつか、いつか訪問したい。

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