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ビジョン策定なんて、めったにやる必要ないです

最近お会いした方に、ビジョン策定やミッション(パーパス)策定をどういう視点、プロセスで支援しているのか?ということを聞かれて、つらつらとご説明したのですが、せっかくなのでnoteでもまとめて紹介してみようと思いまして。

というわけで、早速本題です。

組織開発コンサルの中でよく扱うお題として、ビジョン策定やミッション(パーパス)策定があります。

ややこしいので、ここではいったん「ビジョン策定」に表現を統一して進めます。

実は「ビジョン策定をやりたいんです」とストレートにお願いされるケースって意外と少なくて、別の課題認識が入口にあって、そこから「結局、それってビジョンがないと始まらなくないですか?」というオチになることがほとんどです。

例えば、「既存事業を走らせながら、新規事業を立ち上げたいんだけど、幹部メンバーから『どこを目指しているのか見えなくて判断に迷います』と言われます。どうしたらいいですか?」という相談が入口で、

こちらからの提案として、「では、社長の頭の中を共有しつつ、幹部メンバーと一緒にビジョンとして言語化する中で、意思統一をはかりませんか?」という流れになる、というようなイメージです。

この逆が結構ヤバくて、いきなり「ビジョンを作りたいんですけど!」と来られて、背景を聞くと「会社が50周年なので、節目として作りたい」とか「採用を強化したいので、そのメッセージを考える土台として作りたい」とか、よく分からない理由が出てくるパターンです。

別に周年の節目だからといってビジョンを作った方がいい理由にはならないし、「採用を強化する」んだったら「ビジョンを作る」は打ち手としてオーバースペック過ぎてやめた方がいいです。

これは発注を受けるコンサル側にも問題があると思っていて、「ビジョン策定」という分かりやすいhowをクライアント側が持ち込んできているので、それにそのまま応えれば課題解決したことになるでしょ、というスタンスなわけです。

ただ、このスタンスでビジョンを作っても、最終的に納品した後に「で、これって何のために作ったんだっけ?」と必ずなります。

そして数年以内にビジョンが形骸化する未来が、間違いなく待っています。

そんな中で、このタイミングならビジョン策定という打つ手が少なからず寄与できると思うものをいくつか挙げておきます。

①事業モデルを大きく転換する

②M&Aで複数事業が合流する

③新規事業に舵を切る or 事業撤退をする

いずれも、会社として作り出したい未来(=ビジョン)が再定義されるタイミングになる確率が高いので、組織のメンバーと思い描くイメージを共有しておくことが重要になってきます。

逆に言うと、それぐらい重要な転換点でしか本来は出てこない話だと思って良いです。

ということで、ビジョン策定なんてめったにやる必要ないよ、というお話でした。

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