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「よごれ」とは何かを知りたい

掃除をするたびに、「アルカリ性のよごれには酸性の洗剤を!」などと調べて、ふむふむと納得するのですが、次に使うときには忘れてまた調べてしまいます。

まずは敵を知ろう、ということで、身近にある「よごれ」とはどのような物質か水回りで代表的な3つ「油」「水垢」「カビ、ぬめり」について、調べてみました。

(汚れの落とし方は、また別の記事にする予定です)

落ちにくいよごれの代表といえば、食器や鍋の油汚れですね。

服の黄ばみや黒ずみも、「皮脂」という体を保護するために皮膚から出される油が原因で、洗濯で落ちなかったものがたまってできます。

油の特徴は、水と混ざりにくい。

つまり、水で洗っても落ちにくいということです。そこで、いろいろな洗剤が作られているというわけ。

油汚れは酸性の汚れといわれることもありますが、油自体には酸の性質はありません(油、つまり、高校の化学で習う「油脂」は、グリセロールと脂肪酸のエステル)。

ただし、微生物などの分解によって、脂肪酸が出てくると酸としての性質は示すようになります(皮膚の表面は、脂肪が分解されて出てくる脂肪酸のために弱酸性です)。

ちなみに、常温で固体のものを「脂肪」、液体のものを「油」というそうです。

水垢

水まわりにつく白い汚れを水垢(みずあか)といいます。

水あかは、水に溶けているカルシウムやケイ酸などが原因となってできます。

例えば、水道水がシンクなどに付着したまま放っておくと、水の分子自体は蒸発してしまいますが、水道水に溶けている成分が蒸発できずに残り、その場で溶けにくいものを作ってしまいます

具体的には、炭酸カルシウムや、ケイ酸カルシウムなどです。

水垢とは書きますが、無機物ですので、それ自体不潔というものではありません。

炭酸カルシウム(CaCO3)は、卵のからや、貝殻、サンゴや真珠などを構成します。これらの物質は酸で溶けます。

ケイ酸カルシウム(例えば、Ca2SiO4)は、水を加えたセメントが固まるときにもできるもので、固くて溶けにくいです。

カビ、ぬめり

水回りなどの湿った環境では、そこに残っている油、食べ物、石けんのカスなどをエサにして、微生物が増えてしまいます。

カビは、微生物そのものです。

中でも黒カビは、取りついた素材の中にも菌糸を伸ばすため、表面をこすっただけでは取りづらく、また、再発生しやすくなります。

ぬめりは、微生物と微生物の分泌物の集まりです。

微生物が分泌するぬめり物質は、バイオフィルムとも呼ばれるもので、微生物が生活している場所を守っています。

粘性がある物質を出して、簡単に洗い流されないよう頑張っている状態です。

まとめ

代表的な「よごれ」について、整理してみました。

「油」「水垢」「カビ、ぬめり」、それぞれ特徴的な物質で、対策も考えられそうです。

落とし方をあれこれ想像して楽しくなってきています!

次回は、よごれと洗剤の組み合わせについて、考えてみます。

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