モリゼミデンマーク編を聞いて

モリゼミオープンレクチャー待望の第1回、デンマーク編!
ゼミでの担当テーマはデンマークの民主主義教育であり、大学時代は塾講師として自らの勉強を放棄して(?)教育に時間を捧げてきた私としては、教育の意義とゼミ活動を深めるきっかけが得られる気がして楽しみにしておりました。

1. 民主主義教育の歴史

今から遡ること約150年。ナポレオン戦争での敗戦を経たデンマークは、教育にエネルギーを注ぐことを決断した。さらに、グルントヴィは従順さや古い世代の知恵などを植え付ける「死の学校」ではなく、生きた言葉で対話をし、人生を精一杯生きるための「生のための学校」を重要視し、クリステン・コルがフォルケホイスコーレとして学びの場を確立したという歴史がある、とのこと。

そして、正解ではなく対話を、一方通行ではなく相互に学ぶ平等を重視したその場に、地域住民が結びつき、民主主義教育の基礎が築かれてきたと考えると、長い教育の歴史が今のデンマークの在り方を形作ったのだと言っていいのではないだろうか。

2. 現在のデンマークの在り方に結びつく教育システム

ゼミ活動でデンマークのスマートシティの在り方や、幸福の在り方をインプットしていると、どうしてこの国のあり方が実現したのか、その理由はどこにあるのか、と考えさせられることがあった。
特に、それぞれの個の考え方を尊重し、立場が異なる相手とともに最適解を導き出すことに長けている面について、その下地はどのようにして作られるのかと思っていた。
おそらく、長い教育システムの歴史の中で、立場が異なる相手と生きた言葉で対話を交わし、お互いから学び合うということを、農民をはじめとした全ての国民が当たり前に行ってきた、その成果なのだろう。
エリート教育ではなく、農民を育てることが国を作るとされたらしいが、その方針がまさに今証明されているのかも知れない。

3. デンマークと日本の教育システムとの違い

今回のテーマで取り上げられたものから私見で教育の違いを考えてみると。

デンマークの教育:
個の教育を重要視。教育者は、子供でも個として接し、個を尊重し、個として生きる力を育むことを求める。互いを個として承認、尊重してもらえる空気を作る。
日本の教育:
集団の教育を重要視。教育者は、子どもは集団の中の一人として扱い、集団で生きる力を育むことを求める。空気を読み、その中でしたたか生きること、与えられたテーマで決まった答えを出せるものが承認され、尊敬される。

文化の違い、歴史の違いなど、おそらく背景に要素が沢山あるが、このあたりは現時点で結構ありそうな違いだなと感じた。
そして文化の違い、歴史の違いなど、おそらく背景に沢山の要素があるが、教育の方針を決定してきた意思決定者のリーダーシップもまた重要なのかもしれない、と感じた。

日本は、変わる必要があるか。変える必要があるなら、どこからどうやって変えるのか。変えたいなら、我々は何ができるのか。
この不確実な時代に、増々重要な問いになってくるだろうことを感じさせてくれる、貴重なレクチャーであった。

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