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【コナン式中学数学】xyの項がない式の因数分解

公式は教科書を見てもらうとして、私は因数分解を論理的に、まるで推理をするように解く方法を、よいこのみんなに教えたいと思います。

真実はいつもひとつ!


因数分解のコツ

どんなに難しそうな問題でも、あることを意識すれば、おのずと解法は見えてくるようにできています。
あること、それは
1. 出題者がやらせたいことを推測する
2. 出題者は公式を使って問題を作ったに違いない
この2点です。

やらせたいこととは出題者の問題意図であり、解法そのものであります。つまり「こうやって解いてください」というはっきりとしたものがあるのが因数分解の問題の特徴なのです。

また因数分解の問題は、公式から逆算して、ルービックキューブをぐちゃぐちゃにするような感じで作られます。

だから、出題意図さえわかってしまえば、必ず解けるのです。


例題1

$${4x^2-y^2-2y-1}$$を因数分解せよ

解答

二乗の項が二個あるから、因数分解の公式のどれかを使うんだろうということはすぐに思いつく。これは勘にも近いが、推理を進める動機としては十分なまるで"仕組まれているような違和感"

ただ、$${xy}$$の項がないことから、
$${(ax+b)(cx+d)=(a+c)x^2+(ad+cb)x+bd}$$
の真ん中の項がプラスマイナスで相殺されるのか、もしくは
$${a^2-b^2=(a+b)(a-b)}$$
に因数分解されるのかそんな感じだろう
と推測できる。
今回の問題の出題意図は、これらのことに気が付き、適切な公式の形に変形して因数分解を完了させることだと推測できる。

もしくは、前半が
$${4x^2-y^2=(2x+y)(2x-y)}$$
と因数分解され後半の部分と同じ形になる可能性もあるが、
後半の部分は
$${-2y-1}$$
であり、文字が違うのでそれはない。

ここまでで、トリックの候補が2つに絞られたっぽいという状況になった。
進んでよし。
大事なのはすぐ手を動かすのではなくて、問題をよく見て法則を発見すること。

式を見ると、どうやら
$${-y^2-2y-1}$$
は二乗の形に因数分解できるっぽい。
確かに頭の中でやってみると、

$$
\begin{array}{}-y^2-2y-1&=&-(y^2+2y+1)\\\
&=&-(y+1)^2
\end{array}
$$

となる。これは先ほどでてきた
$${a^2-b^2=(a+b)(a-b)}$$
の形に持っていけるので、ここで初めて手を動かす。

$$
\begin{array}{}4x^2-y^2-2y-1&=&(2x)^2-(y+1)^2\\\
&=&(2x+y+1)(2x-y-1)
\end{array}
$$

以上。

推理になぞらえる

今回の事件現場(つまり問題)に残された痕跡は、
・これが因数分解の問題であること
・二乗の項が2種類あること
・xyの項がないこと
そしてこれらの痕跡と因数分解を結びつけるのに使えそうなカギ(つまり公式)は
・$${(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd}$$もしくは
・$${(a+b)(a-b)=a^2-b^2}$$
さらにこれらの情報を元に式をよく見ると
・式の後半が二乗の形に変形できる

以上の情報から、使うカギは
$${(a+b)(a-b)=a^2-b^2}$$
だと確定。
ここで初めて手を動かし始め、因数分解を解き終える。

そういうことか。分かったぜ、犯人が使ったトリックと真犯人の正体が…!!



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