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【本の紹介】どんな話題でもミンユンギに繋げる特殊能力を発揮する

 筆者はARMYである。もちろん軍人ではない。ARMYというのは世界のBTSのファンの公称である。つまりBTSのファンである。それはもうBTSのことが大好きである。

 中でもSUGAことミンユンギのことが好きで好きで好きでたまらなくてそのことをつぶやくだけのSNSアカウントとかも持ってるのだがそれでもまだ足りないのでnoteも書く。ありとあらゆる媒体で「ユンギが好き!!」と発信していく所存であるのでお付き合いいただきたい。


 さて、今回何について語るかというと、私の好きな本についてである。

 前述のSNSアカウントのフォロワー様より、「ぼろこさん(筆者)が好きな本ってどんなのですか? これまでどんな本を読んできたんですか?」と尋ねられたからである。

 たぶんその方はミンユンギについて365日24時間延々と妄言を吐く私について「どうやったらこんなヤベェやつになんのかな?」と心配して聞いてくださったのだと思う。フォロワー様優しい。…いやいや、ただの世間話の一環としてかるーい気持ちで聞いたのに、こんなnoteまで書いてしまってドン引かれてたらどうしよう。この記事の公開直後にフォロワー数が1減っていたらたぶんその方である。

 まあそんなわけで、ちょっとだけ私の好きな本について紹介することにした。

 でもそれだけだとつまらないので私の持つ「どんな話題でもミンユンギに繋げる」という特殊能力を発揮しながら書こうと思う。それなら本には興味ないけどミンユンギには興味あるな~って人も読みやすいでしょ。私もどれだけ興味ない話題でも「ユンギ」って単語が出てきたら食い気味に食いつくもん。分かる分かる。

 前置き長くなるのヨクナイので、早速始めましょう。8冊ほど取り上げますんで、もし興味が湧けばどうぞ、お手に取ってみてください。

 なお、作者様及びミンユンギさんについて、文中ではいずれも敬称略です。

✱✱✱✱✱✱✱✱

① 「春琴抄」  谷崎潤一郎

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 まずは近代文学編。

 ご存知ない方のために、読み方は「しゅんきんしょう」です。タイトルがもう美しい。

 盲目の美人(春琴ちゃん)と、彼に仕える使用人(サスケくん)との愛の物語です。あるとき、春琴ちゃんは何者かによってその美貌を傷つけられてしまう。そのとき、彼女を心から愛するサスケくんが取った行動は…………ネタバレはしません(超有名な作品なのでググったらすぐ出てきちゃうとは思いますが)。

 文章のリズムが独特なのですが、短いので読むのに時間はかからないと思います。あとちょっとグロい痛い展開なのでそういうのが嫌いな人はスルーして下さい。でもそこだけ読み飛ばしたとしても読んでいただく価値はあると思います。

 さて、目が見えない…といえば目隠しされてるミンユンギですよね(特殊能力発揮のターンです)。

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 これだよねー!! 大吹打だよね!! これ黒髪の爆イケユンギが目隠しされてる上に手も縛られててしかも不敵に笑うっていう性癖大満足詰め合わせセットなわけだけど、みんなこれを最初に見たときってどうだった? 自分の妄想かな? って思わなかった? ちなみにこの人が目隠し外すとどうなるか分かります?

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 ヒエッかっこいい! あーこれは世界で一番かっこいいね! 大好き! ミンユンギが出てくるとIQ一気に下がるし語彙もどっか行くんだ! これじゃどうにもなんないから大吹打MV見てから次の本行きますね!


② 「こころ」  夏目漱石

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 これまた教科書にも載ってるド王道をもってきたわけだけど、好きなんです…好き過ぎて同じ内容なのに装丁違いで複数冊持ってました。

 「お嬢さん」を巡る二人の男性(友人同士)の話です。一方が抜け駆けしちゃうんだよね…そのことで友人を失う(本当に絶対的な意味で失う)のです。

 そのときの描写がこちら。

『もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬間に私の前に横たわる全生涯を物凄(ものすご)く照らしました。そうして私はがたがた顫(ふる)え出したのです。』

 いいね…こんな文章一生に一回くらい書いてみたいな…。「夏目漱石? ああ、昔の千円札の人か…」くらいしか印象がない方でも、「こころ」は割と読みやすい方じゃないかなと思います。三角関係の切なさ、苦しい恋心、つい魔が差してしまったときの心の揺らぎなんかの描写が天下一品です。

 ミンユンギ特殊能力を発揮すると、前述の抜け駆けしちゃう男性、「先生」って呼ばれてるんですよね。別に教師ではないんですけどね。で、この「先生」、実写化するなら是非ミンユンギにやってもらいたいんです。似合うと思うんですよね…優しくて面倒見がよさそうなんだけど実はかなり厭世的で色んなことに絶望してる人の役。あ、その場合「先生」の奥さん役は私がやりますんでよろしくお願いしますね。「御嬢さんを私に下さい」「下さい、是非下さい」「私の妻として是非下さい」(本文より抜粋)って言われてニヤニヤしたいと思いますので。


③ 「孤島の鬼」 江戸川乱歩

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 これは江戸川乱歩なので一応ミステリーです。でもミステリー的要素より、人間同士の愛憎劇の方が印象に残る一作だと思います。

 初めて読んだとき、あらゆる面で衝撃的すぎて夢に出てきました。なんの夢とも言いがたいような夢だけど、この物語の夢だということは明白に分かるような夢。すでに何回も読み直しているのですが、最後の一文で毎回泣いています。

 こんなあらすじ紹介にもなってない感想ばかりで申し訳ないのですが、どうあらすじを紹介したらいいのか分からないのでそれは皆さんに各々検索していただくとして(無責任ですみません)、早々に特殊能力の方に移ります。

 江戸川乱歩の代表作といえば探偵の明智小五郎が出てくるシリーズですが(江戸川乱歩傑作集みたいな短編集が出てます。こちらも超オススメ)、ミンユンギに探偵やってほしいです。普段は事務所内で昼寝ばっかりしてる探偵。事件が起こっても「あーまあ警察が何とかするだろ」ってあくびする探偵。だけど、弱者の嘆きの声が聞こえた途端(たとえば子どもが悲しんでるとか、婚約者が失踪したんだけど警察に取り合ってもらえない若い娘さんの話とか)、真実見抜く鋭い眼光と、よろずのことに渡る豊富な知識で事件をあっという間に解決する探偵。ぜひやってほしい。その場合、事務所の電話番で「もーユンギさんたら、依頼人待たせてますよ!」って怒る若い助手の役は私がやりますんでよろしくお願いしますね。


④ 「アヒルと鴨のコインロッカー」 伊坂幸太郎

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 近代文学編は終わりまして、ここから現代のです。

 伊坂幸太郎のミステリーとユーモアとヒューマンドラマのバランスが好きでほぼ全作読んでるんですが(最近のはまだ読めてないのがある…)、なんだかんだ言って一番好きなのはこれかな。

 まず、広辞苑を盗みに本屋に入るっていう導入がすごくよくないですか? なんで広辞苑?って。真相がわかるシーンで、超気持ちよく裏切られます。

 映画化もされててそれもとてもよいので、そちらからご覧になってもいいと思います。

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 濱田岳さんと瑛太さん(当時はまだ苗字なしで瑛太って名乗ってたよね)が抜群に似合ってますし、特に瑛太さんは、この役は瑛太さんでなければいけなかったなと思えると思います。

 ところで伊坂幸太郎の作品って泥棒とか詐欺師とか強盗とか犯罪者がよく出てくるんですけど、どれも愛すべきキャラクターなんですよね。ミンユンギに犯罪者の役やってもらいたいんですけど、できればシーグリの天才ハッカージンくんと組んでもらって、足がつきそうになったときにジンくんを守るためにわざと捕まるシーンとかやってもらいたいです。

 場面は夜。手錠をされたユンギが、パトカーに向かって歩き出したところをジンくんが悲痛な声で呼び止めます。それに半分だけ振り返ったユンギの悲しげな笑顔がパトランプに照らされてエンドロールです。その場合、「あの人は…ジンさんのこと守れて本望だったと思うわ…」って後日ジンくんのもとを現れて泣き崩れるユンギの恋人役は私がやりますんでよろしくお願いします。


⑤ 「楽園のカンヴァス」 原田マハ

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 これもミステリーです。ミステリー好きなので多くなってすみません。でも人は死なないですし、ミステリーではあるのですがぜひアート好きな方に読んでいただきたい! ナムペン様はぜひ! ナムさんもきっと読んでるから!(嘘です)

 表紙の絵は、アンリ・ルソーの「夢」という絵画です。この作品に隠された謎を解いていく話なのですが、「ルソー? 知らんな」という方でも全く問題ありません! ルソー以外のビッグネームな画家も出てきますし、読み始めるときは知らなかったルソーについて、読了後は「ルソー…昔から好きだったの…」って気持ちになれていることを保証します。作者の方が学芸員をされてたんですよね(美術館なんかの展示室の隅に座ってる方が学芸員さんです。美術館・博物館のプロ)。アートに詳しいはずです。

 特殊能力はね、これ悩んだんですけどねー、画家のミンユンギにするか学芸員のミンユンギにするか…。まあオーソドックスに画家で行きましょう。

 ユンギ画家には油絵を描いていただきたい。静物とか人物とかではなく、自分の内面を全部ぶつけたような抽象画。何描いてるのか全く分からない、不思議な模様、色彩、筆のタッチ。めちゃくちゃ大きいカンヴァスにね。何描いてるか分かんないけど作品数多くないし熱狂的なファンがついてて、作品は常に高値で取り引されててほしい。

 そんでその場合、「あなた、時々は休憩なさって」ってアトリエに顔を出すはいいが、ゾーンに入っちゃってるユンギには聞こえてなくて「…まったく仕方ない人ね」って食事だけそこに置いて退室する奥様の役は私がやりますんでよろしくお願いします。


⑥ 「何者」 朝井リョウ

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 これはミステリーではないです。

 が、ミステリーと同じくらいの「そういうことだったの…!?」という衝撃を味わえるという不思議な一作です。

 表紙で分かるかもしれませんが、就活の話です。就活なんていう単語聞いただけで吐きそうですよね分かります。内容を読むともっと吐きそうになります。二十歳前後の人間が抱きがちな自己意識。「こうありたい自分」と、それを容赦なく打ちのめしてくる現実。ヒリヒリつらい読後感です。

 でもオススメします。ただ本を読むことが好きなだけだった私が「自分で文章を書く」ということに興味を持ったのは、朝井リョウの作品を読んだことがきっかけなんです。こんな風に物事を描写したり、読者をあっと言わせることができたらすごいなあと思って書き始めました(言うまでもなく、朝井リョウとは比べ物になりません)。

 ちょっと個人的な話に脱線してしまいましたが特殊能力のターンです。

 ミンユンギに、OB訪問したい。したい。したい!

 ミンユンギがOBってだけで大変いいんですけど、スーツ姿で社員証下げてるユンギ最高じゃないですか。いやいやジャケットはなしでYシャツ腕まくりもいいですね。胸ポケットにはボールペンさしてて、でもいざ書こうとすると「あれ? これインク出ないじゃん…」ってぼやきながら紙の上でグルグル〜してる様子見たい! 「ま、社会人なんてこんなもんだから。緊張しなくていいから」って微笑んでくれるミンユンギさんがいらっしゃるならもう永久就職しますミンユンギさんに。


⑦ 「夏の庭」 湯本香樹実

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 穏やかなのも紹介します。これは児童文学寄りかな?

 「死んでる人を見てみたい」という理由で近所の老人を見張ることにした小学生3人の夏休みの話です…っていうあらすじを書くと、それ穏やかなんですか? という感じもしますが穏やかです。なぜならその老人と小学生たちの間には不思議な友情が芽生えるからです。この様子がとてもいいんです。

 また、小学生たちがそれぞれ自分の家、親(結構ディープな事情)について悩みを抱えているシーンも出てくるので、ただのほのぼのじゃないところも好きです。この頃って自分の人生を自分でどうかすることすらできなくて、目の前の世界がすべてだったよな…って切ない気持ちになれます。

 しんみりしてしまいましたが、特殊能力です。3人組といえば我らがマンネラインですよね。マンネライン3人+ヒョンライン1人っていう組み合わせがそもそもすごく好きなのですが、中でもマンネラインを面倒くさがりながらも結局甘やかしてしまうミンユンギがとても好きです。ああいうとき本当にお兄ちゃんですよね…でもジンくんに対してだけはちゃんと弟になりますし、ミンユンギがバンタンの次男で本当によかったなと一日に10回くらいは思ってます。


⑧ 「新世界より」 貴志祐介

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 これはねえ…紹介するかちょっと迷ったんです。長めだし(まあまあ厚い文庫で全3巻)、ファンタジーだし(でもキラキラした感じは薄め)、戦闘のシーンも長くてどうかな…というところはあるんですが、それを差し置いても紹介したいと思うほど好きです。衝撃的すぎて読後何年経っても忘れられないです。

 時は今から1000年後で、人間は「呪力」という超能力を身につけています。主人公早季ちゃんとその仲間4人が、1000年前の文明(つまり私達が生きている今)がなぜ滅びてしまったかを突き止めていくというストーリーです。実に壮大な物語です。

 すごく自分の性癖に偏ったおすすめポイントをあげるとすると、登場人物の「闇落ち」があります。それ関連のシーンが切なくて最高なんですよね。

 ミンユンギ特殊能力はですね…この作者の貴志祐介、初期作の「青の炎」もオススメなんですよ。

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 妹のために犯罪に手を染める高校生男子が主人公なのですが、その頭がキレる感じと、冷静さと、目的のためなら手段を選ばない感じがミンユンギにぴったりなんです。演じてほしいー。その場合、高校の同級生の女子(最後にサービスシーンがあるんだな…)の役はもうぜひ私がやりますし私以外やらせないで下さいよろしくお願いします。

✱✱✱✱✱

 さてこんな感じで8冊(上中下巻のがあるので厳密には違いますが)紹介しました。

 かなり趣味に偏っていて、今から読書を始める人向け! とか、ライトに本を楽しみたい人向け! とかではないかもしれないのですが、どれも深く印象に残っていて、恐らく私が書く文章に影響を与えているものばかりです。

 もしちょっとでも気になったらAmazonなんかであらすじ紹介とかレビューとか見てみて下さい。もし私の特殊能力の方が気になったら、私のSNSをご覧になって下さい。こんなことを延々とつぶやいています。

 ここまでお読みいただきありがとうございました!


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