りもまえ

昭和末期生まれのサラリーマン。美術館好きです。 俺はアートに感謝している。美術館に行…

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昭和末期生まれのサラリーマン。美術館好きです。 俺はアートに感謝している。美術館に行かなければ引きこもりになっていたから。。。

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    展覧会の感想を徒然と述べるだけのnoteです。

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令和の驚異の部屋にようこそ。「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」

“我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。” 創世記 1章26節 展示ケースに野球グローブとボールがぽつんと。 使い古された革のくたびれ具合がひしひしと感じられます。 緩衝材に包まれた箱。少し力を入れるだけで潰れるプチプチの触感。 そして、真っ白なおろしたてのスニーカー。 展示ケース内にあるのは、身近に見かける普通の品々。 予備知識が無ければ、ただそれだけに見えるかもしれません。 もしもこれらの物のリアルな感触をイメージしたら、その時点であなたの脳は令和の匠たちの腕

    • ミッキー考

      原宿でぎょっとするものを見かけた。 トミーヒルフィガーのコラボの眼がキラキラ★ミッキー。 何だろう、このザラっとくる違和感は? 見慣れたミッキーの眼は白目に黒目のツートーン。しかしこのミッキーは虹彩と瞳孔が描かれている。 普段と細部が違う、少し現実寄り。そうなると全く異なるよりも受け入れがたい。 (ミッキーに思い入れは無いけれど) しかしこのミッキー、ディズニーリゾートのミッキーとは相容れない感じがすごい。 同じ空間で出くわしたら対消滅するか、学校の屋上に行って一

      • 泉屋博古館東京 不変/普遍の造形 住友コレクション中国青銅器名品選

        ●ツイッター投稿まとめ 独断と偏見のランキング(最大5つ星) ボリューム:★★★★ 作品を一つずつ見るのにちょうど良い展示数 展示品バラエティ:★★★★★ 青銅器オンリーだが色々なフォルムで飽きさせない 解説:★★★★ 青銅器の種類、模様の意味、歴史を丁寧に解説 話題性:★★★★ 馴染みの薄い古代中国ものとしては老若男女多く集まっていた キュレーション:★★★ 京都館は360度ガラスケースでみれたものが、東京では見えないのが多く残念

        • 黒と白で魅せる人間劇場 ヴァロットンのパリ

          “好きとか嫌いとか欲しいとか口走ったら如何なるでしょう。ああ白黒付けるのは恐ろしい…切実に生きればこそ…” 椎名林檎 / 『おとなの掟』 ● 三菱一号館美術館『ヴァロットンー黒と白』に行ってきました。ゴッホやロートレックなど同世代の画家と比べれば日本での知名度はまだまだですが、負けず劣らずインパクトがあったので、感想をつれづれと。 フェリックス・ヴァロットン (1865-1925) スイス出身、主にパリで活動した画家・版画家。 今回の展示は彼の版画家としてのキャリアに注

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          ポケモンに似ている? 京都で動物彫刻の巨匠、ポンポンの可愛さに酔う

          「ポンポン」。かわいい響き。しかし新種のポケモンやゆるキャラの名前ではありません。 フランソワ・ポンポン(1855年〜1933年)はフランスの彫刻家、特に「動物彫刻」の分野の巨匠と言われている人物です。 現在、京都市京セラ美術館で、日本であまり紹介される機会の無かったポンポンの展覧会が開催中です。 さっそく、彼の作品がこちら。 「ポンポン」の語感に違わぬ愛らしい、けれどもリアルなフォルムのシロクマの彫刻です。 フランソワ・ポンポン『シロクマ』1923-1933年 動

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          滋賀と京都のあわいで生まれる新アート&カルチャー

          「滋賀県=琵琶湖。それ以外の名物は...?」 現地の方に失礼と思いつつ、これが東京生まれの自分の率直な滋賀のイメージ。そんなあやふやなイメージが、ある美術館に行って一変しました。 それが6月にリニューアルオープンした「滋賀県立美術館」。 元の名前は「滋賀県立近代美術館」。リニューアルを機に、時代を問わず広い分野のアートを紹介、県民に親しみを持ってもらう為、「近代」を抜き「滋賀県立県立美術館」に改名したそうです。 旧名の影も形も残さない美術館の改名が多い中、このタイプの

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          マン・レイとは何者? 彼が愛した5人の「女(ミューズ)」たち

          ミューズ【Muse】 ギリシャ神話で、文芸・学術・音楽・舞踏などをつかさどる女神ムーサの英語名。転じて、芸術家にインスピレーションを与える女性のこと マン・レイ(1890〜1976年)、この不思議な響きのアーティストを知ったのは、高校時代に『アングルのヴァイオリン』を見たことがきっかけでした。 『アングルのヴァイオリン』1924年 ウエストのくびれが楽器のフォルムにぴったり重なり、アングルの裸婦像にも重なるダブルイメージで、すっかり虜になってしまいました。 時は経ち

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          日本美術の細部の「神」を巨大映像の中から探してみる

          「神は細部に宿る」。しかし実際に美術館で作品を細部までじっくり観賞することは難しい。作品のサイズ、ガラスケース、暗い照明、他の来場者、そして集中力の欠如。現実に『日曜美術館』や『美の巨人たち』みたいに無人の展示室で見る事も、高性能カメラで撮影したズーム映像を見る事もかないません。 そんな時、大手町で開催される『巨大映像で迫る五大絵師』の内覧会に招待されました。 北斎、広重、宗達、光琳、若冲。日本美術の巨匠の作品が、幅45mの巨大スクリーンに、紙の繊維まで見える拡大映像が音楽

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          「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」@東京都庭園美術館

          前回展覧会で写真が撮れないと嘆いてたら、今回の展覧会は館内撮影OK。しかし館内で撮りまくっても中々良い写真はできず、自分の撮影スキルに絶望。 だがそれも仕方ない。限られた状況でベストを尽くし結果が残せる者が勝利するのだ(何に?)。 今回のポイントは ①ガラスにエロスを感じる、ラリックの造形美を堪能 ②想像以上に明るい100年前のアール・デコ全盛期を垣間見れる まずラリックの作品、異様にヌードが多いです。ニンフや女神、ファム・ファタル達の柔らかな曲線美が硬質なガラス

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          「ブダペストーヨーロッパとハンガリーの美術400年」展 @国立新美術館

          今回からレビュー初投稿。が、他のみなさん写真を多用したり、専門的なレビューを書いてる人が多く、気楽に投稿したい気持ちが早くもグラつく。 副業として書いてる人もいるから、それくらいのクオリティは当然か。 画像出典:展覧会公式サイトより とりあえず、展示の特徴ですが、 ①ルネッサンスから20世紀までの西洋美術の流れを知る事ができる ②ハンガリー絵画の名品が勢揃い この二つが本展覧会のポイント。 ①は、教科書にのるレベルのメジャー作品は無いけれど、ティツィアーノ、ク

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          こんにちは、みなさん(誰に言っているのだ…)。美術館で展覧会をみるのが好きな会社員です。 10年以上美術館巡りを続けてるけど、最近は昔に比べて作品に感動することや、会場の雰囲気をじっくり味わう事が出来なくなってきた。 メジャーな展覧会に入場して満足するスタンプラリー的な鑑賞を改善するためにnoteを始めてみようと思います。 あくまでも忘備録として、個人的な楽しみとして、コンスタントにつづけていけるよう…がんばります、ではなく神に祈ります。

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