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【解説】国立博物館特別展の「古代マヤ・アステカ。テオティワカン文明」が楽しみすぎるので予習

はじめに


めくるめくめぐるの世界へようこそ、書店員VTuberの諸星めぐるです。

古代文明って、いいですよね。
みなさんが学校で習ったのはいわゆる四大文明だと思います。
言えますか・・・?諸星はギリギリです。

諸星は世界史と地理はサッパリな分、これは面白いと思ったものにはとことん食指が動く人間です。
今回紹介するのも、そんな古代文明の中から、約紀元前1600年前からスペイン人がやってくるまで、外部から全くの影響を受けずに文明を築いていたのがこのメソアメリカ文明です。
そのため、文明間に共通する文化が数多く存在し、死生観や科学などの独特の情熱を向ける彼らの歴史。
覗いていきましょう。

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ちなみに、メソアメリカ文明の【メソ】はギリシア語を語源とする【中間】を意味する言葉だそうな。
メソポタミア文明はポタミア(=川)の中間という意味。
そして、メソアメリカ文明はアメリカの中間という意味だそうです。
音楽用語のメゾとかもこれなのかな。。。


オルメカ文明


メソアメリカ文明の祖と言われている文明です。
オルメカの意味は「ゴムの国の人々」という意味。
国土はゴムの木の産地であり、アステカ文明の人がそう呼んでいたため付けられた名前である。

存在していたのは、紀元前1200~前400年ごろ。

一番古い都市の名前は「サン・ロレンソ」である。各地にある都市には巨石人頭像(石頭)があった。
有名なめちゃデカ頭は、このオルメカ文明時代のモノである。

さて、この謎の石頭(現存14体)は、個性があり、それぞれが傷をつけられた状態で発見当時は、地中に埋められていたことはご存じだろうか。
さらにこれらは都市の終焉とともに、その呪力をそぐ必要があったとされる。
これはメソアメリカ文明共通の行為らしく、これによりこのオルメカ文明が終焉を迎えたことが分かる。

また、球技に用いたゴムボールが奉納されたこともわかっている(前1500頃)ため、球技は神事であったと考えられている。
当時のゴムボールは中身までみっちりゴムなので、2~3キロ近くあったとされている。なんて重いんだ。
この神事ではサッカーのようにゴールに得点を入れて競うのだが、勝者が生贄にささげられることになっていた。

巨石人頭像:オルメカ・ヘッド!



テオティワカン文明


テオティワカン文明の遺跡は結構そっくり残っている


つづいて、最大規模の権力があったとされる文明。
このテオティワンとは、ナワトル語で「神々の座所」である。
のちにピラミッドなどの遺跡を見つけたアステカ人たちが「巨人と人間が作ったに違いない」と驚いて付けたとされる。
このピラミッド群は自然信仰による山の再現だとされている。
太陽のピラミッドは、世界第3位の大きさだ!
また、このピラミッドの下には洞窟が存在し、洞窟信仰のあったメソアメリカの象徴ともとらえられる。
またこのピラミッドの真上を太陽が最も高くなる日に通過するように正確に計算された都市計画によって建築されているのだ。
なんなんだこのテオティワカン文明は。。。
たぶん、この発掘調査の最新情報を今回の特別展では教えてくれるのではないかと思う!
楽しみ


マヤ文明


じつは、マヤ文明は多くの国家が乱立していたが、文化的には一つの国である。(文字や神、政治形態も同じ)
そのため、言語も多数あり、マヤの神は166人もいるとされる。

一見平和的な文明だったと思われていたが、かなり好戦的な文明で血生臭い歴史がある

一時期有名になったマヤの暦は、実は超絶複雑である。
基本的には365日暦 260日暦 長期暦 と毎日変わる夜の王の名前や月に関する日付けが合わさったものを用いていた。
そのため、日付を書くのも苦労するわけである。
(このほかにも819日暦などもある)

マヤの文字の例

そう、マヤ文明には文字が存在した。
日本のように漢字とひらがなのような文字の差が存在し、音節文字を用いている。
おくり仮名やふりがななんかもある。
難解な・・・

メソアメリカ文明で一番有名なパカル王の墓もこの時代のもの
この乱世の時代に80歳まで大往生した伝説の王様である。

彼の墓は1949年に発見され、中からは水銀朱を振りかけられた遺体が沢山出てきた。
デスマスクとして、ヒスイの仮面が付けられていて、今回のパカル嫁墓の「赤の女王」もこの時代
赤とヒスイの緑というド派手な組み合わせの色使い、ぜひ特別展で見てみたい!!

チチェン・イッツァはマヤ語で「聖なる泉のほとりの水の魔法使い」


アステカ文明


最期のメソアメリカ文明、アステカ文明。
たった95年しか続かなかった超ツヨツヨ文明だ。
滅んだ理由はそう、スペイン人の登場である。

この名前の由来は伝説の地「アストラン」から

死生観が独特なため、生贄・戦死・お産で死んだ人のみが天に行ける。
太陽の船に揺られて4年後には蝶やハチドリとして生まれ変わることを至高としていた。

このアステカ文明では、実は奴隷は惨めな身分ではなく、けっこう気軽に行われる職業的な存在だった。
また、生贄は「外」から持ってきていたので、自国民は安心安全だった。
そんな生贄の儀式はほとんど毎日行われていたぞ!
とってもエグイので、割愛!
生贄に加えて無謀な年貢も存在していたため、近隣の国から相当な恨みを買っていた。

特別展の開催概要はこんな感じ

特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」
会期
2023年6月16日(金)~9月3日(日)
会場
東京国立博物館 平成館
開館時間
午前9時30分~午後5時 

特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」公式HPより

この特別展は福岡会場・大阪会場にも巡回するので、お近くの博物館・美術館でぜひお楽しみください!


参考書籍


本当にメソアメリカ文明大好きで、いろいろな本を参考にさせていただいていますが、まずおすすめなのはこの1冊

古代マヤ・アステカ不可思議大全

ものすごい情報量をほとんど手書きで書かれている絵解き本。
分かりやすさと情熱が混在していて、面白さしかないぞ!

今回はここまで!
まだアステカ文明やマヤ文明の詳細、ほかのメソアメリカ文明について語り足りないので、特別展を見たら別にまとめようと思います!

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