オイルパステルを使い始めたきっかけ《前編》-油彩画に憧れて-
私は今、オイルパステルという画材を使用して作品を作成しています。
今回は使い始めたきっかけ、そしてオイルパステルの魅力について記していこうと思います。
油彩の放つエネルギーへの憧れ
オイルパステルを使い始めたきっかけは、ズバリ『油彩画への憧れ』です。
※「油彩画に憧れてなんでオイルパステルなんw」と、ごもっともなツッコミが飛んできそうですが、とりあえずここはスルーでお願いします。
油彩画のあのゴテッとした厚塗り感と、鮮やかな発色・・・とにかく作品の放つエネルギーは、他の技法と比べて一線を画しています。※個人的な印象です
そして、その憧れをより加速させたのが、たまたまインスタグラムで発見した
Chris Longさんの作品です。
https://www.instagram.com/long_painter/
筆やナイフにとった絵具をそのまま画面に塗り付けたような着彩は、エネルギッシュな印象を与え、それと同時に、空間に独特の浮遊感が演出されています。
厚塗りが特徴的な作品は、過去にもいろいろ見たことはありましたが、彼の作品は私にとって、どこか新しい感覚があり、ただただ感動してしまいました。
結局は“無いものねだり”
オイルパステルに出会うまで、水彩画やペン画を主に作成していました。
水彩独自の美しさに加え、ペンで細かく描き込む作業は、時間を忘れるほど楽しいものです。
ただ、水彩画は透明感のある美しさがある反面、厚塗りはできないので、油彩のような迫力のある作品にはなりません。
もちろんこれは当然のことだし、水彩も油彩も、それぞれの利点や魅力があるため、“どっちが優れているか”なんて比べること自体が野暮なこと。
しかし、たまにはゴテゴテした絵も描いてみたい・・・。
つまるところ、ただの無いものねだり。
毎日うどんやそばだと当然飽きる。
たまにはこってりとしたラーメンが食べたくなる日もある。
それと一緒です。多分。
何かが足りない・・・
全て言い訳とも捉えられてもしょうがないですが、仕事や育児の忙しさや、油彩画の難しさ(過去に少しだけかじった経験あり)も相まって、
「厚塗り感のある絵を描きたい!」
↓
『油彩画を学ぼう!』
とはならず、
とりあえずアクリル絵具を代用してみることにしました。
専門学校時代にアクリル画は多く作成していたので、なつかしさも手伝って、最初は楽しかったです。
そう最初だけは・・・。
何かが足らない。
この不足している“何か”とはなんだ?
なんなんだ、なんなんだ、なんなんだ・・・
答えは割と早く出ました。
それは“新しさ”です。
アクリル絵具は厚塗りができます。
「厚塗り感を出したい」という欲求は満たされます。
しかし刺激が全くありません。
なぜならアクリル絵具は経験済み、いわば“通り過ぎた過去”です。
絵を描くことに新しさ(新しい刺激)を求めていたなんて、自分でも少し驚きでしたが、この時はっきりと自覚しました。
『自分は今まで触れたことのない画材にチャレンジしたいんだ』と。
ここから自分にとっての新しい画材探しの旅がスタートしますが、その旅は実にあっけなく終わりを迎えます。
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