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2021/06/18 即興詩「風邪」

何も信じられなくなる
誰も信じられなくなる
そんな 人によって程度の違う「風邪」は
季節の変わり目に もしくは
人生の変わり目にやってくる

信じることを
時に快く
時に恩着せがましく
裏切られてもいいと謳い
いざ裏切られて深く傷つき
もう信じないなどと
風邪を拗らせ
治った頃には
身体が弛み
元気になれば
また あなたを信じる

何を信じようとも
誰を信じようとも
この億千万の一つの星は
ごく自然に煌めき
そして ごく自然に消えていくのみ

大きな大きなざわめきでさえ
海のような湖のうちでは
おたまじゃくしの「けのび」のように
波にならない波を立てるだけ

ただ なるべくそれが
大勢で行われないことが
ただ 一抹の不安であるのみ


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今日感じたことは、明日はもう忘れている。
僕は結構、そんな人間ですが、どうしても許せないことや忘れられないことを持ち越す人もいるでしょう。
風邪と同じ、というのも、それくらいに考えた方が健康的なのではないかと思うことがあります。

いずれも、肩に力が入り、その力が抜けないと負担になって症状が出る。

何かを信じられない時、ぶつけようのない思いを大きく吸い込み、自分の中でポッポポッポと汽笛をあげます。たくさんの形容詞で、頭の中にある「それ」を、容赦なく叩きのめします。
しかし、それも飽きたりとかお手洗いに行ったりとかすると、妙に力が抜けて、俺は何を怒っていたのだと馬鹿馬鹿しく思えてくることも少なくないでしょう。

一度緩んでからまた渦中の相手と出会ったときは、なんとなくムキになって、無理やり強張ってみたり。
長い夫婦喧嘩などは、ほとんどが意地の張り合いなのかも知れません。

一対一は、いいんですけどね。
多勢に無勢だと、厄介です。
僕なら、逃げます。

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