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三十五にして天命を知る

人格形成とは自分の生き方を絶対肯定するという、最高に勇気のいる生涯にわたる仕事である。(カール・ユング)

先月35歳の誕生日を迎えたとき、初めてMBTI性格診断を受けてみたところ、心理学者ユングと同じ『INFJ』の結果が出ました。

私が初めて心理学者に憧れたのは10歳の頃だったのですが、中学に進学したとき兄が統合失調症になり、多感な時期にストレスが激増したことで、感情そのものをなくせるような薬がほしくなるほど悩むようになり、その影響で高校でも大学でも理系を専攻しました。が、結局うまくいかず、自分の適性を見極められないまま20代を終えました。

30代になって、育て親である生涯独身の大叔母(精神科看護師/おそらくINFJ)が亡くなったのをきっかけに、昔知り合った友人(救急医/おそらくINFJ)のことを思い出すようになり、私も性格の特性を活かした仕事についた方が楽に生きていけるのかもしれない、と心機一転、ある通信制大学の臨床心理学科に編入しました。

映画『いしゃ先生』には戦前の山形県に実在した女医(志田周子)の生涯が描かれていますが、国民健康保険がなかった時代に、偏見に晒されながら真摯に村人の見取りをする様子は、現代のセラピストのあるべき姿を象徴しているかのようです。私も今となっては母や祖母が教職でしたし、最初から心理職を目指せばよかったのですが、回り道しながら得た経験を何かの形で活かしながら、残りの人生の中で自分だけの花を咲かせたいと思っています。


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