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繊維について

こんにちは。リテールプロダクト営業担当のソノです。

6月は衣替えのタイミングですね。みなさんはもう夏服への入れ替えはお済みですか?制服を着ていた学生時代は、「いつからだっけ?明日から?」なんていう会話が飛び交っていたのですが、大人になると夏服を引っ張り出してクローゼットがパンパンになり、仕方なく衣替えを繰り返しています。

ところで衣替えって日本だけってご存じでしたか?四季がはっきりしている日本ならではの習慣で、平安時代の宮中行事からとも言われているそうです。

私は、腰・膝のサポーターのOEMや資材の販売を担当しています。その中で、生地やテープの素材(繊維)で製品の性質や製造する条件が大きく変わることがあり、日々驚きと学ぶことばかりです。

今回はそんな、繊維についてご紹介していきたいと思います!

Tシャツ1枚つくるのに綿花は〇〇個!

この綿から糸を紡いで布を織って、、、

繊維の種類には、大きく2種類があり、天然繊維と化学繊維に分けられます。
天然繊維は、歴史が古く、約8000年前の新石器時代の遺跡から織物の断片が発掘されていて、この頃には織物が発明されていたとされています。天然繊維の中でも綿や麻などの植物性繊維と絹や羊毛などの動物性繊維に分けられます。
一般的には、自然な風合いで肌触りがよいものが多く、静電気が発生しにくい、吸湿性や通気性に優れているものが多い反面、伸縮やすく、シワになりやすいといった特徴があります。
綿には天然のよじれがあり、糸を紡ぎやすく、柔らい生地からしっかりした生地まで、様々な風合いを生み出せます。また、動物性繊維には弾力性があるものが多く、自然環境の中で生き抜くために過酷な環境にも耐えられる丈夫さや保温性、保湿性に優れています。

自然環境で生き抜くために必要な強さがあります

ちなみに!
Tシャツを1枚作るのに必要な綿花の数は、約100個
シルクのハンカチ1枚に必要な蚕の繭は、約10個
着物になると3000~4000個は必要になるようです。
では、羊1頭分の羊毛(ウール)からセーターは何枚作れるか?



答えは、約5枚だそうです。
羊毛(ウール)はよくセーターに使われますが、特に縮みやすく、虫食いにあいやすい繊維なので、保管の時は防虫剤をお忘れなく。

今や、なくてはならない繊維

化学繊維(合成繊維)は、約140年前に発明され、1938年アメリカデュポン社で初めてナイロンが製品化されました。石油などから人工的に作られ、機能の付加(速乾・冷感・発熱など)も可能な繊維です。また、繊維の太さを変えることで、様々な強度や手触りなどを作り出すことができます。大量生産が可能で、天然繊維と比べると低価格で手に入りますが、最近の石油高騰により、化学繊維も値上げの傾向にあるように感じています。

三大合成繊維といわれるポリエステルナイロンアクリルは化学繊維全体の95%を占めていると言われています。
それぞれの特徴をご紹介しましょう。

変幻自在も個性的な繊維

ポリエステル

ポリエステルは化学繊維の約40%を占めているといわれ、天然繊維の代替えで開発されました。シート状にしたものがPETシートとなり、ペットボトルと同じ素材となります。
縮みや伸びに強いことから、シワになりにくく、熱セット加(※)が容易なので、シャツやスラックスに使用されるケースが多いようです。お洗濯には強い繊維なので、比較的お手入れは簡単ですが、親油性が高いので、油汚れは取れにくいことが。食べこぼしなどの汚れには要注意です。

加工によってシワがつきにくくなるなど、手入れが簡単な素材

熱セットとは、生地に熱と圧力でしわのない状態、もしくは、折り目を付けた状態など形態や寸法を安定・維持することができる加工のひとつです。

ナイロン

ポリエステルの次に多いのがナイロン。シルクの代用品として開発されたナイロンは、軽さと丈夫さと兼ね備えた、まったく新しい繊維として「鋼鉄よりも強く蜘蛛の糸より細い」というキャッチコピーがつけられています。
弾力性があって、特に糸として、強度を持たせたい時に使われています。ポリエステルより色鮮やかに染色することができますが、長期間の光や紫外線により酸化して黄変することもあるので、お洗濯の際は、陰干しがよいそうです。

その強さからバッグやロープにも多く使用されています

アクリル

アクリルは羊毛(ウール)を目指して開発された繊維です。ふんわりと軽く、かさ高いので、編むことによって空気層をつくり、保温性に優れています。熱に弱く、毛玉ができやすいので優しく扱いましょう。

服を素材をもっと楽しもう!

見た目は同じTシャツも、素材が違うことで、機能や性能に差がでることがあります。

スポーツをするためのTシャツなら、速乾性の良いポリエステルを選び、肌着としてのTシャツには、肌ざわりのよい綿を選ぶ。

着る人に寄り添って、製品の用途や性質を考えないと着心地や使い心地の悪い製品になってしまいます。繊維の種類によって、特徴も違えば加工の要領も違い、製品の見た目にまで影響することがあり、私たちは、協業するメーカーさんのイメージしたとおりの製品になるように素材も含めて提案し、ものづくりをしています。

普段着ている服の品質表示ラベルをチラッと見てみましょう。もしかしたらお気に入りの服の共通点はデザインだけじゃなく、素材かもしれませんよ。天然繊維だから肌触りがいいんだ!とか、シワになりにくいから手入れしやすい!など知れば知るほど、服に愛着が湧くかもしれません。

大事な服の衣替えのタイミングで素材チェックしてみるのも、面白いかも知れませんね。